先日、ノーベル賞に絡んで、日本の科学分野での喜びと憂いを取り上げました。
その直後に、今、「期待」するものについて、ブログ用に書いたものの、時期尚早かな、と掲載を控えることにした記事がありました。
今、その時期が来たかなと判断して、あらためて加筆修正し、その話題に触れてみたいと思います。
それは、アビガンという薬のことです。今春の早い時期に条件付きで承認された抗インフルエンザ薬で、日本の製薬会社が開発したファビピラビル(英語: Favipiravir)の商品名です。
ご存知の方も多いかもしれませんが、抗インフルエンザ薬がなぜ話題となるのかというと、これまでの薬と根本的に作用が異なる薬剤であり、インフルエンザ薬としては、世界的流行のパンデミック状態の時のための奥の手ともいえる存在なのです。そして、最大の注目点は、インフルエンザと構造の似ている、他のウィルスの増殖作用を妨げる可能性にあります。
そのウィルスの名前はEbola。
他のエボラ薬とされるものと違い、大量生産が可能で既に数万人分のストックがあるとのこと。もはや日本製かどうかなんて問題ではなく、効いてくれることを祈るばかりであるのですが、日本発であることが、日本の次の世代の研究者を生む環境を整えてくれるという期待も感じるのです。
(Nas)