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【映評】バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生[でも苦悩しないスーパーマンの方が好き]

2016-04-09 10:54:09 | 映評 2013~

超ネタバレ全開!
[58点]
観てる間は結構楽しかったが思い返すとなぜか文句ばかり

ワンダーウーマンについてよく知らないおじさんは、100年前のヨーロッパにもいたらしい以上の情報が無い中でクライマックスに突如参戦するコスプレ女戦士に戸惑いマックスだよ。
どんな設定?どんな能力?さっぱり判らんがとにかくお強い、ということだけはよくわかりました。

対スーパーマン仕様のフルアーマーバットマン…だ…ださい
バット力士?ツノ付きロボコップver.メタボ?
日本のアニメであの様なフォルムのメカはだいたいかませ犬型ヤラレ役です。ガンダムのゴッグ、ダンバインのドラムロなどですね

マイケル・ガフ、マイケル・ケインに続く三代目アルフレッドのジェレミー・アイアンズは精悍でかっこいいですね。もしかしてスーツ着てバットバトラーでも名乗ってくれないかと期待しましたが、もちろんそんなはずはありません。

クライマックス、巨大怪獣と戦うヒーローをバットウィングで援護するバットマン。ウルトラシリーズのデジャヴ。

役者といえば重要なのはジェシー・アイゼンバーグ君。アイゼンボーグに似た名前だから特撮との相性は悪くないってのはどうでもいいとして、エージェントウルトラのダメダメ諜報員に続き今回はおっさん的にはジーン・ハックマンの印象がいつまでも消えないレックス・ルーサーに新たな魂を吹き込んでくれた。ムカつく悪役が実によくハマる。
ただし、物語的には悪がレックス・ルーサーだけなのは良かったのか?バットマンとスーパーマンが戦うんだから悪側もレックス・ルーサーとバットマンの悪役、いっつもジョーカーだとアレだからノーランシリーズに出なかったペンギンやリドラーあたりと悪のチームを組むとかどうだろ。ワンダーウーマンの出番全カットすればなんとでもなりそうだけどな~

物語的に一番良く無いのがバットマンがスーパーマンと戦う動機がどうも弱いというところに尽きるだろう。
母を人質にとられたスーパーマンの動機はまあ良しとして、バットマンはなんでそこまで?
もっと強い奴現れたから戦うの中止しただけで、バットマンはスーパーマンを認めたことになってないのでは
予告編ですごい期待させた悪のスーパーマン的シーンが本編では全部夢だったどっちらけ感も強いけど、せめてその夢は実はレックス・ルーサーに見せられていたのだった、とかならクライマックスの心変わりも納得できるが、全部自分で勝手に見ていたわけでしょ
もちろんスーパーマンの戦いに巻き込まれて破壊される都市を目の当たりにしたそのトラウマはあるんでしょうけど
9.11をテレビでしか見てないお前らにあのトラウマ感わからんだろって?

良かったところ
葬式で始まり葬式で終わるところ。
全編に漂う死の予感。007スペクター見といて良かった的メキシコの死者の祭、子供を助けて死者たちに崇められるスーパーマン。ここはおおっと身を乗り出しそうになる。
ヒーロー殺すっていう裏技。いいのかな?まあ何食わぬ顔でキャストスタッフ一新してリボーンすりゃいいんだけどさ
とは言えラストのふわっと浮かぶ砂。やはりスーパーマンの復活を示唆しているんだろう。
死んで復活…とくると、この作品ではスーパーマンをイエスになぞらえたかったのかもしれない。
神と崇める者たちと、危険だと忌み嫌う者たちに別れるところ
クラーク・ケントとブルース・ウェインの母の名前はともにマーサ(Martha)で聖母マリア(Mary)を思わせる。
スーパーマンが審問会に呼ばれ群衆の罵声を浴びるところはキリストがローマ人の裁きの場に向かうところを彷彿させる。
まあ使徒がいたわけでも裏切り者のユダがいたわけでもないから、そこまでキリスト話にしたかったわけじゃないかもしれない。西洋人の作るこの種の話はどっかで聖書とつながるもんだし。
それでもキリストが戦った悪魔のイメージに見た目的に近いバットマンと戦い、そして仲良くなるのは、聖書以降信じられてきた正義のイメージを一新させようとしたのかもしれない。だから原題「Dawn of Justis」(正義の夜明け)なのだ、きっと。

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2016年4月3日 渋谷のでかいシネコンで鑑賞
「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」
監督 ザック・スナイダー
脚本 クリス・テリオ、デビッド・S・ゴイヤー
音楽 ハンス・ジマー、ジャンキーXL
出演 ベン・アフレック、ヘンリー・カビル、エイミー・アダムス、ジェシー・アイゼンバーグ、ガル・ギャドット

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