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映画ブロガーら有志23名による「10年代映画ベストテン」発表!

関ヶ原 原田眞人監督版 地上波で鑑賞

2019-06-03 01:31:08 | ビデオ・DVD・テレビ放映での鑑賞
地上波放送にて「関ヶ原」鑑賞。
原作は私の愛読書である。

不要なエピソードを過剰にじっくり積み重ねたところが大好きだった原作は、映画化で必要最低限未満のエピソードを不適切にスピーディに進める作品に変わった

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映画冒頭が関ヶ原の合戦が始まるその日の朝だったので、これはもしかしたら原作を大胆に脚色し、合戦の数時間にフォーカスした映画にするのか!?とちょい期待するも、話は秀吉存命のころに戻って、割りかし原作に忠実に時系列で関ヶ原までのストーリーが語られる。

そもそも3時間3部作くらいで描くべき作品を2時間ちょいにしてる時点で期待はしてなかったが、予想通りまたは予想以上に、とにかく酷かった

真田や如水の件のカットは仕方ないにしても、直江状、伏見城の戦い、小山評定のとこカットしてると、なんで関ヶ原で戦ってるのかさっぱり分からない。
小早川がなんで裏切ったのかも説明不足で、裏切るって知ってるから別にいいんだけどじゃ済まないよ
そもそも朝鮮の役について言及ほとんどないから、近江衆と尾張衆の対立構図も見えてこない
テレビサイズにカットしたからか、もともとそういうホンなのか
そうかと思えばガラシャのとこ台詞だけで説明するくらいなら要らんだろ

島津の撤退戦もないし、大谷刑部の首をめぐるくだりもないし、いい場面がことごとく無い。
その割に原作にない初芽ちゃんアクションシーン追加とか、何がしたくて撮った映画なんだろ

だいたい初芽との恋なんて、関ヶ原のプロットがしっかりしている上での箸休めなのに、メインのようにしちゃダメだろ。有村架純はまったく強そうでなく汚れた感じもなく、いったいどんな事情で彼女がキャスティングされたのか。なんかの罰ゲームだろうか。可哀想になってくる

関ヶ原までの謀略戦も三成・家康の性格描写も必要最低限しか描かない脚本はテンポはいいがつまらない。原作は必要最低限どころか、不要で過剰なエピソードを積み重ねて感動を呼ぶものだったから、真逆すぎるアプローチだ。
それでもなんでも合戦が始まればそこそこ面白いだろうと思っていたが、肝心の合戦シーンが全然ショボい
見通しの悪い山道みたいなところでの戦いが多く、絵的に奥行きなく、軍団に広がりもなく、画角もせまく
カメラは中に入るでも思いっきり引くでもなく、中途半端に距離置いている。中途半端なのに軍勢のケツが見えてるので、大した数いないこともバレバレ
どの軍勢がどこにいて、どこと戦っているのかも示さず「今島津が動けば勝てるぞ」などと台詞処理だけ
島左近の最期も原作の方が圧倒的に格好良かった。

そんなこんなでいいところのない映画でしたが、昔言葉を早口でまくし立て字幕もない潔さは評価する。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ナガシマ)
2021-09-28 08:53:25
愛読書と拝見しまして、司馬遼太郎の「関ヶ原」読んでおります。小山評定が終わったところです。お話と分かっているのですが、生き生きと描かれた登場人物や筋立てが魅力的です。
岡田准一主演の映画も観てみようと思いますが、そのような有様では是非もない感じです。おっしゃられるように2時間×3部作くらいで描かないとならないでしょう。
加藤剛が主演したドラマが10月4日にTBSチャンネル2で再放送されるそうです。三部に分かれて6時間くらいの尺でした。そちらを先に観ようと思います。
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Unknown (studioyunfat)
2021-09-30 14:30:20
ナガシマ様
コメントありがとうございます
加藤剛版も昔見ました
島左近→三船敏郎
徳川家康→森繁久彌
本多正信→三國連太郎
と、キャスティングは完璧ですし、ストーリーは映画よりはだいぶ原作に忠実です。関係なさすぎるところは切ってましたが
ただ、画の迫力は映画版の方がさすがにありましたが…
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