個人的評価:■■■□□□
[6段階評価 最高:■■■■■■(めったに出さない)、最悪:■□□□□□(わりとよく出す)】
「クリスタル・スカル~」公開記念の旧シリーズおさらいレビュー第三弾
この作品を観たのは高校二年か三年のとき。ちなみに同時上映が「スタートレック5」だった。
インディ大ファンとしてリピート前提で前売り券を二枚も買って、わくわくしながら公開初日を待った。
しかし・・・正直言ってあまり面白くはなかった。
なぜか
●まずインディ・ガールが活躍しない。
ていうか悪者だし。最後キスしてハッピーエンドにしてほしかった。
●ネズミが気持ち悪くない
シリーズ恒例の「気持ち悪い生物たくさん出現の巻」。しかし第一作のヘビ、第二作の虫の大群と違い、第三作ではネズミ。ばい菌だらけでそりゃ触りたくはないけれど、ほ乳動物はヘビや虫と違って生理的嫌悪感が少ない。たくさん出てもあまり気持ち悪い気がしない。
●インディのピンチからの脱出の仕方が納得いかない。
重油の地下迷路が大火事に。石櫃をひっくり返して火から逃れるのはいいとしても、「この下に出口があるぞ」って、運が良かったね・・・
父親と縛られたまま部屋が大火事になるのはいいが、「手を動かしてたら縄がほどけた」だけってのはどういうこと
戦車の砲塔にぶら下がったまま壁にぶつけられそうになってピンチ・・・しかし父親が撃った弾が跳弾となって偶然にも戦車のドライバーに当たり、戦車の向きが変わる・・・ここも運がいいだけ。
その戦車が崖から落ちるのだが、この時インディがなぜ助かったのか一切説明なし。ただインディが「まるで奇跡です」とかなんとか言うだけ。ちゃんと考えて!!
第一作、二作のピンチの脱し方が知力と体力による実に理にかなったものだったのに対し、第三作は「時の運」に頼りすぎ。冒険活劇としての脚本のデキで考えると三作目のデキは異常に悪い。(脚本はジェフリー・ボーム。この人の「リーサル・ウェポン2」&「3」ではピンチの脱し方がとても理にかなっているのになあ・・・)
●アクションシーンが面白くない
第一作のトラックチェイス、第二作のトロッコチェイスのようなスピード感溢れるアクションがない。戦車シーンは、迫力はあるもののなんだかんだでスピードの出ない戦車では爽快感にかける。
ヴェニスでのボートシーンもイマイチ。
もっとも中盤のバイクチェイスのシーンは割と面白かったのだが、軽いジャブ程度のシーンだし。
●聖杯の奇跡が意外と大したこと無い。
怪我を治すだけ。アークの壮絶さにはほど遠い。
ちなみにヒンズー教のお宝シャンカラストーンもただ光って燃えるだけだったし、キリスト教のお宝「聖杯」の大した事ない描写とあわせて考えるに、ユダヤ教のお宝「アーク」の描写への力の入れ方は、明らかに「何かが違う」。
やっぱり、スピルバーグがユダヤ教信者だからだろうか?
●ジョン・ウィリアムズの音楽が・・・
サントラを聞き比べると判るのだか、第三作の演奏は明らかにチープである。第一作と第二作は「スター・ウォーズ」と同じロンドン交響楽団が演奏しているのだが、第三作はハリウッドのスタジオオーケストラの演奏らしい。
また、父のテーマの他は、キャッチーなテーマがなく(いちお、聖杯を守る騎士のテーマとか、ドイツ軍のテーマとかあるし、バイクチェイスシーンのスケルツォはウィリアムズお気に入りらしくエンドクレジットにもかかる)、音楽のデキもシリーズ最低である。(悪くはないが)
●ついでに
公開前にNHKスペシャルでメイキングが放送され、見所はだいたい放送されてしまった。「これ観た・・・ここも観た・・・」と興ざめしていたことも挙げておきたい。それ以来、期待の映画を見る前には可能な限り情報シャットダウンするようになった。
******
だが、面白いシーンもある。
冒頭の故リバー・フェニックス演じるヤング・インディのアクションシーンは面白い。
帽子、ムチ、蛇嫌い、ハリソン・フォードのあごのキズ・・・インディのキャラクターのルーツが全て説明されていてファンは大喜び。
それからショーン・コネリー演じるインディのお父さんも素晴らしい。
ルーカスはインディパパにはもっと歳のとった俳優を想定していたらしいが、スピルバーグが絶対ショーン・コネリーだと譲らなかったという。
もともとインディ・ジョーンズは、スター・ウォーズの初日にハワイに逃げていたルーカスが一緒に遊んでいたスピルバーグに話した冒険活劇のアイデアが始まりだが、この時「ショーン・コネリーのジェームズ・ボンドに負けない活劇を作りたいんだ」と話してルーカスとスピルバーグは意気投合したという(そう話したのがスピルバーグだったかルーカスだったかは忘れた)。
その話を知る者にとって、インディのお父さんをショーン・コネリーが演じることの意義は大きい。
こういうエピソードから高校生の映画好きは「映画史」的ものの観方を覚えたのである。
*****うんちく&誰か教えて*****
●インディ三部作全てに出演した俳優が、ハリソン・フォードの他にもう一人いる。
パット・ローチという俳優だ。三作で役は全て異なるが。
第一作では飛行場でインディと格闘するドイツの大男。
第二作ではベルトコンベアでインディと格闘するインドの大男
そして第三作では・・・エンドクレジットでは「ゲシュタポ」役としてクレジットされているのだが、いまだにどこに出ていたのか判らない。当然、ドイツ国内のシーンのどこかだとは思うのだが・・・あの体格だからすぐに判りそうなものだが、どこに出ているのか判らない。
*****突っ込み*****
●重油だらけの地下迷路は、火のついたマッチを落としただけであっという間に火の海。でもそんな迷路をインディは松明で照らしながら進んでいたのだけど。あれって危なくないの・・・
*********
そんなこんなで、「クリスタル・スカル」ではパット・ローチは出るのか? 今度の気持ち悪い生物軍団は何なのか? ってあたりが気になる私であります。
********
レイダース 失われた聖櫃 おさらいレビュー
インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説 おさらいレビュー
インディ・ジョーンズ 最後の聖戦 おさらいレビュー
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[6段階評価 最高:■■■■■■(めったに出さない)、最悪:■□□□□□(わりとよく出す)】
「クリスタル・スカル~」公開記念の旧シリーズおさらいレビュー第三弾
この作品を観たのは高校二年か三年のとき。ちなみに同時上映が「スタートレック5」だった。
インディ大ファンとしてリピート前提で前売り券を二枚も買って、わくわくしながら公開初日を待った。
しかし・・・正直言ってあまり面白くはなかった。
なぜか
●まずインディ・ガールが活躍しない。
ていうか悪者だし。最後キスしてハッピーエンドにしてほしかった。
●ネズミが気持ち悪くない
シリーズ恒例の「気持ち悪い生物たくさん出現の巻」。しかし第一作のヘビ、第二作の虫の大群と違い、第三作ではネズミ。ばい菌だらけでそりゃ触りたくはないけれど、ほ乳動物はヘビや虫と違って生理的嫌悪感が少ない。たくさん出てもあまり気持ち悪い気がしない。
●インディのピンチからの脱出の仕方が納得いかない。
重油の地下迷路が大火事に。石櫃をひっくり返して火から逃れるのはいいとしても、「この下に出口があるぞ」って、運が良かったね・・・
父親と縛られたまま部屋が大火事になるのはいいが、「手を動かしてたら縄がほどけた」だけってのはどういうこと
戦車の砲塔にぶら下がったまま壁にぶつけられそうになってピンチ・・・しかし父親が撃った弾が跳弾となって偶然にも戦車のドライバーに当たり、戦車の向きが変わる・・・ここも運がいいだけ。
その戦車が崖から落ちるのだが、この時インディがなぜ助かったのか一切説明なし。ただインディが「まるで奇跡です」とかなんとか言うだけ。ちゃんと考えて!!
第一作、二作のピンチの脱し方が知力と体力による実に理にかなったものだったのに対し、第三作は「時の運」に頼りすぎ。冒険活劇としての脚本のデキで考えると三作目のデキは異常に悪い。(脚本はジェフリー・ボーム。この人の「リーサル・ウェポン2」&「3」ではピンチの脱し方がとても理にかなっているのになあ・・・)
●アクションシーンが面白くない
第一作のトラックチェイス、第二作のトロッコチェイスのようなスピード感溢れるアクションがない。戦車シーンは、迫力はあるもののなんだかんだでスピードの出ない戦車では爽快感にかける。
ヴェニスでのボートシーンもイマイチ。
もっとも中盤のバイクチェイスのシーンは割と面白かったのだが、軽いジャブ程度のシーンだし。
●聖杯の奇跡が意外と大したこと無い。
怪我を治すだけ。アークの壮絶さにはほど遠い。
ちなみにヒンズー教のお宝シャンカラストーンもただ光って燃えるだけだったし、キリスト教のお宝「聖杯」の大した事ない描写とあわせて考えるに、ユダヤ教のお宝「アーク」の描写への力の入れ方は、明らかに「何かが違う」。
やっぱり、スピルバーグがユダヤ教信者だからだろうか?
●ジョン・ウィリアムズの音楽が・・・
サントラを聞き比べると判るのだか、第三作の演奏は明らかにチープである。第一作と第二作は「スター・ウォーズ」と同じロンドン交響楽団が演奏しているのだが、第三作はハリウッドのスタジオオーケストラの演奏らしい。
また、父のテーマの他は、キャッチーなテーマがなく(いちお、聖杯を守る騎士のテーマとか、ドイツ軍のテーマとかあるし、バイクチェイスシーンのスケルツォはウィリアムズお気に入りらしくエンドクレジットにもかかる)、音楽のデキもシリーズ最低である。(悪くはないが)
●ついでに
公開前にNHKスペシャルでメイキングが放送され、見所はだいたい放送されてしまった。「これ観た・・・ここも観た・・・」と興ざめしていたことも挙げておきたい。それ以来、期待の映画を見る前には可能な限り情報シャットダウンするようになった。
******
だが、面白いシーンもある。
冒頭の故リバー・フェニックス演じるヤング・インディのアクションシーンは面白い。
帽子、ムチ、蛇嫌い、ハリソン・フォードのあごのキズ・・・インディのキャラクターのルーツが全て説明されていてファンは大喜び。
それからショーン・コネリー演じるインディのお父さんも素晴らしい。
ルーカスはインディパパにはもっと歳のとった俳優を想定していたらしいが、スピルバーグが絶対ショーン・コネリーだと譲らなかったという。
もともとインディ・ジョーンズは、スター・ウォーズの初日にハワイに逃げていたルーカスが一緒に遊んでいたスピルバーグに話した冒険活劇のアイデアが始まりだが、この時「ショーン・コネリーのジェームズ・ボンドに負けない活劇を作りたいんだ」と話してルーカスとスピルバーグは意気投合したという(そう話したのがスピルバーグだったかルーカスだったかは忘れた)。
その話を知る者にとって、インディのお父さんをショーン・コネリーが演じることの意義は大きい。
こういうエピソードから高校生の映画好きは「映画史」的ものの観方を覚えたのである。
*****うんちく&誰か教えて*****
●インディ三部作全てに出演した俳優が、ハリソン・フォードの他にもう一人いる。
パット・ローチという俳優だ。三作で役は全て異なるが。
第一作では飛行場でインディと格闘するドイツの大男。
第二作ではベルトコンベアでインディと格闘するインドの大男
そして第三作では・・・エンドクレジットでは「ゲシュタポ」役としてクレジットされているのだが、いまだにどこに出ていたのか判らない。当然、ドイツ国内のシーンのどこかだとは思うのだが・・・あの体格だからすぐに判りそうなものだが、どこに出ているのか判らない。
*****突っ込み*****
●重油だらけの地下迷路は、火のついたマッチを落としただけであっという間に火の海。でもそんな迷路をインディは松明で照らしながら進んでいたのだけど。あれって危なくないの・・・
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そんなこんなで、「クリスタル・スカル」ではパット・ローチは出るのか? 今度の気持ち悪い生物軍団は何なのか? ってあたりが気になる私であります。
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レイダース 失われた聖櫃 おさらいレビュー
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インディ・ジョーンズ 最後の聖戦 おさらいレビュー
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映画の評価が、しんさんと僕とで逆転しているのが面白いですね。
僕は「最後の聖戦」が一番良かったです。古城での全員集合!的ギャグも面白かったし、個人的には飛行船から脱出してからのアクションも好きです。
パット・ローチという俳優は全然知りませんでした。
ただ、「クリスタルスカル」では、カレン・アレンが昔の可愛らしさそのままに出演しているのが楽しみです。
インディにドラマ性を全く求めていなかった私にとって、最後の聖戦はちょっと違う感じがしたものでした。
飛行船から脱出したあとのアクションは、ブルーバック合成丸出しな空中戦はちょっとがっかりでしたが、不時着して車に乗り換えてからは凄まじく面白かったです。お父さんの唯一の見せ場だったし