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映画作りの糧とすべく劇場鑑賞作品中心にネタバレ徹底分析
映画ブロガーら有志23名による「10年代映画ベストテン」発表!

ディパーテッド [監督:マーティン・スコセッシ]

2007-02-23 00:40:02 | 映評 2006~2008
次々と挿入される1秒にも満たないフラッシュバック
膨大な量。考える暇も与えない
ミヒャエル・バルハウスの流麗なカメラワークは影を潜め、動きの少ないシャープな顔アップが次々と連なる映像。
カットが短く多いのを除けば、とてもクラシカルでおちついた映像
けれど暴力描写は凄まじく、観ているだけで痛くなるような、タコ殴り

・・・の割に、緊張感のなさはどうしたことか
それはストーリーを始めから知っているからだろうか?
ばれちゃうばれちゃうって緊張感あふれる展開が少なく、テンポばかりが良くなっているからだろうか?
デカプリとマットという俳優の資質だろうか?(悩みのなさそうな顔している)
ジャックの顔面大サーカスな演技は最高に面白いけど、笑わせてどうする・・・という気もする
オリジナルでアンソニー・ウォンが演じた警部は、アレック・ボールドウィンとマーティン・シーンとマーク・ウォールバーグに3分割つまり3倍に希薄され、一方でエリック・ツァンより3倍濃いジャックが敵では、意地と意地のぶつかりあい色が薄まるのも仕方あるまい。

オリジナルでは、当時無名だった上アンディにもトニーにも似ていないショーン・ユーとエディソン・チャンが訓練生時代の回想シーンに度々登場し、あれこいつはアンディだっけ?トニーだっけ?とちょっと混乱したものだけど、リメイクでは訓練生時代も現在も同じ俳優が演じているのでわかりやすい。ただしそのせいでたかだか数年程度の期間のお話になり、物語の深みを失ってしまった感は否めない。

そうはいっても、ジャックの無様な死にっぷりは良かった。
マーク・ウォールバーグの口汚い憎まれ役っぷりも良かった。
デカプリの猛烈演技もだいぶ板についてきた気がする
結局、俳優たちが魅せる映画なのだ。彼らを観ていればそれだけでけっこう楽しめるのは間違いない

中国の一部たる香港から輸入して作られた映画だが、ジャックが中国政府の人間に盗んだマイクロプロセッサを売りつけるシーンがある。
今世紀中に台湾に核を撃ち込みたければ金を払え
そんなことを言うジャック。
映画化権買ったからにはもう俺たち(アメリカ人)のものだぞ。そんな反中感情の現れか、
はたまたスコセッシなりのオリジナルを作った中国の人たちへの挨拶だったのか
でもま、中国本土では上映禁止に(それもどうかと思うが)

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