レタスの生育には涼しい気候が適しており、夏は長野県などの高冷地、春の3~5月、秋の9月~11月
は茨城県を中心とした平野部、冬は四国や九州などの暖地というように、季節ごとに栽培に適した産
地へ日本一の生産量が移り変わることをご存知でしたか。レタスといえば、高原野菜の長野県だとす
ぐに思い浮かぶ方が多いでしょうね。確かに年間を通した生産量日本一は長野県なのですが、春と秋
の2回収穫できる茨城県が、この2つの季節では日本一なのです。四季を通じても茨城県は長野県に次
いで全国2位の生産地です。
県内での圧倒的な作付面積を誇るレタスの産地は南西部に位置する坂東市です。利根川が流れ、南が
千葉県・野田市に接するこの地は、猿島大地と呼ばれる平坦な土地で、年間を通して比較的温暖な気
候です。レタス栽培を行っている地域は、比較的土地が高いことで水がたまりにくく、適度な水分を
保てることがレタス栽培に適しているといいます。昭和33年に利根川に芽吹大橋ができ、こんにゃく
や葉たばこの栽培が多かったのが、レタスを筆頭にねぎやトマトなど、野菜の生産農家が格段に増え
ました。首都圏へ新鮮なうちに届けることができるのに最適な立地となった坂東市のレタスは、橋の
登場とは切っても切れない関係にあるのです。
レタスといえば玉レタスが一般的ですが、地中海沿岸から西アジアを原産地とするレタスは、もとも
とは丸く結球しておらず、サニーレタスのような葉レタスでした。玉レタスは江戸時代末期に欧米か
ら渡来したといわれ、本格的な栽培が始まったのは明治時代以降のこと。現在のようにサラダの主役
として定着したのは第二次世界大戦以降です。レタスの和名の「ちしゃ」は「乳草(ちさ)」からき
ているといわれています。ヘタの切り口から出る白い乳液が名前の由来になっているのです。
<県内屈指のレタス産地が生む自信作>
生産過程では有機質豊富な専用肥料を使い、健全土づくりにこだわり、高い品質を追求。さらに、栽
培の管理・記録を徹底しているので、安心して食べられます。収穫直後に5℃前後まで冷やし、鮮度
を保ったまま出荷するのも、こだわりのひとつ。こうした日頃の努力が認められ、品質や安全性など、
厳しい基準をクリアした産地にあたえられる「茨城県青果物銘柄産地」の指定を受けています。丹精
込めて作られたレタスが今年も美味しい。
<レタスの豆知識>
1.レタスは、セルトレイに種を撒き、育った苗を畑に植えて、およそ40日~90日で収穫となります。
レタスはデリケートな植物で、特に畑に根が張るまでの期間は非常に弱く、天候に左右されやす
いのです。レタスには丸い形をした「玉レタス」と、丸くならない「葉レタス」があります。
また、さまざまな改良が行われ、たくさんの品種が出回っています。
2.レタスの栄養素
全体の約95%が水分ですが、ビタミンC、E、カロテン、カリウム、カルシウム、食物繊維などをバラ
ンスよく含みます。レタスはサラダなどでそのまま食べられますので、栄養分を損なうことなく摂取
することができます。
新鮮なレタスの茎の部分をカットしてみると乳白色の液体が出てきます。この液体はサポニン様物質
というもので、食欲を増進し肝臓や腎臓の働きを高めます。サポニンに含まれるラクツカリウムには、
鎮静・催眠効果があると言われイライラを鎮め、リラックス効果を高めるので、ストレスがたまって
いる人におすすめです。
3.選び方のポイント、調理のコツ、保存方法
①レタスの選び方
直売所やスーパー等でレタスを購入する際に、ぜひ知っておきたい、おいしいレタスの選び方は
「ある程度重みのあるもので、切り口が大きすぎないものが良い。切り口の大きさの目安は100円玉
くらいですね。」とレタス農家の方の言葉です。
②調理のポイント
レタスは鉄の包丁で切ると切り口が茶色くなり苦味も強くなるので、変色を防ぐには必ず手でちぎ
って使いましょう。手でちぎると断面が粗くなり、ドレッシングが絡みやすくなります。そして、
切った後、しばらく冷水につけます。水気を切って冷蔵庫に入れておくと、しゃきっとした食感で
見た目もよくなります。また水気をしっかりと切ることで、ドレッシングが絡みやすくなります。
更に、レタスはカルシウムを多く含みます。油とともに食べることでカロテンやビタミンEの吸収
率がアップするので、加熱調理もおすすめです。しんなりしてかさが減ることで、食物繊維もた
っぷり摂れます。
4.保存方法
レタスは全体を洗うと中から腐りやすいので、外側から葉をはがして使います。保存するときは
乾燥を防ぐために、ラップで包むかビニール袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存します。
広大な畑で育ったレタスは、品質・おいしさ・新鮮さともに満点。甘くて、みずみずしく、歯ざわ
りが良いと好評です。欧米では、サラダなど生食での利用が多いが、中国では加熱調理が多く、
沖縄でも味噌汁の具材として使われることもあるそうだ。
生食のサラダも美味しいが、加熱することによって独特の苦味が弱まると共に旨味が増すらしい。
加熱しすぎると溶けてしまうため、サッと火を通して、独特のシャキシャキ感を味わうのがレタス
通だ。坂東市では玉レタス以外にも、葉レタス類も栽培されています。
新鮮なレタスをほうばるときのパリパリッとした食感は、どんな野菜にも勝るとも劣らない、おい
しい音を供してくれます。是非、坂東市のレタスを食卓へ!