社頭へ出ていると、やはり神社の歴史について聞かれる事がままあります。
この鈴鹿明神社の創建は欽明天皇の御代(約1500年前)と伝わっていますが、現在の御社殿は新しいもので、平成5年4月“平成の大造営”事業により建てられたものです。
神社は当然木造ですので長い年月を経ているほど火災や台風などの災害に晒されやすくなります。 そのため度々直しが必要になり、当神社でも戦国時代頃からの修理の記録が残ってはいるのですが、写真の無い昔にどのような御姿であったのかは定かではありません。
先代の御社殿。昭和58年の七五三詣記録写真より
現在の姿
今の御社殿は桧の木造で屋根は銅板葺き、様式は『権現造(ごんげんづくり)』となっています。
権現造とは平安時代からある様式ですが、日光などの“東照宮(東照大権現)”に用いられた事からそう呼ばれるようになりました。 一つの大きな建物に見えますが、内部が『本殿(神様の座所)』と『拝殿(参拝者が礼拝する場所)』を『石の間』で繋いだ三部に分かれているのが特徴です。 ※ただし当神社では石の間は石畳ではなく、板の間で神饌を供したり祝詞を奏上する『幣殿』としています
神社特有の“千木” “鰹木”という屋根飾りは手前からは見えませんが、注意してみると一番奥の本殿の屋根に飾られているのを見る事が出来ます。
御社殿の作りというのは御祭神や歴史によって本当に様々です。 ここだけでなく、神社にお立ち寄りの際はその造りも気にしてみては如何でしょうか。