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ボルベール 帰郷 [監督:ペドロ・アルモドバル]

2007-11-09 19:36:33 | 映評 2006~2008
死体の隠蔽処理をしていてる母。その最中に来客があり、服に血が付いたまま応対する。
「血が付いてるぞ」
「女には色々あるのよ」

3世代の女たちの男にもてあそばされた悲しみと苦しみの物語ではあるが、感傷的にならず、説教くさくもせず、適度なブラックユーモアで軽妙にながす。結果あぶり出されてくるのは女の強さ、たくましさ。

イカれた男たちの愛を軸に、作劇上の大技小技をまぶして物語の大きなうねりに飲み込んでいった前2作(「トーク・トゥ・ハー」「バッド・エデュケーション」)と異なり、緩やかに素直に物語を紡いで行く。
女好き、あるいは母への讃歌。マザコンとかそんな生易しいものじゃない。女への憧れ。
数十年前、ペドロ少年は、将来何になりたいですか?と問われた時、「お母さん」と答えたかもしれない。

普通の愛なんてつまらない。異常な愛でこそ人間の本性が浮き出る。ペドロ映画では、異常さの中で男たちが崩壊していく一方で、女たちは強く成長していく。

ペネロペ・クルスはじめ女優陣の魅力たっぷり、やっぱり面白いペドロ・アルモドバルであった。

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