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映画作りの糧とすべく劇場鑑賞作品中心にネタバレ徹底分析
映画ブロガーら有志23名による「10年代映画ベストテン」発表!

ミッドサマー

2020-05-03 19:35:00 | 映評 2013~

なんだか恐ろしいバトンを受け取ってしまった

映画7本紹介バトンという

うえだ城下町映画祭の尾崎さんから回ってきた


7日間毎日1作品を紹介しなくてはならないという、なかなかの呪いのバトンだ


でも映画好きの映画監督を名乗っておきながらスルーするのはかっこ悪いので腹をくくってチャレンジすることにする


なんとなく

1960年代

1970年代

1980年代

1990年代

2000年代

2010年代

2020年代

から1本ずつ7作品を紹介して行こうと思う

2020年代って、始まってまだ4ヶ月じゃねーかよ!!


では第一回は2020年代の映画から

「ミッドサマー」(2020

アリ・アスター監督

アメリカ映画






なぜこの映画を選んだのかと言えば、ちゃんと映画評書いてなかったから、ついでに、いい機会だと思って。


コロナが騒がれ出した頃に観に行った。

不要不急の外出自粛をと言われ始めたころ。

にも関わらず、「ミッドサマー」の劇場は満員だった。


私はホラーはどちらかというと苦手だ。といってもホラーの名作系はだいたい見てるけどあまり好き好んで見るジャンルではない。

これを観たのは32日だった。前日の映画の日にクソつまんねー中国映画のロングなんとかジャーニーを観てしまい、実はその日ミッドサマーとどちらを見るか迷っていたこともあり、口直しで鑑賞しようと渋谷の映画館に向かったのだった。


映画が始まった最初から超絶怖い地獄地獄。怪人よりゾンビより宇宙人より吸血鬼より幽霊より呪いより、怖いのは人間


両親共々自殺する妹の狂気が、しんしんとふりしきる雪で強調され、恐怖のどん底に落とされる。


そのあと主人公の女性とさの彼氏とその男友代たちがスウェーデン の田舎の夏至祭に行くことになる。


スウェーデン というのもよいチョイスというか、アジアアフリカだと差別的になるし、ロシア東欧だとなんか政治的になるし、どことなく野蛮な歴史があって白人西欧側文化圏となるとスカンジナビアあたりは都合がよい。


こんな映画オーケーするスウェーデンって器でかいな、さすがベルイマンの国だなとか思ったけど、さすがにスウェーデンは抗議したらしい。


そういえばこの映画で思い出したのは東宝の「大怪獣バラン」で、これは東北地方の山奥でバラダギ山神を崇める文明から隔絶された村が舞台で、昭和30年代にはもしかしてあんな村もあったのか?いやあるはずねーだろ!と思う設定だった。日本版ミッドサマー「大怪獣バラン」もどうぞ併せてお楽しみください。


スウェーデン の田舎にいく大学生どもの中にアフリカ系の人がいるのだが、これがNetflixドラマ「グッドプレイス」で哲学の教師チディを演じたウィリアム・ジャクソン・ハーパーで、ミッドサマー撮影時は40歳くらいで20代前半の学生役をやる歳ではないのだが、十分に学生っぽく見える。グッドプレイスでも20代かせいぜい30代前半の設定だった。

グッドプレイスに行ったはずのチディが人間に戻ってよりにもよって地球最悪のバッドプレイスに送られるとは、ついてないな


ミッドサマーに話を戻すとスウェーデンの田舎だから当然村民全員北欧系の白人なのだが、この村民たちは唯一の異人種であるチディじゃなくてWJハーパーを決して肌の色で差別しなかったことは評価してよいと思った。

と友達に話したら、いや差別しないとか以前の人格問題があるでしょうと当たり前な意見を言われた。


そういえばイギリスから来たカップルの女の方が彼氏が消えたのおかしい、私1人置いていくはずないとかギャーギャー騒ぎ出した時、村人の言い訳が車には三人乗れません、交通法規は守らないと、と言っててその前にじじいの頭ハンマーでぶち割っておいてなんでそういうところは守るんだと人事だからか笑ってしまった。


だからこの村の人たちはあの異常な殺人習慣が無ければ、人種差別はしないし交通ルールは守るし、村の女たち総出で女の子の初恋フォローするし、ハッパは吸うけどごく善良な人たちなのだ。


ハッパと言えば、村人たちは植物に支配されていたように思う。


彼らは枯れ木も大切にするのに、クマや人間の命は軽視する。

村に入って最初にすることが大麻的な効能のあるハッパをきめることで、ほとんどの儀式では村でとれたよくわからん薬草みたいのを潰したり煎じたりしたお茶的なものを飲む。そういえば酒を飲んでいた描写が思いつかない。酒よりもそこら辺の草の茶の方が全然ハイになれるのだ。

そしてデジタル処理された映像の陽炎のようなゆらぎは、食卓に飾られた花や、背景の林などにかけられる。

ついでにハイになった時に見えるのは手や足が植物と同化しているような幻覚。

「女王」の衣装は花ダルマ。祭の総仕上げの火祭りも草木花々に包まれたステージ


彼らは肉も食うし人も殺すけど、植物に対しては並々ならぬ敬意というか信仰を抱いているというより植物に支配されているようにも取れる。

植物たちが人間を支配する世界のミニチュアのような。

もしかしてこれをさらに進めるとM・ナイト・シャマランの「ハプニング」になるのかもしれない。


なにかこの映画の本来の魅力をなにも語らず枝葉末節ばかりのようになってしまったが、ひえーーと絶叫しまくる地獄の恐怖体験必至のこの作品。ぜひとも映画館で見ていただきたいのです。

家で見るにしても良さそうなのは、部屋を暗くして見なくても、キンキンに明るいところで観ても十分に地獄を味わえるだろう。

上高地とか、なんなら穂高岳中腹の涸沢カールとかで屋外上映とかしたらきっと最高

ミッドサマーを見て自然を大切にする心を養ってください!!





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2 コメント

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Unknown (studioyunfat)
2020-06-20 07:35:09
なるほどー
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Unknown (通りすがり)
2020-06-19 03:59:48
ロンドンから来たふたりは白人じゃないですよ。だから最初に殺されるんでしょうしね。ディレクターズカット版で車中で読んでる本にナチうんぬんあるのもおそらく偶然ではないでしょう。
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