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長老 :お~い。仲良し三人組集まれ!今日は不思議な森を案内してあげよう。
ミミ :不思議な森って何?全く想像がつかないな~。教えて!
コン太:僕は分かったぞ。森みたいだけど森じゃないんだ。
ポン吉:それじゃ、ますます分からないじゃないか。
長老 :ハッハッハ。不思議な森とは「光る森」のことじゃよ。夏の終わりから秋に
入るこの時期だけ「光る森」が裏山にあるんじゃ。見に行くかい。
ミミ :行く行く。どうして森が光るの?何か光を出すものがいるのかな?
コン太:違うよ。空から光が降りてくるんじゃないかな。
ポン吉:僕は森の木が光るんだと思うよ。だって「光る森」だろ。
長老 :ミミが正解じゃ。本物を見ると納得するじゃろう。それまでは答えを隠して
おこう。
ところで、夜の森で光るものというと何を思い出すかな?
コン太:夜の森は真っ暗だよ。光るものなんて・・・。あった!
僕たちの目だ。月灯りの日は遠くからでも分かるぞ。
ポン吉:自分たちの目を見るんだったら、「光る森」とは言わないと思うよ。
ミミ :分かったわ。ホタルよ。長老。ねえ。そうでしょ。
長老 :確かにホタルは光るな。でもホタルは春の終わりから夏に出てくるので、
この時期にはいないよね。だから、今日見に行く、光るものはホタルではな
いぞ。それでは、夕方ここに集まって出かけよう。
幻想的な世界を見ることができるぞ。
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ミミ :幻想的な世界って何だろう。お父さんやお母さんに聞いたけど分からなかっ
たわ。
長老 :口で説明するよりも、見ればすぐに分かるさ。さあ。森の入口に着いたぞ。
この奥に「光る森」の答えがあるのじゃ。
コン太:何だか、ワクワクしてきたな。幻想的な世界って何だろう。
ポン吉:僕も、ワクワクしてきた。ここはまだ来たことがない初めての場所だ。
長老 :さあ。もうすぐ着くぞ。ほら!遠くの地面を見てごらん。ほのかに緑色の光
が集まっている場所が見えるかい。もう少し近づいてみよう。
ミミ :まあ~、弱々しいけど本当に光ってる。目が慣れてきたら点々と緑色の光が
地面に広がっているのが分かる。本当にきれい!
コン太:光っているのは「キノコ」だ。どうして「キノコ」が光っているんだろう。
ポン吉:目が慣れてきたらどんどんきれいになってきたぞ。本当に幻想的な世界にな
ってきた。光る「キノコ」なんて初めて知ったな。
長老 :どうだ。すばらしい世界だろう。目の位置を地面に近づけると、「キノコ」
が大きく見えてもっと幻想的に見えるぞ。
みんな並んで身体を低くして見てみよう。
ミミ :もう、うっとりしちゃうわ。こんな経験は始めてよ。
コン太:長老!どうしてここの「キノコ」は光っているの。教えて!
ポン吉:長老!光っているのは「キノコ」だけじゃないよ。周りの落ち葉の中にも光
っているのがある。光る落ち葉だ。どうしてだろう。
長老 :わしにも本当の答えは分からないのじゃが、胞子を遠くへ運んでもらうため
だろう。花は花粉を蜂や蝶に運んでもらっているね。
きのこも胞子を運んでもらうために、夜に活動する昆虫に食べてもらう必要
がある。風で運ばれるよりも子孫を残すには確実なのかもしれないよ。
そこで、昆虫たちを引き付けるために独特の光を出して昆虫をおびき寄せて
いることが考えられる。
でも他の理由も考えられるから本当のところはわしにも分からないのじゃ。
ポン吉:落ち葉が光っているのはなぜなの?
長老 :おそらく昆虫の身体に付いた光る胞子がこぼれ落ちて付いているのじゃろう。
なにせ、ここの「キノコ」は全てが光っているからね。
胞子も光っているのだろう。
コン太:これも前に教えてもらった「子孫を残す智恵」というものなのかな。
ミミ :この「光る森」の景色は忘れないわ。本当に幻想的な世界ね。
長老、連れてきてくれてありがとうございました。
お父さんとお母さんにも教えてあげよっと。
ポン吉:僕もだ。不思議な世界だね。ここから動けなくなったよ。
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NHKドキュメンタリー 2012年9月17日放送より
光る森 ~四国山地 神秘の発光を追う~
「四国山地の一角に、かぐや姫の物語を連想させる不思議な「光る森」がある。夏の
わずかな期間、真夜中にキノコや落ち葉、木の幹がほのかな光を発するのだという。
なぜ、森が光るのか。この夏、一人の科学者がこの森の調査を始めて行なった。世界
中でキノコを調べている国立科学博物館の保坂健太郎さんだ。
光る物質を採取し、DNA解析を行ったところ、森の光の正体が壮大な自然の営みの
象徴であることが分かってきた。保坂さんの調査に密着し、光る森の神秘に迫る。」