なんだか急にジョン・ウーを見たくなって、ソフトを持っていない幾つかの作品を配信で鑑賞。
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【狼の映画史的な位置づけ】
「狼・男たちの挽歌最終章」は、原題「喋血雙雄 The Killer」という。「男たちの挽歌」シリーズとは全然関係ないが、邦題で勝手にシリーズにされてしまった。まあ、スピルバーグの「続・激突!カージャック」とかセガールの「沈黙の~」とか邦題にはよくあることだ。
英題の「The Killer」は分かりやすいが、広東語題の「喋血雙雄」とは…漢文苦手なので間違っているかもしれないが、「喋血」が「血の海」、「雙」は「双」にあたり、血の海に立つ両雄…みたいな意味かな?
ちなみに「喋血雙雄」は広東語としての文法的な意味とは少し別な意味もあって、高倉健主演・石井輝夫監督の「ならず者」の香港公開時のタイトルでもあるそうで、ジョン・ウーが愛する映画にオマージュを捧げた意味もあるようだ。「ならず者」は私は未見ですが…
「狼・男たちの挽歌最終章」(以下「狼」)は1989年の作品で、香港時代のジョン・ウーの代表作の一つである。
挽歌(86年)~ハードボイルド(92年)がジョン・ウーの香港における黄金時代で、その真ん中へんでの本作は上り調子で絶好調だったころである。
アクション演出としてウーが完全に自分のスタイルをつかんだのが本作であり(「挽歌」「挽歌2」ではまだスタイリッシュになり切れていない印象)、とりわけ「鳩」を本格的に演出に使った初めての作品として、ジョン・ウー映画史においては大きな意味を持つ作品である。
そして本作がアメリカ映画界に初めて大々的に紹介されたジョン・ウー作品であり、うろ覚えで記憶違いもあるかもだがスコセッシ、タランティーノ、サム・ライミといった人たちが本作でジョン・ウーを知ることになり、本作のアメリカでの配給に尽力したテレンス・チャンが、後にジョン・ウーをハリウッドに招くことにもなる。
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【狼の私的な評価とユンファについて】
個人的な本作の評であるが、ジョン・ウー映画全体の中で、減点法的にあるいは消去法的に評価すると結果として上位にくる作品ではあるのだが、他の香港時代の作品のようにはあまり積極的には推す気になれない作品なのである。
自分にとって黒澤の「影武者」、スピルバーグの「プライベートライアン」、キューブリックの「シャイニング」に近い位置にいるようだが、ただしそれらと違って批判したくなる映画ってわけでも、生理的にうけつけない映画ってわけでもない。
世評が高いことも、映画史的な意義も、そして自分自身としても強く惹かれるものがあるのは認めるが、どうにも少し距離を置きたくなる作品。
なんだか、いやんなっちゃうくらいかっこよくて、いやんなっちゃうくらい美しくて…なにか近寄りがたいものを感じるのだ。
他のジョン・ウー作品が笑いながら熱く語ったり、なんならバッカじゃねーのなどと小バカにしながら語れるのに対し(そういう姿勢がいいかは置いといて)、本作は笑ってはいけないような気難しさを感じるのだ。
主演のチョウ・ユンファにしても、他のジョン・ウー作品でみせる「愛嬌」を感じさせない。後年のトニー・レオンが演じるような寡黙で内向的なキャラである。(実際ウーは「ハード・ボイルド」でトニー・レオンにこのような役を演じさせている)。
それは「かっこいい」を超えて、変に神格化したような雰囲気をすら醸し出している。
そういう役もできるのがチョウ・ユンファという人のすごさではあるが、本来のこの人の持ち味は喜怒哀楽の振り幅の大きさ(つまりはエネルギーを外へ外へと発散するような演技)にあると思っていて、本作のような寡黙でクールで内へ内へと向かう演技だけではスターになれなかったのではないかと思う。
色んな役を演じるのはもちろん良いのだけど、本作の影響でハリウッドではこういう「寡黙な役者」として認知されてしまった感がないだろうか?
ユンファのハリウッドデビュー作「リプレイスメントキラー」はまさに「狼」の延長のような役だった。(この時は英語台詞に不安があったので寡黙な設定にしたという説もある)
ハリウッド2作目「NYPD 15分署」も「狼」キャラだったように思う
「パイレーツオブカリビアン3」ですらそんな感じだ
またアメリカ映画ではないが欧米マーケットを意識して作ったと思われる台湾映画「グリーンディステニー」も「狼」のユンファが年をとって「師匠」になったようなキャラだった。
こうして演じる役の幅が狭まったのが、「狼」で認知されてしまったことの副作用ではないかと思う。
ハリウッド進出後で、「挽歌」のように愛嬌があり喜怒哀楽の激しい愛されキャラを演じたのが実写版「ドラゴンボール」くらいしかないのは悲劇なのかギャグなのか…
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【狼の演出について】
生真面目でユーモアが薄いのが本作の欠点かもしれないが、しかし演出として失敗しているわけではなく、すべて必然性のある演出である。
「挽歌2」にもあった、教会での銃撃、殺戮をさらにパワーアップしたようなアクション描写が観るものに鮮烈な印象を与える。流れ弾で砕け散る教会の備品、さらにはマリア像まで粉々に吹き飛び、神聖なる教会の中が破片と血と死体で埋め尽くされていく様は圧巻で、ここにユーモアなど挟む余地は無い。
だが、それでもなお、二人に友情が育まれていく様に焦点を絞った作劇は本作の欠点ともなっていないか?壮絶にして荘厳なクライマックスの銃撃戦は、敵側に魅力的な人物がいないために単調になってる感は否めない。挽歌2の黒メガネ、ハードボイルドのロン毛みたいな、「敵側の高潔な人物」がいないのだ。いや実は「狼」にも中ボス的なグラサン野郎がいて、そいつがユンファかダニー・リーと壮絶な死闘を繰り広げればよかったのだが、なんだか見た目のインパクトに比べて弱すぎて拍子抜けしてしまう。
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【狼のキャスティングとダニー・リーについて】
キャスティングはとてもよい
ダニー・リーの相棒の中年刑事を演じるケネス・ツァンは「挽歌」ファンならタクシー会社のキンさんでおなじみだが、「狼」ではカーチェイスもやっちゃって大活躍だ。
「挽歌」でレスリーを待ち伏せして銃撃したいかにも悪人顔で、いつも幹部系の悪役を演じるシン・フィオンが「狼」では敵の大ボスを演じており、出世したなぁと思ってしまう。
ダニー・リーの上司の太っちょの警察幹部を演じているのは調べてみると、「ハード・ボイルド」で脚本を書いたバリー・ウォン(黄炳耀)であった。(カタカナ表記で同じバリー・ウォンとなるゴッドギャンブラーの監督で知られる王晶とは別人)
そして、何よりダニー・リーがいい。
「狼」ではユンファとダブル主演。ユンファのバディ役といったところ。
ユンファのバディというと、レスリー・チャンやトニー・レオンといった「やさ男」系の印象が強いが、ダニー・リーのような三枚目タフガイ系ねもいいものだ。「狼」でユンファが封印しているユーモアや情熱をダニー・リーが代わって引き受けている。そして見た目のイメージよりはるかにアクションのキレもある。
最近こういう役者は少ないのではないか。この当時のアメリカ映画で言うと誰に当たるだろう?カート・ラッセル…ってほど濃くはないし、ああそうだ、ジェームズ・ベルーシと雰囲気が似ている・・・・・あ!
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【狼の音楽について】
ダニー・リーがジェームズ・ベルーシに似てると思った時に、急に昔からのこの映画の音楽の使い方で疑問に思ってたいた謎が解けた気がした。
ジェームズ・ベルーシはジョン・ベルーシの弟で、コメディ映画が多かったがアクション映画もけっこうよかった。アクション映画としての代表作は「レッドブル」だ。シュワルツェネッガーのバディ役だった。
そう、「レッドブル」のシュワルツェネッガーも寡黙な男だった。
「狼」の音楽には、なぜだか、この当時(80年代後半)のアメリカ映画のBGMがやたらと使われている。
クライマックスでユンファとダニー・リーが並んで歩く場面では、「チャック・ノリスの野獣捜査線」のテーマが高らかに鳴り響き、それがあまりにも決まっていることもあってちょっと笑ってしまう。
そして「狼」でもっとも頻繁に使われるのが「レッドブル」のBGMなのだ。
中盤のユンファが狙撃を行うシーンなどでは「レッドブル」序盤のモスクワでの銃撃戦シーンの曲がかかる。他にも「レッドブル」の音楽があちこちでかかる。
ジョン・ウー映画でこんなにBGMに既成曲を使った作品は他にないのだ。
なんでオリジナルの音楽を使わずに、「レッドブル」を中心とした既成曲を使ったのだろう?と、ずっと疑問だったのだが・・・
もしかするとジョン・ウーは、「狼」での寡黙なユンファとダニー・リーのコンビに、「レッドブル」のシュワルツェネッガーとジェームズ・ベルーシを重ねたのではないか?
だから音楽も「レッドブル」を多く使ったのではなかろうか?
ちなみに「レッドブル」の音楽ははジェームズ・ホーナー
後にジョン・ウーはハリウッドで「ウィンド・トーカーズ」を作った際に、音楽をジェームズ・ホーナーに依頼している。もしかすると「狼」で勝手にホーナーの音楽を使ったお詫びのつもりだったのかもしれないし、あるいはずっとホーナーのファンで念願かなってのことだったのかもしれない。
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いまさら知ったのだが、「狼」のハリウッドリメイクが2018年ごろ予定されていたらしい
監督はジョン・ウーで、主人公を女性に変えて、ルピータ・ニョンゴが演じる予定だったという。
しかしルピータ・ニョンゴがスケジュールの都合で降板して企画は棚上げ状態だとか
それはそれで見てみたかったなあ
ルピータがだめなら、テッサ・トンプソン(マイティ・ソー バトルロイヤルのバルキリー)とかナオミ・ハリス(ダニエル007のマネーペニー)とかどうかな?
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『狼 男たちの挽歌・最終章』
原題『喋血雙雄』、英題『The Killer』
1989年 香港映画
監督・脚本 ジョン・ウー
制作 ツイ・ハーク
出演 チョウ・ユンファ、ダニー・リー、サリー・イップ、ケネス・ツァン
主題歌 「浅酔一生」 歌:サリー・イップ
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【狼の映画史的な位置づけ】
「狼・男たちの挽歌最終章」は、原題「喋血雙雄 The Killer」という。「男たちの挽歌」シリーズとは全然関係ないが、邦題で勝手にシリーズにされてしまった。まあ、スピルバーグの「続・激突!カージャック」とかセガールの「沈黙の~」とか邦題にはよくあることだ。
英題の「The Killer」は分かりやすいが、広東語題の「喋血雙雄」とは…漢文苦手なので間違っているかもしれないが、「喋血」が「血の海」、「雙」は「双」にあたり、血の海に立つ両雄…みたいな意味かな?
ちなみに「喋血雙雄」は広東語としての文法的な意味とは少し別な意味もあって、高倉健主演・石井輝夫監督の「ならず者」の香港公開時のタイトルでもあるそうで、ジョン・ウーが愛する映画にオマージュを捧げた意味もあるようだ。「ならず者」は私は未見ですが…
「狼・男たちの挽歌最終章」(以下「狼」)は1989年の作品で、香港時代のジョン・ウーの代表作の一つである。
挽歌(86年)~ハードボイルド(92年)がジョン・ウーの香港における黄金時代で、その真ん中へんでの本作は上り調子で絶好調だったころである。
アクション演出としてウーが完全に自分のスタイルをつかんだのが本作であり(「挽歌」「挽歌2」ではまだスタイリッシュになり切れていない印象)、とりわけ「鳩」を本格的に演出に使った初めての作品として、ジョン・ウー映画史においては大きな意味を持つ作品である。
そして本作がアメリカ映画界に初めて大々的に紹介されたジョン・ウー作品であり、うろ覚えで記憶違いもあるかもだがスコセッシ、タランティーノ、サム・ライミといった人たちが本作でジョン・ウーを知ることになり、本作のアメリカでの配給に尽力したテレンス・チャンが、後にジョン・ウーをハリウッドに招くことにもなる。
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【狼の私的な評価とユンファについて】
個人的な本作の評であるが、ジョン・ウー映画全体の中で、減点法的にあるいは消去法的に評価すると結果として上位にくる作品ではあるのだが、他の香港時代の作品のようにはあまり積極的には推す気になれない作品なのである。
自分にとって黒澤の「影武者」、スピルバーグの「プライベートライアン」、キューブリックの「シャイニング」に近い位置にいるようだが、ただしそれらと違って批判したくなる映画ってわけでも、生理的にうけつけない映画ってわけでもない。
世評が高いことも、映画史的な意義も、そして自分自身としても強く惹かれるものがあるのは認めるが、どうにも少し距離を置きたくなる作品。
なんだか、いやんなっちゃうくらいかっこよくて、いやんなっちゃうくらい美しくて…なにか近寄りがたいものを感じるのだ。
他のジョン・ウー作品が笑いながら熱く語ったり、なんならバッカじゃねーのなどと小バカにしながら語れるのに対し(そういう姿勢がいいかは置いといて)、本作は笑ってはいけないような気難しさを感じるのだ。
主演のチョウ・ユンファにしても、他のジョン・ウー作品でみせる「愛嬌」を感じさせない。後年のトニー・レオンが演じるような寡黙で内向的なキャラである。(実際ウーは「ハード・ボイルド」でトニー・レオンにこのような役を演じさせている)。
それは「かっこいい」を超えて、変に神格化したような雰囲気をすら醸し出している。
そういう役もできるのがチョウ・ユンファという人のすごさではあるが、本来のこの人の持ち味は喜怒哀楽の振り幅の大きさ(つまりはエネルギーを外へ外へと発散するような演技)にあると思っていて、本作のような寡黙でクールで内へ内へと向かう演技だけではスターになれなかったのではないかと思う。
色んな役を演じるのはもちろん良いのだけど、本作の影響でハリウッドではこういう「寡黙な役者」として認知されてしまった感がないだろうか?
ユンファのハリウッドデビュー作「リプレイスメントキラー」はまさに「狼」の延長のような役だった。(この時は英語台詞に不安があったので寡黙な設定にしたという説もある)
ハリウッド2作目「NYPD 15分署」も「狼」キャラだったように思う
「パイレーツオブカリビアン3」ですらそんな感じだ
またアメリカ映画ではないが欧米マーケットを意識して作ったと思われる台湾映画「グリーンディステニー」も「狼」のユンファが年をとって「師匠」になったようなキャラだった。
こうして演じる役の幅が狭まったのが、「狼」で認知されてしまったことの副作用ではないかと思う。
ハリウッド進出後で、「挽歌」のように愛嬌があり喜怒哀楽の激しい愛されキャラを演じたのが実写版「ドラゴンボール」くらいしかないのは悲劇なのかギャグなのか…
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【狼の演出について】
生真面目でユーモアが薄いのが本作の欠点かもしれないが、しかし演出として失敗しているわけではなく、すべて必然性のある演出である。
「挽歌2」にもあった、教会での銃撃、殺戮をさらにパワーアップしたようなアクション描写が観るものに鮮烈な印象を与える。流れ弾で砕け散る教会の備品、さらにはマリア像まで粉々に吹き飛び、神聖なる教会の中が破片と血と死体で埋め尽くされていく様は圧巻で、ここにユーモアなど挟む余地は無い。
だが、それでもなお、二人に友情が育まれていく様に焦点を絞った作劇は本作の欠点ともなっていないか?壮絶にして荘厳なクライマックスの銃撃戦は、敵側に魅力的な人物がいないために単調になってる感は否めない。挽歌2の黒メガネ、ハードボイルドのロン毛みたいな、「敵側の高潔な人物」がいないのだ。いや実は「狼」にも中ボス的なグラサン野郎がいて、そいつがユンファかダニー・リーと壮絶な死闘を繰り広げればよかったのだが、なんだか見た目のインパクトに比べて弱すぎて拍子抜けしてしまう。
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【狼のキャスティングとダニー・リーについて】
キャスティングはとてもよい
ダニー・リーの相棒の中年刑事を演じるケネス・ツァンは「挽歌」ファンならタクシー会社のキンさんでおなじみだが、「狼」ではカーチェイスもやっちゃって大活躍だ。
「挽歌」でレスリーを待ち伏せして銃撃したいかにも悪人顔で、いつも幹部系の悪役を演じるシン・フィオンが「狼」では敵の大ボスを演じており、出世したなぁと思ってしまう。
ダニー・リーの上司の太っちょの警察幹部を演じているのは調べてみると、「ハード・ボイルド」で脚本を書いたバリー・ウォン(黄炳耀)であった。(カタカナ表記で同じバリー・ウォンとなるゴッドギャンブラーの監督で知られる王晶とは別人)
そして、何よりダニー・リーがいい。
「狼」ではユンファとダブル主演。ユンファのバディ役といったところ。
ユンファのバディというと、レスリー・チャンやトニー・レオンといった「やさ男」系の印象が強いが、ダニー・リーのような三枚目タフガイ系ねもいいものだ。「狼」でユンファが封印しているユーモアや情熱をダニー・リーが代わって引き受けている。そして見た目のイメージよりはるかにアクションのキレもある。
最近こういう役者は少ないのではないか。この当時のアメリカ映画で言うと誰に当たるだろう?カート・ラッセル…ってほど濃くはないし、ああそうだ、ジェームズ・ベルーシと雰囲気が似ている・・・・・あ!
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【狼の音楽について】
ダニー・リーがジェームズ・ベルーシに似てると思った時に、急に昔からのこの映画の音楽の使い方で疑問に思ってたいた謎が解けた気がした。
ジェームズ・ベルーシはジョン・ベルーシの弟で、コメディ映画が多かったがアクション映画もけっこうよかった。アクション映画としての代表作は「レッドブル」だ。シュワルツェネッガーのバディ役だった。
そう、「レッドブル」のシュワルツェネッガーも寡黙な男だった。
「狼」の音楽には、なぜだか、この当時(80年代後半)のアメリカ映画のBGMがやたらと使われている。
クライマックスでユンファとダニー・リーが並んで歩く場面では、「チャック・ノリスの野獣捜査線」のテーマが高らかに鳴り響き、それがあまりにも決まっていることもあってちょっと笑ってしまう。
そして「狼」でもっとも頻繁に使われるのが「レッドブル」のBGMなのだ。
中盤のユンファが狙撃を行うシーンなどでは「レッドブル」序盤のモスクワでの銃撃戦シーンの曲がかかる。他にも「レッドブル」の音楽があちこちでかかる。
ジョン・ウー映画でこんなにBGMに既成曲を使った作品は他にないのだ。
なんでオリジナルの音楽を使わずに、「レッドブル」を中心とした既成曲を使ったのだろう?と、ずっと疑問だったのだが・・・
もしかするとジョン・ウーは、「狼」での寡黙なユンファとダニー・リーのコンビに、「レッドブル」のシュワルツェネッガーとジェームズ・ベルーシを重ねたのではないか?
だから音楽も「レッドブル」を多く使ったのではなかろうか?
ちなみに「レッドブル」の音楽ははジェームズ・ホーナー
後にジョン・ウーはハリウッドで「ウィンド・トーカーズ」を作った際に、音楽をジェームズ・ホーナーに依頼している。もしかすると「狼」で勝手にホーナーの音楽を使ったお詫びのつもりだったのかもしれないし、あるいはずっとホーナーのファンで念願かなってのことだったのかもしれない。
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いまさら知ったのだが、「狼」のハリウッドリメイクが2018年ごろ予定されていたらしい
監督はジョン・ウーで、主人公を女性に変えて、ルピータ・ニョンゴが演じる予定だったという。
しかしルピータ・ニョンゴがスケジュールの都合で降板して企画は棚上げ状態だとか
それはそれで見てみたかったなあ
ルピータがだめなら、テッサ・トンプソン(マイティ・ソー バトルロイヤルのバルキリー)とかナオミ・ハリス(ダニエル007のマネーペニー)とかどうかな?
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『狼 男たちの挽歌・最終章』
原題『喋血雙雄』、英題『The Killer』
1989年 香港映画
監督・脚本 ジョン・ウー
制作 ツイ・ハーク
出演 チョウ・ユンファ、ダニー・リー、サリー・イップ、ケネス・ツァン
主題歌 「浅酔一生」 歌:サリー・イップ