静かで怖い夢。

　夕べ夢を見た。
　いつも通りフルカラーだ。けれど、登場人物は私一人。ただ一人きり。
　小さな狭い部屋で、机の前で正座してテレビを傍観している。でも、もう放送はないようだ。何故なら、今日が地球最後の日だから。
　いつその事実を知ったのだろう。原因も分からない。ただXデーが今日ということだけは知っている。
　何故一人なんだろう。くりりんもいない。キヨちゃんもいない。りゅうですらいない。
　でも、取り乱すわけでもない。ただあきらめの境地でいるだけだが、静かに静かに恐怖心だけはある。
　目の前に睡眠薬。どんな最後なのか分からないが、地球が無くなるということは、すなわち人類も最期ということ。それを平然と待てるほど強くはなく、これを飲んで寝ている間に逝けたらいいな・・・と考える。
　そのくせ、致死量を飲む勇気はない。どこかで、目が覚めたら悪い冗談だったりして・・・と思っていて、だから、沢山は怖くて飲めない。
　そっとそっと、ほんの２～３粒、薬を口に運んだ・・・。

　目が覚めて、久しぶりに心臓がバクバクした。


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