すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

告別式

2009-12-02 16:19:46 | ひとりごと
 今日、友人のお父様の告別式に行ってきた。昨夜は数人でお通夜にも。去年、同級生のお父様が急逝されて、一緒にお通夜に行って、
 「落ち着いたらまた、飲みに行こうね」
と話していたら、うちの父が・・・。そして、今年は・・・。
 同級生の親を順番に見送っている。そういう年齢ではある。
 彼のお父様は寝たきりになって10年以上になる。ここ数カ月は入院していたが、ずっと在宅介護だった。ヘルパーやショートステイ、訪問入浴など上手にサービスを活用しながら、お母様はいつでも溌剌と介護されていた。きっと大変なご苦労もあったことだろう。
 かけつけた彼は最後にお父様の好きだったお酒を飲ませてあげたという。お父様は嚥下に問題があって、ずっと経管栄養だった。
 「おらあ、最期に酒飲ませてやった」
そう明るく話していた。
 今日参列していて、その話を詳しく話すおじさまがいて、聞くともなしに聞いていた。
 「最期にのう、医者もかんまん言うけん、酒飲ませたんじゃ。それまで意識なかったのに、あいつがおやじ!酒いるか?って言うたら、口開けての。口に入れてやったら、ぱくぱくって口動かしたんじゃ。」
・・・。危うく涙がこぼれるところだった。何て親孝行だろう。
 父の時、私にも父の最期の声が聞けたはずなのに、我儘にも「行かないで、戻ってきて」ばかりをお願いしていた。
 何度聞いても、霊柩車のクラクションと、未練を断ち切る茶碗を割る音は胸に突き刺さって悲しい。
 ご冥福をお祈りします。合掌。
コメント (2)
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