すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

キヨちゃんの里帰り 2日目。

2023-04-28 11:19:05 | うちのキヨちゃん
 二日目。朝食はホテルのモーニングバイキング。元々キヨちゃんは食が細いので、パンとスープがいつものメニューだ。残念ながら味噌汁しかなかったが、味噌汁とパン、少し野菜とソーセージを持っていくと食べることが出来た。
 ホテルを出て鹿児島へ向かう。出かける前、キヨちゃんが、
 「一旦家に帰ったから鹿児島行く?」
と聞いたので、朝からずっこけた。さらに、そんな無駄は出来ないと笑うと、
 「母ちゃん、今どこにおるん?」
と聞いた(笑)。
 途中従兄から、
 「サービスエリアで食事するなら、宮原がいいよ。」
と電話があったので、休憩しながらそこを目指して食事はそこでと話し合った。
 しかし、途中鹿児島の親戚(法事で尋ねる家)から電話。
 「お昼、少し遅くなるけどおばちゃんが喜びそうな所に行こうと思ってるから、食べずに来て。」
と言ってくれた。
 なので、サービスエリアでは休憩だけにしたのだが、尋ねる家へのお土産を買うことにした。
 ところが、そこでキヨちゃんは6軒分のお土産を買うと言い出した。それは8年前にその親戚の方に走り回ってもらって、幼馴染などを訪ねた経緯があるのだが、その友達を訪ねると言って聞かない。
 キヨちゃんは92歳。キヨちゃんだって元気とは言え、8年前とはかなり様子が違う。8年前に会って以来付き合いがあったわけでもなく、その方たちが今どうしているか、果たしてお元気かどうかも分からない。なので、説得して買わないようにしたのだが、しばらくイヤイヤをして店員さんが所在なくされていた。
 それでも、鹿児島について親戚に会うとすぐご機嫌は治った。そして、その方の案内で行ったのは「曾木の滝」という場所である。

     

     

 キヨちゃんは歓声を上げ大喜び。懐かしい懐かしいと連呼していた。車いすではキツイ勾配の場所もあったが、くりりんと交代で移動介助した。
 それからキヨちゃんの親たちの墓参りをして、お姉さんたちの墓参りも出来た。その方の家で少し過ごしてから旅館「山水」へ。
 実は連泊できるように探してくれていたのだが、たまたまスポーツイベントがあり、どこもかしこも満杯で、2月の時点でも取れなかったのである。なので、宿は違う場所に盗ってくれた。
 その夜の食事はとても美味しかった。

     

 この日は3人同じ部屋に布団を並べて眠った。浴衣のサイズが大きかったので子供用が無いか聞いてみたが生憎なく、くりりんとコンビニでハーフパンツを買ってきた。キヨちゃんはTシャツとそれをパジャマにしてもらう。
 温泉はとても気持ちのいい泉質だった。露天風呂もあったようだが、結局入らず。キヨちゃんをお風呂に入れて、シャンプーや洗身をして湯船につかってもらっている間に自分の事を始めると、温まる時間は無い。私が入る頃にはキヨちゃんは出たいタイミングで、身体を拭いたり着替えを手伝い部屋に連れて行ってから・・・になるので、私は朝もう一度温まりに行った。
 そうそう、8年でキヨちゃんの知っている景色そのものも随分変わってしまっていた。そして、8年前に会った人たちは亡くなったり施設に入ったり、そもそもどうされているか分からない方もいると分かった。
 懐かしかったり切なかったり、時の流れは時に残酷である。

*4/27~30福岡~鹿児島を旅行。リアルタイムでアップできなかったので、日をさかのぼって記載しています。


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コメント (2)
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