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映画作りの糧とすべく劇場鑑賞作品中心にネタバレ徹底分析
映画ブロガーら有志23名による「10年代映画ベストテン」発表!

フリージア [監督:熊切和喜]

2007-05-10 02:20:58 | 映評 2006~2008
【個人的評価 ■■■□□□】(■□□□□□:最悪、■■■■■■:最高)

自主映画の延長にすぎないような小粒作品を、商業映画の枠の中で有名俳優使って撮っていることが羨ましい作品であった。
シナリオには不満も多々ある。
偽の敵討ち法施行から、最後の対決の間で、ながれを寸断する必要があったのか?
西島秀俊が弱すぎてクライマックス盛り上がりに欠ける。「幽霊」に匹敵する強さの敵にして欲しかった
冒頭の冷凍爆弾は当然、クライマックスでもう一度使うべきだろう。キャラ設定だけのための使用ではもったいなさすぎる。
ラストわざわざ雪深い東北地方に移動しなくたって、東京に冷凍爆弾を炸裂させりゃよかったのに。
それでもなんでも銃撃系映画は贔屓したくなるので、そこそこ楽しめたと言っておく。

狭くて汚らしくて、意匠を感じない安っぽい美術とか、一般受けを拒絶するフォルムの作品であるが、社会批判とかSF設定とかにこだわる前に、人間同士の恨みつらみと個人個人の葛藤とを重点に置いているため、安手な映像も物語にマッチしている。
心を描くために、心を失った人間たちを使うところも、意欲的でよい。
ラストのつぐみの赤い服がとても鮮やかで美しい。
氷のような未来世界にようやく咲いた人間性の花。少し泣けた。

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