七五三詣はご家族で参列するものですので、普段機会がなかったが初めて昇殿祈祷を受けた、という方も多いかと思われます。
本殿での御祈祷の内多くの時間を占めるのが『祝詞(のりと)奏上』ですが、祝詞でどんな内容の言葉を読み上げているのかご存知でしょうか?
よく言われるように祝詞は「呪文」ではなく「古語」ですので、耳慣れない言葉は多いですが文字にすると大意が分かるのではないでしょうか。
少し長くなりますが、七五三詣の祝詞例文を一つ挙げてみます。
“掛け巻くも畏き 〇〇神社の大前に 何某恐み恐みも白さく
大神の広き厚き御恵により 郷の幼児等 身健やかに生立ち行くは 愛たき極になも有りける
故何某 去にし年月に生れ出でて 今年は言祝ぐ齢となりぬれば
家人等と相共に大前に参出で 七五三詣の儀執り行ふ真心を 愛ぐしと思ほし見そなわし坐して
今ゆ行く先も御心放たず 守り給い幸へ給いて 優れたる大和男子・大和撫子と成さしめ給へと
恐み恐みも乞願奉らくと白す”
“(訳)心に掛けるのも畏れ多い 〇〇神社の御神前に 「神主名」畏まって申し上げます。
神様の広大で深厚なお恵みをいただいて 地域の子供達が健やかに成長する事は 大変喜ばしい事です。
そこで「子供名」が 去る年月日に生まれて 今年祝歳を迎えましたので、
家族と共に御神前にお参りして 七五三詣を行う真心を 愛おしい気持ちでご覧になって、
これから先も御心から離さず 守護し祝福なさって 立派な男性・女性となされますように、
畏まってお願い申し上げます。”
これは当神社の祝詞でもなくあくまで例文で、実際には神社や神主によって自分なりの言葉、装飾語や言い回しが使われますので全く違う文章になります。
ですが子供の成長を御神前に奉告する、という文章になるのは間違いありません。 難しい部分もありますが、せっかくの祝詞ですので、昇殿祈祷の際は耳を傾けていただければと思います。