急激に状態が悪化していた小太郎君。いつどうなってもおかしくないから、一昨日の夜から私は母屋の炬燵で横になって、時々様子を見に行っていた。繰り返し鳴いて呼ぶ時も心配だったが、鳴かなくなるとそれはそれで心配だった。
昨夜は本当に山だろうなと思う状態だったので、何度も様子を見に行った。一度立たない足で無理に歩こうとして、小屋と壁の間で座り込んでしまっていた。布団まで運んでも、立たない足を踏ん張って横になることを拒否した。それでも立っていられるわけでもないので、お座りの形から横倒しにしたり、足を押さえて横にさせた。
もう、ペットシーツを破る状態ではないので、布団の上にペットシーツを敷いて排泄に備えた。夜中にさすっていると、急にはねるように身体を起こそうとした。見ると多量のタール便。痛いのは分かっているが、そのままでは余計肌も荒れるので、ペットボトルにぬるま湯を入れて、シーツの上で洗い流してオロナインを塗った。
食事を受け付けなくなっていたが、昨日からは水も飲まなくなっていた。それでも口を動かすので、喉が渇いているのか嘔気があるのか判断できず、シリンジでほんの少し水を流し込むと二口ほど飲んだ。しかし、数時間後に同じようになった時は、流し込んだ一口の水に反応して、多量に胃液を吐いた。
白内障でほとんど見えなくなっていた眼も、毎日目やにを取ったり目薬を差すことでずいぶんきれいになっていたが、それも乾いてきてしまっていた。時々痙攣も起こす。もう、いつ息が止まってもおかしくないなと思い、ついウトウトすると慌てて様子を見に行った。
今朝、小太郎君のそばで新聞配達の音を聞いた。夜明けが近いのだなと思うと、引き潮の波に乗り損ねたのかな?と小太郎君に声をかけた。
「もう頑張らんでもええよ。おじさん待っても当分会えんよ。でも、逝く時は大事にしてもろうたんじゃけん、おじさんの悪い物も、おばさんの悪い物も持って行ってあげないかんで。」
朝、入院したおじさんに荷物を届けるために戻ると聞いていたお姉ちゃんに状態を伝えた。忙しい中だが、お昼前に立ち寄ってくれる。すでに小太郎君は痙攣が続いている状態だったが、お姉ちゃんを待ちかねたように数分後に息を引き取った。
おじさんにはしばらく内緒にすることになった。大きな病院に入院して状態が顔色も見違えるように良くなり、話し方もしっかりしてきたと言うので、今はショックを与えたくない。
病院の後待ち合わせて、小太郎君をペット霊園に連れて行って荼毘に付した。リュウの時もお腹から頭の中まで病巣が広がって焼け残っていたが、小太郎君もさらにひどい状態だった。睾丸から腹部にかけて酷く腫れていたので、そこに悪い物があるだろうとは思っていたが、そこの病巣は思ったほどではなく酷かったのは頭で、リュウの何倍も大きく、頭蓋骨の中はすべてガンだったのかと思うほどの塊だった。
こんな状態でよく頑張ったと思う。夜鳴きしたり徘徊状態の行動もあったが、家へ来てから散歩も出来ていたし、食事もしっかり食べていた。おやつを催促もしていた。何より、子供の頃から膝に来るほど甘えん坊だったのに、どんなに懐いていた「すずちゃん」でも、家族では無いから最後まで手を舐めたりはしなかった。それは「我が家」にいてゲストの私に甘えていた頃と違い、うちに「居候」している限り、家族と他人の区別はしたかった小太郎君なりの矜持だったのではと思う。
丸二日あまり寝ていない。しかし、明日から早起きする必要が無くなったことに寂しさがある。小太郎君、良い所に行ってね。
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昨夜は本当に山だろうなと思う状態だったので、何度も様子を見に行った。一度立たない足で無理に歩こうとして、小屋と壁の間で座り込んでしまっていた。布団まで運んでも、立たない足を踏ん張って横になることを拒否した。それでも立っていられるわけでもないので、お座りの形から横倒しにしたり、足を押さえて横にさせた。
もう、ペットシーツを破る状態ではないので、布団の上にペットシーツを敷いて排泄に備えた。夜中にさすっていると、急にはねるように身体を起こそうとした。見ると多量のタール便。痛いのは分かっているが、そのままでは余計肌も荒れるので、ペットボトルにぬるま湯を入れて、シーツの上で洗い流してオロナインを塗った。
食事を受け付けなくなっていたが、昨日からは水も飲まなくなっていた。それでも口を動かすので、喉が渇いているのか嘔気があるのか判断できず、シリンジでほんの少し水を流し込むと二口ほど飲んだ。しかし、数時間後に同じようになった時は、流し込んだ一口の水に反応して、多量に胃液を吐いた。
白内障でほとんど見えなくなっていた眼も、毎日目やにを取ったり目薬を差すことでずいぶんきれいになっていたが、それも乾いてきてしまっていた。時々痙攣も起こす。もう、いつ息が止まってもおかしくないなと思い、ついウトウトすると慌てて様子を見に行った。
今朝、小太郎君のそばで新聞配達の音を聞いた。夜明けが近いのだなと思うと、引き潮の波に乗り損ねたのかな?と小太郎君に声をかけた。
「もう頑張らんでもええよ。おじさん待っても当分会えんよ。でも、逝く時は大事にしてもろうたんじゃけん、おじさんの悪い物も、おばさんの悪い物も持って行ってあげないかんで。」
朝、入院したおじさんに荷物を届けるために戻ると聞いていたお姉ちゃんに状態を伝えた。忙しい中だが、お昼前に立ち寄ってくれる。すでに小太郎君は痙攣が続いている状態だったが、お姉ちゃんを待ちかねたように数分後に息を引き取った。
おじさんにはしばらく内緒にすることになった。大きな病院に入院して状態が顔色も見違えるように良くなり、話し方もしっかりしてきたと言うので、今はショックを与えたくない。
病院の後待ち合わせて、小太郎君をペット霊園に連れて行って荼毘に付した。リュウの時もお腹から頭の中まで病巣が広がって焼け残っていたが、小太郎君もさらにひどい状態だった。睾丸から腹部にかけて酷く腫れていたので、そこに悪い物があるだろうとは思っていたが、そこの病巣は思ったほどではなく酷かったのは頭で、リュウの何倍も大きく、頭蓋骨の中はすべてガンだったのかと思うほどの塊だった。
こんな状態でよく頑張ったと思う。夜鳴きしたり徘徊状態の行動もあったが、家へ来てから散歩も出来ていたし、食事もしっかり食べていた。おやつを催促もしていた。何より、子供の頃から膝に来るほど甘えん坊だったのに、どんなに懐いていた「すずちゃん」でも、家族では無いから最後まで手を舐めたりはしなかった。それは「我が家」にいてゲストの私に甘えていた頃と違い、うちに「居候」している限り、家族と他人の区別はしたかった小太郎君なりの矜持だったのではと思う。
丸二日あまり寝ていない。しかし、明日から早起きする必要が無くなったことに寂しさがある。小太郎君、良い所に行ってね。
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お花畑を走り回っていたらいいな。
これから寒くなるけど、虹の橋の向こうはきっとポカポカだよ。
すずしろさん、お疲れさまでした。