こんにちは、駿台ミシガンです。
「School of Rock」という映画があります。売れないロックミュージシャンであるデューイは、親友が勤めるはずの小学校に親友になりすまして教師職に就きます。しっかりと教師をやるチカラも、そして気持ちもないデューイだったのですが、子どもたちの音楽の才能を知ってロック魂に火がつき、子どもたちとロックバンドを組んでロックバンド・バトルに出場することになる、そういうストーリーです。
ロックの名曲がふんだんに用いられていたり、ロックバンド・バトルのステージ衣装がAC/DCのAngus Youngのオマージュだったりと、映画作中のいたるところで楽しい演出があるのですが、この映画の白眉はといえば、デューイの授業風景でしょう。とりわけ、膨大なロックミュージシャンの名前とともに、彼らがどのように影響を受けどのようにロックの歴史を作っていったか、ということを、教室の大きな黒板いっぱいに使ってチョークで書き記し説明する場面が、とても印象深いです。また、「今日の宿題はこれを聴くこと」と、クラスの一人ひとりがデューイ先生から様々なロックミュージシャンのCDを受け取り下校する場面も、ゆかいです。
映画ではこうしたエピソードを、ロック魂の熱さゆえの暴走だ、と、コミカルな思いを見る側に与える場面となっています。しかし、私はこれらのことこそが、実は学ぶことの本質を突いているだいじなことなのであると思っています。
ロックバンド・バトルに出場するためだけなら、その場でうまい演奏をすればよいわけです。しかしそうではなく、デューイ先生は、今、自分たちが演奏するロックの、そこに繋がっていくロックの先輩たちが築いてきたものをきちんとつかみとらせようとした、それが、黒板いっぱいの相関図であり、宿題CDであったわけです。そうしたことを通して、自分たちのいまの演奏をより高みに持っていこうとしたのだと思います。
米国で日本の学習をしている生徒たちから、どんな本を読んだら役に立つのか、テストに出やすい内容の本とはどんなものか、といった質問をよく受けます。ダイレクトに役立つ本の存在は、とても魅力的ですよね。しかし、その質問は、いま目の前にある楽譜の演奏だけできるようになろうとしているようなものでしょう。多くの先輩達が、たくさんの本となって、君たちを支えていってくれるはずです。深く豊かな知識と思考力をみがいていってください。そのなかに、いまにつながるものが見えてきます。
われわれ駿台のセンセイたちも、その「先輩」の一人となり、君たちを支えていきます。
駿台ミシガン国際学院 S.T