サイモン・ラトル指揮 ベルリンフィルハーモニー管弦楽団 日本公演 (ミューザ川崎シンフォニーホール 2017/11/23)
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サイモン・ラトル指揮のベルリンフィル日本公演に行ってきた!!
いつかベルリンフィルのコンサートに行こう、という長年の夢がかなった
思えばクラシックに開眼したのと同時期にカラヤンが他界。それでもカラヤンとベルリンフィル最高、とクラシックのCDを買いまくる私的クラシックブームが2回あった。
その過程でフルトヴェングラーも知ったし、サイモン・ラトルも知った。
そして今年3度目の私的クラシックブーム。今年は「カラヤン以外」がテーマだった。けれどカラヤンもまあまあ買ったけど。
四月に、サイモン・ラトルとベルリンフィル来日公演のニュース
チケット発売は5月末ごろだった、
チケット即日完売が予想されたので、事前抽選も申し込んだけど、当然落選。発売日当日の10時打ちでなんとかチケット入手。これが中々お高い席しか取れなかったのだけど、ホンモノのベルリンフィルが聴けるのならと、迷わずチケット確保。一旦は全席埋まったのだけど諦めずに予約状況画面を更新していくと、誰かキャンセルしたらしい2席をすかさず確保。
そして11月の公演に向けて、2017年は生きてきたようなものだった。
演奏プログラムのストラビンスキー「ペトルーシュカ」(シャルル・デュトワ ロンドン交響楽団)と、ラフマニノフ交響曲3番(ワレリー・ゲルギエフ ロンドン交響楽団)のCD買って聴き込んだ。
サイモン・ラトルとベルリンフィルのアルバムも2つ買った。
マーラー5番と、ベルリオーズ「幻想交響曲」
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というわけで、当日
開演40分前に着いて、ホワイエでワイン1杯。公式プログラム2000円、惜しげも無く購入。
席につく。ステージ近くの2階席。
コントラバスの人たちは早めに席に付いている。手元に楽器があるバイオリンや吹きモノ系と違って手持ち無沙汰なのか。
開演の鐘がなり、団員たちがぞろぞろと入ってくる。
そしてコンサートマスターの樫本さん入場。
そして最後にサー・サイモン・ラトルの入場だ。
トレードマークのモジャモジャ頭。
そして早速一曲目
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ストラビンスキー「ペトルーシュカ」
始まるぞーとワクワク感満点なフルートの音色
そしてラッパ系が、ジャンジャンと高らかに、ファンファーレ風に鳴らされる。
七色の音楽と言わんばかりの、あらゆる楽器が歌い主張し戦い共に生きていくきらびやかな楽曲!
ミューザ川崎のホールの作りの特長か、音に包まれるような感覚。
これは自宅のステレオや、iPhoneとヘッドフォンで聴いても絶対に得られない感覚。
モジャモジャ頭で変な顔で楽団のあちこちのパートにアピールしていくラトル。アイコンタクトを超えたフェイスコンタクト、団員を笑わせたいんだろうか?
カラヤンは目をつぶって指揮をしてアイコンタクトなどしなかったらしいが、あまりにも対照的な姿勢。
それでいてラトルは所々で完全に団員もお客もいない自分だけの世界に入っちゃってる感もある。なんか奇人変人な感じ。
でも演奏はフルトヴェングラーにも通じる感情のうねりである。
「ペトルーシュカ」の曲としてもラトルその人のために書かれたかのような楽しさ満点の曲。トランペットソロの名調子もあって、すごい名演!!と思いました。
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チン・ウンスク「Chorós Chordón (Dance of the Strings)」
コンサートのためにベルリンフィルから委託されて作られたできたてホヤホヤの新曲。
チン・ウンスクさんは初めて知りましたが、韓国人女性作曲家で、主にヨーロッパで活動中とのこと。
音楽は、宇宙物理論でいう紐の力を弦楽器の音に見立てた、前衛的な曲。
明確なメロディラインは無く、バイオリンの音に重なって、打楽器奏者が紙をクシャクシャと擦り合わせる音を立てる。
「紙」係がマリンバも担当していて、紙とマリンバを交互に扱うのだけど、あの紙がぴらっと飛んでいかないか心配だ、その場合譜面を破いて音を立てるしかない
それはともかく、しかしメロディがないにも関わらず決して退屈するようなことはなく、音の作り出す不安なそれでいて次第に壮大な雰囲気を醸してくる世界観に圧倒されるのだった。こんな曲でも難なくこなすラトルの引き出しの多さというか器のでかさというか
なんとなく、「2001年宇宙の旅」とかタルコフスキーの諸作に使えそうな、使っていそうな、そんなSF感もたっぷりな曲でした
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ラフマニノフ交響曲第3番
ピアニストととして有名なラフマニノフがピアノ曲でなく、交響曲。
ストラビンスキーと同じくロシア革命により、祖国ロシアに帰ることができなくなった人。
3番の作曲は1940年代。同時代のストラビンスキーは結構新しい音楽を求めて攻めていたのに比べると、ラフマニノフは古典的。
上品たが、悪く言えばあまり面白くない交響曲。
と思っていたが、生演奏で聞いてみると印象が変わった。
ラフマニノフが求めたのは、オーケストラの音色の美しさではないか。もっとも美しく聞こえる音の組み合わせを追い続けた結果なのかもしれないなどと、そんなことを感じた。
そらくらい、ミューザ川崎のオーケストラの音色が閉じ込められたお鍋のような不思議な響きの中でラフマニノフ3番は美しく聞こえた。
そして、その圧倒的に美しい音の中に、サイモン・ラトル指揮の独特の感情的なうねりが加わる。
それは只々、圧倒的な音と感情の洪水にして、至福の時間であった。
3楽章のコーダ、もともと好きだったところだけど、ラトル&ベルリンフィルのこれでもかッていう表現に心はブン回される。
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アンコール曲
プッチーニ 歌劇「マノン・レスコー」第三幕間奏曲
プログラムの三曲が終わると、ラトルは日本語で挨拶(意外と発音がいい)
そして、英語でアンコール曲を発表。
「Puccini」くらいは俺でもわかったけど、マノンレスコーの間奏曲ってのはわからんかった。
っていうか、プッチーニなんて例の「イナバウアーのテーマ」または、ハリウッド映画ではそれがかかると暗殺シーンとセレブの優雅な暮らしぶりが交互にモンタージュされることで知られる、あの睡眠不足になりそうな曲しか聴いたことないのだけど…
でも、しびれたぜ!かっこいいよプッチーニ。
そうだ!来月はラトルのプッチーニのアルバム買おう!
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そんなこんなで、夢の中にいたような至福の体験
ベルリンフィルもサイモン・ラトルもやっぱ大好き!
クラシック音楽漬けだった私の2017年の素晴らしいクライマックスでした!
ラトルは今季でベルリンフィルの芸術監督を退任する
すでにロンドン交響楽団の音楽監督就任が決定していて、なんと、2018年の9月にもう来日公演決定!
スターウォーズ、スーパーマン、レイダース、エイリアン2、スペースバンパイアを手掛けた映画音楽ファンには超特別な存在のロンドン響だぜ!俺的世界三大オケ!(あと二つはベルリンフィルと、シカゴ響)
また、がんばってチケット買わなくっちゃ!
また来年もクラシック音楽で楽しむ一年となりそうだ!
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サイモン・ラトル指揮のベルリンフィル日本公演に行ってきた!!
いつかベルリンフィルのコンサートに行こう、という長年の夢がかなった
思えばクラシックに開眼したのと同時期にカラヤンが他界。それでもカラヤンとベルリンフィル最高、とクラシックのCDを買いまくる私的クラシックブームが2回あった。
その過程でフルトヴェングラーも知ったし、サイモン・ラトルも知った。
そして今年3度目の私的クラシックブーム。今年は「カラヤン以外」がテーマだった。けれどカラヤンもまあまあ買ったけど。
四月に、サイモン・ラトルとベルリンフィル来日公演のニュース
チケット発売は5月末ごろだった、
チケット即日完売が予想されたので、事前抽選も申し込んだけど、当然落選。発売日当日の10時打ちでなんとかチケット入手。これが中々お高い席しか取れなかったのだけど、ホンモノのベルリンフィルが聴けるのならと、迷わずチケット確保。一旦は全席埋まったのだけど諦めずに予約状況画面を更新していくと、誰かキャンセルしたらしい2席をすかさず確保。
そして11月の公演に向けて、2017年は生きてきたようなものだった。
演奏プログラムのストラビンスキー「ペトルーシュカ」(シャルル・デュトワ ロンドン交響楽団)と、ラフマニノフ交響曲3番(ワレリー・ゲルギエフ ロンドン交響楽団)のCD買って聴き込んだ。
サイモン・ラトルとベルリンフィルのアルバムも2つ買った。
マーラー5番と、ベルリオーズ「幻想交響曲」
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というわけで、当日
開演40分前に着いて、ホワイエでワイン1杯。公式プログラム2000円、惜しげも無く購入。
席につく。ステージ近くの2階席。
コントラバスの人たちは早めに席に付いている。手元に楽器があるバイオリンや吹きモノ系と違って手持ち無沙汰なのか。
開演の鐘がなり、団員たちがぞろぞろと入ってくる。
そしてコンサートマスターの樫本さん入場。
そして最後にサー・サイモン・ラトルの入場だ。
トレードマークのモジャモジャ頭。
そして早速一曲目
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ストラビンスキー「ペトルーシュカ」
始まるぞーとワクワク感満点なフルートの音色
そしてラッパ系が、ジャンジャンと高らかに、ファンファーレ風に鳴らされる。
七色の音楽と言わんばかりの、あらゆる楽器が歌い主張し戦い共に生きていくきらびやかな楽曲!
ミューザ川崎のホールの作りの特長か、音に包まれるような感覚。
これは自宅のステレオや、iPhoneとヘッドフォンで聴いても絶対に得られない感覚。
モジャモジャ頭で変な顔で楽団のあちこちのパートにアピールしていくラトル。アイコンタクトを超えたフェイスコンタクト、団員を笑わせたいんだろうか?
カラヤンは目をつぶって指揮をしてアイコンタクトなどしなかったらしいが、あまりにも対照的な姿勢。
それでいてラトルは所々で完全に団員もお客もいない自分だけの世界に入っちゃってる感もある。なんか奇人変人な感じ。
でも演奏はフルトヴェングラーにも通じる感情のうねりである。
「ペトルーシュカ」の曲としてもラトルその人のために書かれたかのような楽しさ満点の曲。トランペットソロの名調子もあって、すごい名演!!と思いました。
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チン・ウンスク「Chorós Chordón (Dance of the Strings)」
コンサートのためにベルリンフィルから委託されて作られたできたてホヤホヤの新曲。
チン・ウンスクさんは初めて知りましたが、韓国人女性作曲家で、主にヨーロッパで活動中とのこと。
音楽は、宇宙物理論でいう紐の力を弦楽器の音に見立てた、前衛的な曲。
明確なメロディラインは無く、バイオリンの音に重なって、打楽器奏者が紙をクシャクシャと擦り合わせる音を立てる。
「紙」係がマリンバも担当していて、紙とマリンバを交互に扱うのだけど、あの紙がぴらっと飛んでいかないか心配だ、その場合譜面を破いて音を立てるしかない
それはともかく、しかしメロディがないにも関わらず決して退屈するようなことはなく、音の作り出す不安なそれでいて次第に壮大な雰囲気を醸してくる世界観に圧倒されるのだった。こんな曲でも難なくこなすラトルの引き出しの多さというか器のでかさというか
なんとなく、「2001年宇宙の旅」とかタルコフスキーの諸作に使えそうな、使っていそうな、そんなSF感もたっぷりな曲でした
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ラフマニノフ交響曲第3番
ピアニストととして有名なラフマニノフがピアノ曲でなく、交響曲。
ストラビンスキーと同じくロシア革命により、祖国ロシアに帰ることができなくなった人。
3番の作曲は1940年代。同時代のストラビンスキーは結構新しい音楽を求めて攻めていたのに比べると、ラフマニノフは古典的。
上品たが、悪く言えばあまり面白くない交響曲。
と思っていたが、生演奏で聞いてみると印象が変わった。
ラフマニノフが求めたのは、オーケストラの音色の美しさではないか。もっとも美しく聞こえる音の組み合わせを追い続けた結果なのかもしれないなどと、そんなことを感じた。
そらくらい、ミューザ川崎のオーケストラの音色が閉じ込められたお鍋のような不思議な響きの中でラフマニノフ3番は美しく聞こえた。
そして、その圧倒的に美しい音の中に、サイモン・ラトル指揮の独特の感情的なうねりが加わる。
それは只々、圧倒的な音と感情の洪水にして、至福の時間であった。
3楽章のコーダ、もともと好きだったところだけど、ラトル&ベルリンフィルのこれでもかッていう表現に心はブン回される。
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アンコール曲
プッチーニ 歌劇「マノン・レスコー」第三幕間奏曲
プログラムの三曲が終わると、ラトルは日本語で挨拶(意外と発音がいい)
そして、英語でアンコール曲を発表。
「Puccini」くらいは俺でもわかったけど、マノンレスコーの間奏曲ってのはわからんかった。
っていうか、プッチーニなんて例の「イナバウアーのテーマ」または、ハリウッド映画ではそれがかかると暗殺シーンとセレブの優雅な暮らしぶりが交互にモンタージュされることで知られる、あの睡眠不足になりそうな曲しか聴いたことないのだけど…
でも、しびれたぜ!かっこいいよプッチーニ。
そうだ!来月はラトルのプッチーニのアルバム買おう!
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そんなこんなで、夢の中にいたような至福の体験
ベルリンフィルもサイモン・ラトルもやっぱ大好き!
クラシック音楽漬けだった私の2017年の素晴らしいクライマックスでした!
ラトルは今季でベルリンフィルの芸術監督を退任する
すでにロンドン交響楽団の音楽監督就任が決定していて、なんと、2018年の9月にもう来日公演決定!
スターウォーズ、スーパーマン、レイダース、エイリアン2、スペースバンパイアを手掛けた映画音楽ファンには超特別な存在のロンドン響だぜ!俺的世界三大オケ!(あと二つはベルリンフィルと、シカゴ響)
また、がんばってチケット買わなくっちゃ!
また来年もクラシック音楽で楽しむ一年となりそうだ!