すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

王様の耳2

2018-01-30 23:11:52 | じいとんばあ
 以前、まだ介護士をしていた頃作った詩が、少しニュアンスも違うし、状況も違うけれど、今しっくりくる。

 王様の耳(バックナンバー)

 
 毎日毎日 自分に言い聞かせる
 優しくあろう 穏やかであろう
 だけど
 心に溜まった澱が 体の節々に溜まってくる
 膝が痛い 肩が重い 指が動かない
 毒が体に回って 心が悲鳴を上げる

 王様の耳はロバの耳
 王様の耳はロバの耳
 河原に掘った大きな穴に 心の中の毒を吐いたら
 少しは楽になれるだろうか
 この世の中の ありとあらゆる悪口雑言を
 地中深く 叫びたい

 王様の耳はロバの耳
 王様の耳はロバの耳
 だけど 
 アシのささやきが風に乗って
 私の毒をまき散らしたら
 たぶん誰よりも
 自分自身が嫌いになる

 どうすればいいの
 どうすれば 人も自分も救われるの

 答えが見つからない
 見つからないから 又毒を溜める
 そして 喉を突き上げる

 毒を吐かなきゃ
 やっぱり毒を吐かなきゃ
 小さな小さな穴を掘って
 小さな小さな毒を
 少しずつ少しずつ吐いてみる

 慌てて穴に土をかぶせて
 あたりを伺うと
 他にもいくつか 土の山

 ああ そうなんだ
 みんな毒を持っている
 みんな悩みながら 戦ってるんだ

 “怒りは未熟者のわがままさ”
 そう書いた墓標を
 土の山に深く差し込む


*今の私もあがいている。色んな事に悩んで、イラついて、そしてやっぱり当時から成長もなく、同じように怒りをもてあましている。
 正論でも、相手にきちんと届かなければ何にもならない。もう、それを冷静に伝えるべき立場。そう言われればその通りだ。しかし、しかし。まだまだ私の中に毒が溜まる。
 見失っているのはモチベーションだけだろうか。

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コメント (2)
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