ショートシナリオの館

ボケに抵抗するため、日常生活の中から思いつくままに書いています。月2回・月曜日の投稿を目指します。

白熱電球からLED電球へ

2012-07-05 10:55:31 | 日記


白熱電球のフィラメント          LED電球

菊男:経済産業省は2012年末までに白熱電球の生産を中止するようにメーカーへ
    要請を出し、メーカー側も調光用途などで代替のきかないものを除き、生産
    中止を発表している。
    君はこの分野に詳しいけど、どう受け止めているの?

有三:地球温暖化防止国際会議で、二酸化炭素抑制策として2012年末までに電力
    消費量が多い白熱電球の製造・販売を中止すると、日本が国際公約したこと
    に基づいた要請なんだよ。
    メーカー側も価格の安い白熱電球や値崩れの激しい蛍光灯型電球より、価格の
    高いLED電球を売りたいという本音があるので、賛同しているのだろう。

菊男:なるほど。白熱電球の生産中止はどんな効果をもたらすのかな?

有三:省エネと効率性の向上だね。
    まず、白熱電球が「光る仕組み」と「切れる」理由から説明しよう。
    電球の中にあるフィラメントに電気を流すと電気抵抗が生じる。すると温度が
    上昇して2000度~3000度の高温になる。
    焚き火を思い出してごらん。物を燃やして高温にすると周りが明るくなるね。
    これが光る仕組みなんだ。
    だけど、高温を維持して光らせるためには常に大量の電気を流し続ける必要があ
    る。
    フィラメントが切れるのは長時間の高温に耐えられないからなんだよ。

菊男:そういうことなのか・・・

有三:それに対して、温度を上げないで光を生み出せるのがLED電球。白熱電球に比
    べて必要電気量が少なくてすむうえに、切れにくいので効率が良いというわけだ。

菊男:わかった。ついでにLED電球の原理についても説明してよ。

有三:LED(Light Emitting Diode 発光ダイオード)とは電気を流すと発光
    する半導体のことで、これを光源としたのがLED電球だね。
    1907年に炭化ケイ素に電気を流すと発光したという「発光現象」の発見が
    あった。
    これが原理の基になっている。

菊男:その「発光現象」を、光源として利用できるようにしたのはどんな技術?

有三:それは、1960年以降の赤色、緑色、黄色、青色ダイオードの開発だ。
    これにより光の三原色で白色が開発されたんだ。
    この技術開発が一般照明用として利用できるようになった最大の理由だよ。

菊男:LEDの良い点は?

有三:①長寿命②低消費電力③小型化が可能④低温でも発光等で、21世紀の
    明かりとして注目されるのは間違いないね。

菊男:具体的にはどのくらいの省エネになるの?

有三:シャープの「DL-Lシリーズ」の比較では白熱電球の40Wに対し、LED電球では
    4.1W、すなわち1/10程度の消費電力。電球型蛍光灯では10W程度だから、
    それよりも半分以下の電力で光を得ることができるんだ。
    日本の平均的な家庭での消費電力はエアコン24.9%、照明16.2%、冷蔵庫
    15.5%、テレビ9.9%で全体の7割近くになる。
    LED電球に換えるだけで20%~30%程度、電力の消費が削減されるそうだ。
    又、国内全体で使う電力の4分1は家庭での消費だそうだから、かなりの省エネ
    になるんだね。

菊男:我が家も早速、LED電球に取り換えることを検討してみようかな。
    でも、欠点がないわけじゃないんだろ?

有三:うん、課題はあるよ。そのことについては、次の機会に説明することにしようね。
コメント
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