すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

かまって欲しい小鹿ちゃん

2019-05-26 09:54:55 | うちのキヨちゃん
 先日キヨちゃんの甥から電話があった様子。どうやらキヨちゃんの姉が検査をするらしい。もしかしたら乳癌かもしれない・・・と言うような内容だろうと、キヨちゃんの話しぶりから窺えた。
 「もう、姉さんも90も過ぎとるし、もし手術って言うても・・・。まあ、ほりゃあ、本人や家族が決めることじゃけんど・・・。」
 おそらく、もし癌であったとして高齢だし、手術は勧めたくないキヨちゃんだが、本人や家族の思いもあるし…と言うような内容だと感じた。
 しかし、その後の流れで、
 「うちもなあ、『もう絶対に手術はしません。』ってこの前先生にはっきり言うたんよ。」
と言っているではないか。
 キヨちゃんは進行性の病気だが、現時点で再手術の話は出ていない。と言うより、確かに進行はしているが、執刀医の見解としては予想していたよりは緩やかに進んでおり大丈夫・・・と聞いている。
 電話の後、キヨちゃんは乳がんと決めつけていたので、
 「まだ検査しないと分からんのだから、今から心配しても始まらない。母ちゃんが心配してもどうにもならない。」
と伝えたが、それからずっとブルーである。
 昨日、キヨちゃんでは話が見えないので従兄に電話。週明けに組織検査をしてみないと分からないが、癌の可能性は高そうだった。治療についてもよく相談すると言っていた。
 その電話で、
 「ほれと、うちの母さんが手術云々って言ってたようだけど、そんな話はないから。」
と伝えると従兄はびっくりしていた。
 「え?もう歩けなくなった。動けない、どこにも行けないって言うから、家から出ない生活をしているのかと思ったけど、大丈夫なの?」
・・・・・。
 「うん、今日も人を雇ってはいるけど、畑に行って玉ねぎも収穫しているから大丈夫。」
 「・・・・え?畑に行ってるの?」
 「うん。確かに歩きっぷりは悪くなってるけど、大丈夫。」

 なんだろうな・・・。お年寄りあるある。良い事も悪い事も競ってしまう。伯母の事を心配しているのは本心だが、何で自分まで負けない「病人」になろうとするかな?
 するとくりりんが、
 「お母さんは、かまって欲しい小鹿ちゃんだからね。」
と笑った。
 めんどい小鹿ちゃんである。

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コメント (4)
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