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永 :やぁ~。美井さん、あなたもこれから敬老お楽しみ会ですか?
よろしかったらご一緒させてくれませんか?
美井:喜んで。時間が十分ありますからのんびりと歩いて行きましょう。
ところで、敬老の日はいつから始まったんでしょうね。
永 :聞くところによると、兵庫県多可郡野間谷村(現在の多可町八千
代区)の35歳の若い村長と助役が1947年に「としよりの日」を提
唱したのが始まりで、「老人を大切にし、年寄りの知恵を借りて
村作りをしよう」と、農閑期で気候も良い9月15日を「としより
の日」と定め、敬老会を開いたのが全国に広がったらしいです。
美井:ところで、敬老の日に祝われる「老人」とは何歳以上なのでしょ
うかね?
永 :人口動態調査の分類では、15歳未満が幼年人口、15~64歳が生産
年齢人口、65歳以上が老年人口だから、これに従えば、「老人」
とは、65歳以上の人を指すということになりますね。
また、満額で老齢年金が支給されるのが65歳なので、この年齢が
妥当かなと思うけど、年金の支給開始が70歳からの時代になった
ら高齢者の定義も変わるかも知れませんね。
また、インターネットの調査では、「敬老の日」を何歳から祝った
ら良いかという問いの答えで一番多かったのが70歳を過ぎたらとい
う答えで、これが約半数を占めていました。でも、孫がいれば、
60歳未満でも祝うという方も3割近くいましたね。
美井:へえ~、そうなんですか。
永 :総務省統計局の発表では女性で四人に一人、男性で五人に一人が
高齢者のようだけど、昔に比べて平均寿命が延びており、以前なら
55歳、60歳が現役引退の年齢だったのが、現在65歳になったとい
う経緯を考えると、今後「高齢者」という言葉が示す年齢は、どん
どん高くなるかもしれませんね。
美井:おや。志位さん、お早うございます。
敬老お楽しみ会ですか?一緒に参りましょう。
志位:ご一緒させてください。お二人に伺いますけど、最近は敬老の日を
G・Gデーって言うのをご存知ですか?
英 :初めて聞きました。何ですかその呼び方は?
志位:ジジィの日ではありませんよ。
グランド・ジェネレーションのことで、G・Gデーとおしゃれに呼び
方を変えましょうということらしいです。
美井:どこから出てきた言葉ですか?
志位:大手スーパーだと聞いているけど、今まで高齢者に贈り物をする若
い人をターゲットにしていたお店が、お金もあり流行にも敏感な高
齢者の「自分買」へとその商戦を変化させてきているそうです。
確かに教育費や住宅ローンを抱えた若い世代より高齢者の方が経済
的には豊かでお財布のひもは緩いかも知れませんね。
それともう一つ、シニアの女性が妙齢の美女に変身するという、東
京のあるフォトスタジオが始めた新商売は大盛況らしいです。
敬老の日を前にテレビでとりあげていました。
失礼ながらその辺にいる普通のおばさん・おばあさんが豊富なサン
プルから希望のスタイルを打ち合わせ、専門家によるヘア&メイク
が行われたその姿はもう全く別人です。
その変身美女がプロのカメラマンによって素晴らしい表情の写真に
収まっているんです。
どうみても20~30歳は若く見えて、大満足なご当人が紹介されてい
ました。見ていた私もうっとりするような出来栄えでしたよ。
元気なうちにきれいな自分を・・・という、女性心を捉えたこの変
身作戦は予約が一カ月待ちだそうです。
永 :そう言えば、父の日に息子の嫁からカラフルなステテコが送られて
きました。ステテコも変わりましたよ。かつては「おじさん専用」
のイメージが強かったステテコだけど、節電・クールビズ意識の浸
透で吸汗機能に加え、さまざまな素材や色や柄が登場してきて、若
い世代にも人気が高まっているようです。高齢者専用というものが
無くなっていくのも何か寂しいものがありますね。
美井:今日の催しは、小学生合唱団の歌と南京玉すだれ、そして落語だと
プログラムにありました。ゆっくりと拝聴しましょう。
会場に着きましたね。
志位:おや、「ようこそ敬老お楽しみ会へ」というパネルが出迎えてくれ
ましたよ。なかなか良くできているじゃないですか。
手作りでしょうか? 誰が作ったのかな?
永 :実は私が頼まれて作ったんです。
褒めて頂いてありがとうございます。
美井:そうですか。他の展示物を見るのも楽しみになりました。こうした
イベントは多くの裏方の支えで行われているのですね。
感謝しています。
志位:それでは感謝の心を持って、一日たっぷりと楽しませていただきま
しょう。