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第1話 飛行機雲
孫 :じいじ!空に白い線が2本長く伸びているよ!あれな~に?
じいじ:あれは飛行機雲だよ!飛行機雲ができるのは、空の高さが、地面
から約6,000m以上でないとできないんだ。この6,000mの高さだ
と温度もかなり低いんだよ。
そのために、そこにできる雲は、ほとんどが氷のつぶでできてい
るんだ。この高さを飛行機は飛んで行くのだから、飛行機のエン
ジンから排出される水蒸気は、全部、氷のつぶになってしまうの
さ。それが地上から見ると白い雲のように見えるんだね。
もう一つ、空気が薄くて、高いところを飛行機が飛ぶと、その後
ろに、小さいうずまきができるんだよ。このうずまきが、まわり
の空気の温度を急に下げて、雲を作り出すこともあるんだ。
このように、飛行機雲ができる理由は、水蒸気とうずまきの2つ
が考えられるんだけど、実際には、どちらか片方だけではなく、
両方の原因が重なってできる場合が多いみたいだ。
孫 :ふう~ん。飛行機雲は氷なんだ。日本中の人が食べても食べきれ
ないほどの「氷アイス」が作れるね。
じいじ:でも、エンジンから排出されて生まれてくるアイスだから、アブラ
臭くて食べられないんじゃないかな。
孫 :じいじ、お願いだから僕の夢をつぶさないでよ。
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第2話 カマキリの卵
孫 :庭の木に変なものが付いているよ!これな~に?
じいじ:これは「オオカマキリ」の卵だ。ふわふわした発泡ウレタン状の
ものに包まれていて、冬の寒さを防ぐ断熱材の役割をしているの
だよ。
外からは分からないが、中では小さな幼虫が生まれる日を心待ち
に少しずつ成長しているんだ。卵は5月頃、晴れた日の午前中に
孵化するらしい。その数は数百匹にもなる。
写真で見たが、卵の下に連なる様子は見事だ。
しかし、その瞬間を見るのは難しくて、気が付いたらもぬけの
からになっていることが多いのだ。
なんとか撮影してみたいな~。
孫 :簡単だよ。ビデオで定時撮影すればバッチリだ。
じいじ:なるほど、定時撮影か。孫に教えられたな。やってみるか。
孫 :でもバッテリーが切れたら写らないよ。
じいじ:おいおい。やる気を削ぐようなことは言うなよ。