原作のコミックも、TVアニメも観た事ない私。大げさでなく予備知識完璧ゼロでの鑑賞。
多分、場内は原作かアニメ版のファンの方々が大半だったと思われ、アーリア人のみの国家を築こうとしてる国に1人迷い込んだジプシーのような立場でありました。でも何も知らないのに、楽しんじゃいました。
人物関係も設定も何も知らない故に、話には全くついて行けず。2時間弱の映画の割に重要そうな登場人物がやたら多く、それだけのキャラたちを群像劇として捌ききれていない・・・といっても、もちろんキャラ紹介は原作orアニメで実施済み、それを見た人々を対象としている映画なので仕方ない。その辺はいい。きっとTVシリーズのスター・トレックを観てない人が劇場版観ても同じ感想を抱くだろうし
んで、日本のアニメにありがちな膨大な知識量。人物だけでも沢山いるのに、錬金術や科学技術、ナチス勃興時のドイツの歴史、ファシズム、ナショナリズム、ナチズム等の知識でガチガチに固められていて、なかなかの強者。
多分、パンフには「ルドルフ・ヘスとは?」とか、「ホロコーストの犠牲者はユダヤ人だけではない云々」とか、「フリッツ・ラングとは?」とか解説があるのだろう。
しかしこの映画のいい所は、マニアックな知識の大量動員を行いながら、そられの説明よりドラマ作りを重視しているところである。
個人的に押井守なんかがダメだなあと感じるのは、彼はマニアックな知識の説明ばかり行い、映画だかプレゼンだかわかんなくしてしまっているからだ。エモーショナルな部分よりも蘊蓄を重視して何が面白いのだ。
その点、鋼の錬金術師は、膨大な知識を下敷きにしながらその説明などほとんど行わず(て言うか、多分原作等で十分に語ってるのだろう)、アクションシーンを適度な間隔で配置しながら、主人公の心情を湛然に追いかけ、物語のスケールはどんどん大きくしていき、ストーリーの盛り上げを最優先。
おかげさまで予備知識ゼロだったのに、ラスト手前の再会したばかりの兄弟がまた離れ離れになるシーンで、ちょっと涙ぐんじゃったりもして、結構楽しめました。どういう話だったのか、よく判んなかったのにね。
その他良かったとこ
●先にも語った様に、1920年代のドイツに関して、私の脳細胞にインプットされていた、さして広くなく浅い知識がえらく刺激されたこと
●ジプシーってみんなエミール・クストリッツァみたいに国家?国境?どうでもいいじゃん、などとノホホンとしてるのかなぁって思ってたけど、自分たちの国が欲しいって思う人だってそりゃいるわなぁ・・・と、少し視野が広がった事
●アルの葬儀のシーン、遠巻きの喪服の一団の前でジプシーの娘が踊る様が美しくて、退色処理の効果も相まってアンゲロプロス映画の記憶が作者の意図と無関係に脳裏に蘇ったこと
●映画ファン的にはフリッツ・ラングが登場して、主人公助けたりするとこに「ニヤっとさせられた」が、実を言うとフリッツ・ラングの映画なんて一本も観てないので、ハガレンの演出やストーリーを無理矢理「M」とか「メトロポリス」と関連づけてフカヨミしなくて済んだなあ・・・って、いいとこでも悪いとこでもないじゃん
あと、最も特筆すべきは、大島ミチル女史の音楽。TV版の使い回しかどうかは知らないけど、壮大なシンフォニーが美しい。今、日本で一番好きな作曲家。あれだけスケール感のある音楽かける人は、日本にいない・・・わけでもないがミチル先生がダントツ。怪獣とアニメと森田芳光の他に、彼女がその才能をフルに発揮でき、かつ世界進出の機会となるような映画を作ることが、日本映画界の緊急課題だと思います。
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自主映画撮ってます。松本自主映画製作工房 スタジオゆんふぁのHP
多分、場内は原作かアニメ版のファンの方々が大半だったと思われ、アーリア人のみの国家を築こうとしてる国に1人迷い込んだジプシーのような立場でありました。でも何も知らないのに、楽しんじゃいました。
人物関係も設定も何も知らない故に、話には全くついて行けず。2時間弱の映画の割に重要そうな登場人物がやたら多く、それだけのキャラたちを群像劇として捌ききれていない・・・といっても、もちろんキャラ紹介は原作orアニメで実施済み、それを見た人々を対象としている映画なので仕方ない。その辺はいい。きっとTVシリーズのスター・トレックを観てない人が劇場版観ても同じ感想を抱くだろうし
んで、日本のアニメにありがちな膨大な知識量。人物だけでも沢山いるのに、錬金術や科学技術、ナチス勃興時のドイツの歴史、ファシズム、ナショナリズム、ナチズム等の知識でガチガチに固められていて、なかなかの強者。
多分、パンフには「ルドルフ・ヘスとは?」とか、「ホロコーストの犠牲者はユダヤ人だけではない云々」とか、「フリッツ・ラングとは?」とか解説があるのだろう。
しかしこの映画のいい所は、マニアックな知識の大量動員を行いながら、そられの説明よりドラマ作りを重視しているところである。
個人的に押井守なんかがダメだなあと感じるのは、彼はマニアックな知識の説明ばかり行い、映画だかプレゼンだかわかんなくしてしまっているからだ。エモーショナルな部分よりも蘊蓄を重視して何が面白いのだ。
その点、鋼の錬金術師は、膨大な知識を下敷きにしながらその説明などほとんど行わず(て言うか、多分原作等で十分に語ってるのだろう)、アクションシーンを適度な間隔で配置しながら、主人公の心情を湛然に追いかけ、物語のスケールはどんどん大きくしていき、ストーリーの盛り上げを最優先。
おかげさまで予備知識ゼロだったのに、ラスト手前の再会したばかりの兄弟がまた離れ離れになるシーンで、ちょっと涙ぐんじゃったりもして、結構楽しめました。どういう話だったのか、よく判んなかったのにね。
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●先にも語った様に、1920年代のドイツに関して、私の脳細胞にインプットされていた、さして広くなく浅い知識がえらく刺激されたこと
●ジプシーってみんなエミール・クストリッツァみたいに国家?国境?どうでもいいじゃん、などとノホホンとしてるのかなぁって思ってたけど、自分たちの国が欲しいって思う人だってそりゃいるわなぁ・・・と、少し視野が広がった事
●アルの葬儀のシーン、遠巻きの喪服の一団の前でジプシーの娘が踊る様が美しくて、退色処理の効果も相まってアンゲロプロス映画の記憶が作者の意図と無関係に脳裏に蘇ったこと
●映画ファン的にはフリッツ・ラングが登場して、主人公助けたりするとこに「ニヤっとさせられた」が、実を言うとフリッツ・ラングの映画なんて一本も観てないので、ハガレンの演出やストーリーを無理矢理「M」とか「メトロポリス」と関連づけてフカヨミしなくて済んだなあ・・・って、いいとこでも悪いとこでもないじゃん
あと、最も特筆すべきは、大島ミチル女史の音楽。TV版の使い回しかどうかは知らないけど、壮大なシンフォニーが美しい。今、日本で一番好きな作曲家。あれだけスケール感のある音楽かける人は、日本にいない・・・わけでもないがミチル先生がダントツ。怪獣とアニメと森田芳光の他に、彼女がその才能をフルに発揮でき、かつ世界進出の機会となるような映画を作ることが、日本映画界の緊急課題だと思います。
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そりゃー映画制作陣達が聞いたら大喜びなんじゃ(笑)
私はこのアニメ&漫画の大ファンなんで、是非オリジナルも♪って気分です。
関東は、たしか深夜ですけどアニメの再放送やってまっせ~。
私も初めて見ましたが、
エモーショナルな部分で
うまく映画に入り込めました。
また「スチームボーイ」のように、
描き込んではあるものの、
そこに人が介在しない画よりも
好感が持てました。
こんど漫喫でもいって読んでみようと思ってます
>あかん隊さま
大島ミチルさんの例えばどれが好きですか?
あ、嘘です
私は、ゴジラ×メカゴジラの音楽が最高に好きだったりします
>えい様
そっすよね。なんつっても人間描かなきゃ
メカのディテールとか設定とか、そんなもんパンフにでも書いとけって感じです。