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【挽歌2ユンファ その四 「英語の台詞」】
前作でホーから「お前の英語は"オフコース"ばかりだな」とからかわれ「オフコース」と答えていたマーク。
今作のケンはNY在住の設定であり、登場シーンの半分はNYという設定だ。
以下の写真からもわかるように実際にNYでロケもやっている。
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ロングショットだから、本人でなくダブルかもしれんが・・・
今度は「オフコース」で誤魔化せるものではない。
そういうわけでユンファは果敢に英語の台詞に挑戦する。
またそれは後々に実現するユンファ&ジョン・ウーの「ハリウッド進出」の野望の布石だったのかもしれない・・・
ユンファの素晴らしい英語台詞のいくつかを紹介する。
「カモンベイビー!!」
訳「がんばれ!」
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必死でオレンジや生肉を食べようとするルンさんを応援する
「ファックユー!!」
訳「くたばれ!」
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窓から侵入しようとした敵にショットガンを撃ち込む
「ノーノーノーノー ソォォリィィィー」
訳「ダメダメ、お気の毒」
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手榴弾で10人くらいまとめてぶっ殺した後、虫の息の敵にとどめの一撃を加える
なお以上の台詞は、英字で記載するより、カタカナで記載するほうが、そのニュアンスを伝えやすいと判断したものである。
ハリウッド進出の布石というより、ハリウッドでの泣かず飛ばすを予期させる台詞だったかも・・・
【挽歌2ユンファ その五 「名台詞(長ゼリ)」】
挽歌2は名台詞の多い映画だが、この映画のユンファの名台詞はとにかく長い。名長ゼリは二つある。前述の「お米を侮辱する西洋人に説教する台詞」と、もう一つ「半狂乱のルンさんに生きるためには戦わねばならないことを諭す台詞」である。これも長い。
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娘さんは死んだんだ!
死んだんだ!!
目をさませ!!
目をさませ!!
一生このままでいる?
自分を苦しめるな
みんなを失望させるな
往年のルンさんは組織の頂点で
怖いもの知らずだ
今じゃ一人で外も歩けない
何故現実を見ないんだ!? なぜだ!?
死んだも同じだよ
{ショットガンや拳銃やらに弾をつめ始める}
10何年の努力も吹っ飛んだな
でも後悔しないし同情も要らん
あんたみたいに死を待つ訳にいかん
俺にはまだ根性がある
敗北がイヤなら俺と戦うんだ
黙ってやられる手はない
くたばれ!!(ファックユー!!) {背後の敵をショットガンで撃ち殺す}
{ルンを無理やり歩かせ部屋を出て廊下の先を示す}
出口は一つだけ
一緒に来るんだ
戦わなければ
2人とも死ぬんだ
もし勝てばまた出直しもできる
あんたならできる!
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・・・という煮えたぎるように暑苦しい台詞を延々しゃべった後、例の挽歌のテーマが鳴り響き壮絶なアクションへと移行する。
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階段逆さ滑り降り二丁拳銃大乱射もこの時だ。
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魂を熱くする長ゼリにさすがの狂人ルンさんも正気を取り戻す。
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よろこぶユンファであった。
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こういった表情のころころ変わるところが、アンディ・ラウやトニー・レオンに欠けているユンファの最も魅力的なところである。
【挽歌2ユンファ その六 「大事な時に必ず顔を出す性格」】
先にも述べたが、ユンファのキャラは挽歌1でも挽歌2でも本来脇役にすぎない。
しかし主役以上の存在感を出すのはなぜか?その理由の一つとして「何をやっても様になるから」と言った。だが理由はもう一つある。
この男、「何にでも顔を出し、大事な時はいつもそこにいる」
ルンさんのもとに刺客が送られてくるときも、ルンの会社に殴りこむ時も、レスリーが凶弾に倒れるときも、レスリーが出産を終えた妻に電話しながら息絶えるときも・・・
トラブルを察知する特殊能力でもあるのだろうか?そしてトラブルを好む・・・まるで傾奇者である
【挽歌2ユンファ その七 「アクション」】
しかしやはりユンファをスターたらしめているのは、拳銃持った姿がかっこいいからだろう。
レスリーの死で怒りに燃えるユンファたちは、コーのアジトに乗り込む。
真正面から堂々と歩いて数十人のならず者たちの前に現れ
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手当たりしだいに敵を殺しまくる!!
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ただの「その他大勢的ザコ敵」に二丁拳銃の全弾を撃ち込むのは世界中でユンファくらいだろう
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「ありゃ火薬の量を間違えてる。気をつけなくちゃ」も地味ながら名台詞の一つに数えられる。
【挽歌2ユンファ その八 「映画史に残る対決シーン」】
超至近距離での拳銃撃ちあい。ジョン・ウーの大好きな描写だが、ジョン・ウーが初めてそれを描いたのは「男たちの挽歌2」である。
挽歌2は他に、「三つどもえ拳銃至近距離突きつけあい」も初めて描かれたし、「スローモーションの多用」「戦場となる教会」「死屍累々」・・・とその後のジョン・ウー映画の定番が全て、しかもほぼ完成した形で提示されている。
作品的には挽歌1よりはるかに低く見られる作品だが、ビジュアル面では挽歌1を凌駕しており、ジョン・ウー研究には欠かせない作品だろう(もっとも当のジョン・ウーは「挽歌2」を自分のフィルモグラフィから削除したい、と語るほど、彼にとって不本意な作品である。お前の原点とも言える作品だろうが!!!)。
これらのジョン・ウー描写は外国映画でとことんパクられる
「バニシング・レッド」(監督ヴィク・アームストロング、主演ドルフ・ラングレン)
「ドロップゾーン」 (監督ジョン・バダム、主演ウェズリー・スナイプス)
「レザボアドッグス」 (監督クエンティン・タランティーノ→ストーリーはリンゴ・ラムの「友は風の彼方に」を丸々ぱくったものだが、ハーヴェイ・カイテルの二丁拳銃や、黒スーツで仕事に向かうギャングたちなどは挽歌2の影響大だろう)
「トゥルー・ロマンス」 (監督トニー・スコット→挽歌2をヒロインが見てるシーンがある。どっちかと言えば脚本タランティーノの趣味だろうが、ジョン・ウーの三つどもえ突きつけあいは、トニー作品の三つどもえ銃撃戦に応用発展されたと見る。「スパイケーム」「ドミノ」なんかに・・・)
「リベリオン」 (監督カート・ウィマー→二丁拳銃を撃ちあいながらキックも打ち合う格闘技「GUNKATA」はジョン・ウーアクションの発展応用だろう)
「劇場版・特捜戦隊デカレンジャー」 (→こちらを参照)
さて、ジョン・ウー定番描写のほとんどで被写体となるのがユンファである。
ジョン・ウーの理想とする映像を作るのにかかせない素材が、ユンファという俳優なのだ。
そのユンファが見せる名シーンがある。
ジョン・ウーの対決シーンの中で最も美しい有名なシーンだ。
全カットを掲載する。
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至近距離銃撃、フェアプレイを求め自分の拳銃を手渡す敵、半死半生になりながら勝利するヒーロー
んなわけあるかよ!!と思う前に、かっこよさに圧倒される名シーンだ。
ジョン・ウーがこのシーンを作り得たのもユンファという最高の俳優がいたからこそなのだ!!
************
『男たちの挽歌2』出演者別映評
<序章 デジタルリマスター版を批判する>
<第一章 ティ・ロン(ホーさん)編>
<第二章 レスリー(キット)編>
<第三章 ディーン・セク(ルンさん)編>
<第四章 ユンファ(ケン)編の前編>
<第四章 ユンファ(ケン)編の後編>
*******
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前作でホーから「お前の英語は"オフコース"ばかりだな」とからかわれ「オフコース」と答えていたマーク。
今作のケンはNY在住の設定であり、登場シーンの半分はNYという設定だ。
以下の写真からもわかるように実際にNYでロケもやっている。
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ロングショットだから、本人でなくダブルかもしれんが・・・
今度は「オフコース」で誤魔化せるものではない。
そういうわけでユンファは果敢に英語の台詞に挑戦する。
またそれは後々に実現するユンファ&ジョン・ウーの「ハリウッド進出」の野望の布石だったのかもしれない・・・
ユンファの素晴らしい英語台詞のいくつかを紹介する。
「カモンベイビー!!」
訳「がんばれ!」
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必死でオレンジや生肉を食べようとするルンさんを応援する
「ファックユー!!」
訳「くたばれ!」
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窓から侵入しようとした敵にショットガンを撃ち込む
「ノーノーノーノー ソォォリィィィー」
訳「ダメダメ、お気の毒」
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手榴弾で10人くらいまとめてぶっ殺した後、虫の息の敵にとどめの一撃を加える
なお以上の台詞は、英字で記載するより、カタカナで記載するほうが、そのニュアンスを伝えやすいと判断したものである。
ハリウッド進出の布石というより、ハリウッドでの泣かず飛ばすを予期させる台詞だったかも・・・
【挽歌2ユンファ その五 「名台詞(長ゼリ)」】
挽歌2は名台詞の多い映画だが、この映画のユンファの名台詞はとにかく長い。名長ゼリは二つある。前述の「お米を侮辱する西洋人に説教する台詞」と、もう一つ「半狂乱のルンさんに生きるためには戦わねばならないことを諭す台詞」である。これも長い。
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娘さんは死んだんだ!
死んだんだ!!
目をさませ!!
目をさませ!!
一生このままでいる?
自分を苦しめるな
みんなを失望させるな
往年のルンさんは組織の頂点で
怖いもの知らずだ
今じゃ一人で外も歩けない
何故現実を見ないんだ!? なぜだ!?
死んだも同じだよ
{ショットガンや拳銃やらに弾をつめ始める}
10何年の努力も吹っ飛んだな
でも後悔しないし同情も要らん
あんたみたいに死を待つ訳にいかん
俺にはまだ根性がある
敗北がイヤなら俺と戦うんだ
黙ってやられる手はない
くたばれ!!(ファックユー!!) {背後の敵をショットガンで撃ち殺す}
{ルンを無理やり歩かせ部屋を出て廊下の先を示す}
出口は一つだけ
一緒に来るんだ
戦わなければ
2人とも死ぬんだ
もし勝てばまた出直しもできる
あんたならできる!
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・・・という煮えたぎるように暑苦しい台詞を延々しゃべった後、例の挽歌のテーマが鳴り響き壮絶なアクションへと移行する。
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階段逆さ滑り降り二丁拳銃大乱射もこの時だ。
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魂を熱くする長ゼリにさすがの狂人ルンさんも正気を取り戻す。
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よろこぶユンファであった。
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こういった表情のころころ変わるところが、アンディ・ラウやトニー・レオンに欠けているユンファの最も魅力的なところである。
【挽歌2ユンファ その六 「大事な時に必ず顔を出す性格」】
先にも述べたが、ユンファのキャラは挽歌1でも挽歌2でも本来脇役にすぎない。
しかし主役以上の存在感を出すのはなぜか?その理由の一つとして「何をやっても様になるから」と言った。だが理由はもう一つある。
この男、「何にでも顔を出し、大事な時はいつもそこにいる」
ルンさんのもとに刺客が送られてくるときも、ルンの会社に殴りこむ時も、レスリーが凶弾に倒れるときも、レスリーが出産を終えた妻に電話しながら息絶えるときも・・・
トラブルを察知する特殊能力でもあるのだろうか?そしてトラブルを好む・・・まるで傾奇者である
【挽歌2ユンファ その七 「アクション」】
しかしやはりユンファをスターたらしめているのは、拳銃持った姿がかっこいいからだろう。
レスリーの死で怒りに燃えるユンファたちは、コーのアジトに乗り込む。
真正面から堂々と歩いて数十人のならず者たちの前に現れ
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手当たりしだいに敵を殺しまくる!!
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ただの「その他大勢的ザコ敵」に二丁拳銃の全弾を撃ち込むのは世界中でユンファくらいだろう
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【挽歌2ユンファ その八 「映画史に残る対決シーン」】
超至近距離での拳銃撃ちあい。ジョン・ウーの大好きな描写だが、ジョン・ウーが初めてそれを描いたのは「男たちの挽歌2」である。
挽歌2は他に、「三つどもえ拳銃至近距離突きつけあい」も初めて描かれたし、「スローモーションの多用」「戦場となる教会」「死屍累々」・・・とその後のジョン・ウー映画の定番が全て、しかもほぼ完成した形で提示されている。
作品的には挽歌1よりはるかに低く見られる作品だが、ビジュアル面では挽歌1を凌駕しており、ジョン・ウー研究には欠かせない作品だろう(もっとも当のジョン・ウーは「挽歌2」を自分のフィルモグラフィから削除したい、と語るほど、彼にとって不本意な作品である。お前の原点とも言える作品だろうが!!!)。
これらのジョン・ウー描写は外国映画でとことんパクられる
「バニシング・レッド」(監督ヴィク・アームストロング、主演ドルフ・ラングレン)
「ドロップゾーン」 (監督ジョン・バダム、主演ウェズリー・スナイプス)
「レザボアドッグス」 (監督クエンティン・タランティーノ→ストーリーはリンゴ・ラムの「友は風の彼方に」を丸々ぱくったものだが、ハーヴェイ・カイテルの二丁拳銃や、黒スーツで仕事に向かうギャングたちなどは挽歌2の影響大だろう)
「トゥルー・ロマンス」 (監督トニー・スコット→挽歌2をヒロインが見てるシーンがある。どっちかと言えば脚本タランティーノの趣味だろうが、ジョン・ウーの三つどもえ突きつけあいは、トニー作品の三つどもえ銃撃戦に応用発展されたと見る。「スパイケーム」「ドミノ」なんかに・・・)
「リベリオン」 (監督カート・ウィマー→二丁拳銃を撃ちあいながらキックも打ち合う格闘技「GUNKATA」はジョン・ウーアクションの発展応用だろう)
「劇場版・特捜戦隊デカレンジャー」 (→こちらを参照)
さて、ジョン・ウー定番描写のほとんどで被写体となるのがユンファである。
ジョン・ウーの理想とする映像を作るのにかかせない素材が、ユンファという俳優なのだ。
そのユンファが見せる名シーンがある。
ジョン・ウーの対決シーンの中で最も美しい有名なシーンだ。
全カットを掲載する。
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至近距離銃撃、フェアプレイを求め自分の拳銃を手渡す敵、半死半生になりながら勝利するヒーロー
んなわけあるかよ!!と思う前に、かっこよさに圧倒される名シーンだ。
ジョン・ウーがこのシーンを作り得たのもユンファという最高の俳優がいたからこそなのだ!!
************
『男たちの挽歌2』出演者別映評
<序章 デジタルリマスター版を批判する>
<第一章 ティ・ロン(ホーさん)編>
<第二章 レスリー(キット)編>
<第三章 ディーン・セク(ルンさん)編>
<第四章 ユンファ(ケン)編の前編>
<第四章 ユンファ(ケン)編の後編>
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何度観ても笑えるカットです
<挽歌1も
私もぜひぜひお願いしたいです。それと「狼」も。
しかし…お子様番組も馬鹿にできないですねー。「劇場版・特捜戦隊デカレンジャー」と挽歌につながりがあったとは!
私も結局デジタルリマスターでなく、最初のバージョン(ビデオ)で繰り返し鑑賞しています。
買い戻すことをお勧めします。
リマスターでないDVDってどこで売ってんですかね
>ぶーすか様
私は日本語吹き替えを観たことないです。見たいです。誰が声優やってんでしょ?
ユンファはお米談義の長ゼリもオール英語だったし、結構がんばってますよ。
素晴らしいレビューですね。
納得しつつ、大笑いさせて頂きました。
ジョン・ウー監督の映画は火薬の量が多いのと(笑)、銃撃戦が激しいので、見ていて疲れてしまうため、繰り返し見ることは少ないのですが、挽歌シリーズはまた見たいですね。
私がレンタルして見たDVDは、リマスター版だったのかな・・・?
今度確認してみます。
また寄らせてもらいますね。
2のキットが死ぬシーンでのホーがあんまり呆然とするシーンで不謹慎とは思いつつも観るたび笑ってしまうのに、何かうまくいかず落ち込むと、NYでケンがルンに言った長ゼリフを思い出して自分を励ますのですが、このキモチを分かち合える人が周囲に全くおりません。。てなことで、この映評を読んでと~ても嬉しかったです!!
それにしてもユンファVS黒メガネ殺し屋の決闘シーンはスチール画像で見ても全身トリハダのカッコ良さですね!
世の中には挽歌好きが探せばいるものだなと感動しております。
挽歌2は銃撃より濃い演技がこちらの体力を奪う感じがしますが、体調ばっちしの時みると最高ですよ。
ホーの唖然とした顔はいつも笑ってみれます。だいたいどのシーンも笑えるんですが、笑いつつかっこいい台詞かっこいいビジュアルに心を熱くさせられます
ユンファはアクション以外でもその存在感とカッコよさはやはり突出していますね。
私はルンがオレンジをたべたときにみせる彼の子供の様な笑顔もとても印象的です。
そしてやはり何よりも銃撃シーンですよね。そのカッコよさが全開になるのは。
私もあの最後の対決シーンはとても大好きです。
はい。私もルンさんの演技全般好きで好きでたまらないです。
はい。私も最後の対決シーンだけ何度も何度も見返したりしています。ウー史上もっともかっこいいシーンだと思います。