すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

情けは人のためならず

2009-12-15 20:13:21 | うちのキヨちゃん
 今日私は午後から着付けと整体の予定だった。朝のうちに色々頑張るつもりだったが、どういうわけか夕べは私自身も寝苦しかったが、くろべえがそうだったようで一晩中屋外へ出たり、入ったりを5回は繰り返し、その都度鳴いたり障子を叩いたりでほとんど寝てなかった。しかもキヨちゃんも何故だか眠れなかったらしい。
 ぼんやりしながら、ピンクのためにかぼちゃのポタージュを作った。例の長いかぼちゃはレンジでチンしただけでも甘くておいしい。りんごと一緒に甘く煮たものも持っていった。
 ピンクは行った時点では少し元気がなくあまり朝食も食べなかったという。スープを差し出しても、ううんと首を振った。それでもしばらく時間がたつと気が向いたのか、少しずつ食べてくれた。
 今日は父の月命日だったので、早めに家を出てキヨちゃんと墓参りに。それからキヨちゃんは買い物、私は着付けに行った。着付けが終わるころ携帯が鳴った。それはピンクの孫からだった。
 「お母さん買い物終わって帰ってきとるけん。」
この時点で姉ちゃんからの電話で報告という違和感にも、私はぴんと来なかった。
 「お母さん鍵を持ってなかったけん。家に入れんでうちまで来たんよ。コタツに入れて暖めてるから。」
 うっかりしてた。いつも二人で出かけるので鍵のことを確認するのを忘れていた。いつも分かれて行動するときはお互いに鍵を持つし、お互いに確認するのだがふたりともうっかりしていたのだ。
 整体まで少し時間があったので、車を飛ばせばキヨちゃんを迎えに行ってとんぼ返りで整体に行けると思ったのだが
 「事故してもいかんし、ご飯も食べてもらうように準備しよるけん、すませておいで。」
と親切に言ってくれるので甘えることにした。
 整体を終えて、急いで戻る。それにしても少し気になるフレーズがあった。
 「コタツに入れて暖めよるけん。」
・・・。猫じゃなし、遭難者かい・・・と一人突っ込みを入れていた。
 その理由が分かったのはキヨちゃんを無事「保護」してからである。ありがたいことにお姉ちゃんはキヨちゃんに寿司まで作って食べさせてくれていた。ピンクに持っていったスープの器に「入れ実」としてお返しのお寿司も入っていた。
 キヨちゃんの話はこうだった。
 「もんてきてな、ありゃ~鍵がないって気がついてな。あちこち探したけど開いとるところないし、中でリュウが吠えよったけん、リュウ!鍵開けてくれ~って言うたけどできんし。あいつは使えん奴じゃ。しばらくリュウ呼んでドア叩いた。トイレの窓から入ったことが前にあったけん、ほうじゃ思うて行ってみたけどトイレもしまっとるし。しばらく縁側に座っとったけど、お前が帰るまでには真っ暗になるやろうし、寒うなってきてばあやん家(く)に行ったんよ。」
 それで「コタツで暖めた」わけだ。しかし、トイレの窓の話は初耳だ。いつそんなことがあったのだ。背は小さいが小太りのキヨちゃんが入れたとは思えないが。そしてリュウにしてみれば、お母さんの声がするのに入ってこないので、心細かったろう。切羽詰った感じは伝わったろうし。
 情けは人のためならず。親切が身にしみた。このお返しはまたちゃんとしよう。


2009/12/15の記事

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師走なんだもん

2009-12-14 21:22:28 | ひとりごと
 先日ようやく冷蔵庫の中と換気扇周りの掃除ができた。今日キヨちゃんは台所のシンク周りを掃除したらしい。
 リュウとくろべえのお陰で、居間や私の部屋は毎日掃除しても毛だらけだ。このいたちごっこだけで、師走は終わるんじゃないかと心配になる。
 本当はクリスマスのリースも作りたかったが、肩こりがひどくてする気にならない。仕事もなんとなく忙しくて気がせく。いやだなあ・・・。
 飲みに行きたい・・・。カラオケに行きたい・・・。おいしいもの食べたい!・・・でも、その前にやっぱり大掃除しなきゃなんだろうなあ・・・。
 明日はタイヤをスタットレスに交換する。18日は雪らしいから。それから着付け。夕方やっとメンテナンス(整体)だ。ああ、リュウはいつお風呂に入れようか?やはり気がせく。そして、こんな時は決まってプライベートな時間でも、仕事が気になったりする。
 みなさんはどんな師走ですか?ああああああ!年賀状まだだ~~~~。

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ご先祖様の場所

2009-12-12 23:16:43 | ひとりごと
 それは親戚からの電話で始まった。
 「あのなあ、今まで全然気がつかなかったのだけど、お位牌を整理していたら、要蔵さんって位牌が出てきたん。要蔵さんが誰かわからんけん、お墓に見に行ったら、藤吉さんの親らしくて。」
 電話はうちの分家からである。藤吉さんというのが、私の曽祖父にあたる。曽祖父は会ったことはないが、話には聞いている。しかしその親となると全く知らない。
 「うちにはな、亡くなった主人とその両親。後は主人の兄弟の位牌しかないん。それやのに、要蔵さんだけあってな、そのおくさんの初さんのお位牌はないんよ。もし夫婦別れになっとったらいかんかもしれんと思うて。」
 私も今まで気にしてなかったのだが、あわてて確認する。すると、うちには初さんの位牌があり、しかも要蔵さんの位牌まであった。つまり要蔵さんだけふたつあるのだ。
 これはどうしたものか分からずに、今日ご住職に相談に行った。何分古い話すぎて、ご住職も想像の域を出ないのだが、時々先祖供養をすべき家長以外の子供から、供養をしたいからと位牌だけ作ることがあるという。おそらくそういうことなのだろう。だからこのまま、お互いの家でお祭りしても差しつかえないとのことだった。ただし、あくまでも先祖供養をするのは我が家の役目である。
 ところが、うちの墓を作るとき、祖父母しか入れなかった。曽祖父が神道で仏と一緒にするわけにいかなかったのか、そのあたりは父が亡くなっているので分からない。うちとしては、お位牌もあるので、ついご先祖はみんなうちにいるつもりで手を合わせていた。しかし、墓にはいないのは明らかで、本来ならこの親戚がしてくれている墓守を私たちがするのが当たり前である。
 帰ってキヨちゃんにも話し、これからはそちらの墓のことも気にしていかなければならないと思った。まあ、墓寄せをすることも今更であるし、動かすことが必ずしもいいことではないとご住職も話す。おそらく自分の子供たちに囲まれた今の墓のほうがご先祖もうれしいかもしれない。
 「ばあやんがなあ、いじめられたけん、どんな小さい墓でもすみっこでもええけん、うえのじいさんばあさん(舅たち)とは一緒の墓にいれてくれるな・・・って遺言だったけんなあ」
 後からキヨちゃんがこう付け加えた。う~ん、いろいろあるなあ。お位牌は一緒に入ってるけど、ばあちゃん怒ってるかなあ・・・。
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バージョンアップ

2009-12-12 22:46:20 | ひとりごと
今パソコンのバージョンアップをしています。済み次第アップします。
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捨てるもの、捨てないもの

2009-12-10 20:22:55 | うちのキヨちゃん
 うちのキヨちゃんは物持ちがいい。もったいない党党首だから仕方はないのだが、何でも大事にすればいいわけではない。
 キヨちゃんには下着やパジャマ、靴下などいつも私や父が買っていた。それがキヨちゃんの自慢であったが、買わなければいつまでもボロを着るから買うのである。しかも、買ったものをしまいこんで、またボロを着るからお手上げだ。
 例えば私が仕事で使い古して500円玉ほどの穴が開いた靴下を、ごみ箱に捨てていたとする。それが次の日にはキヨちゃんの靴下になっているのだ。
 「ほなって、長靴の中なら分からんし、山にはボロで十分じゃけん。」
 それはまだもったいないで通るが、
 「おでんしたけど、買っておいたからしみそがない。」
と去年の冬のものを探すのは止めて欲しい。当然賞味期限などとっくに切れているから、私が処分している。大体が、滅多に使わないものは少量買えばいいのだが、ないと不安なのかマヨネーズなどのストックも多い。これの方が無駄だと思うのだ。一度わさびをマヨネーズサイズで買ってきたことがある。最近は刺身にも小さいわさびがついているし、まず、普段は使わない。
 捨てるものは捨てないキヨちゃんであるが、思いがけないものを捨てることがある。大体はわたしの物で使い道が分からないものは、うっかり捨てられるので注意が必要だ。
 キヨちゃんは畑仕事が得意で、今年も白菜やキャベツなど豊富である。ブロッコリーもすごい勢いで、高さが1メートル以上もありその中にたくさんのブロッコリーがついた。丸い種類とスティック状のものを植えていたのだが、どちらも大収穫だった。
 ところがキヨちゃんは小さいからか見つけられず、全く収穫しなかった。私が気付いて毎日収穫したが、後半は追いつかず花が咲いた。
 ゆであがったブロッコリーを
 「おいしいなあ、あまいなあ」
と食べていたキヨちゃんが、感心したようにこう言った。
 「よう、見つけたなあ。母ちゃんや、ひとっつもならんけん、切って放ろうかと思いよった。」
・・・・。危うしブロッコリー。見つけて良かった。

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出来るのかなあ・・・大掃除

2009-12-07 17:25:58 | ひとりごと
 昨日今日と連休だった。だから、少しは大掃除に取りかかろうと思っていたのだが、全く手付かずだ。
 昨日は午前中に普通の掃除をした後、ピンクを訪ねた。取り寄せたコンフィチュールのイチジクのワイン煮があんまり美味しかったので、ピンクにも「なめさせて」あげたかったのだ。パンケーキにつけてキヨちゃんといただいたが、甘さ控えめでそのまま食べても美味しい。ピンクも喜んで食べてくれた。ちょうど近所のおばちゃんもいて、姉ちゃんやおばちゃんも味見した。
 午後は着付け。何とか基本は身体が覚えている。お正月は着られそうだ。
 今日は午前中にケアマネの免許更新のための写真や収入証紙・切手などを用意しに行った。午後こそはやるぞ・・・と思いつつ、ちょこっと片づけただけで軽い頭痛に横になると、うたた寝してしまった。
 だめだなあ・・・。こんな調子では全く出来そうにない。今週は「監査」で忙しい。監査が終わった翌日に、メンテナンス(整体)の予定しているので、それから頑張ろう。今もこの頭痛は肩こりなのだ。
 今夜はしょうがのコンフィチュールで紅茶を入れよう・・・。
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グランプリファイナルとオレンジケーキ

2009-12-05 21:43:19 | ひとりごと
 フィギュアスケートグランプリファイナルが終わった。昨日のショートプログラムでは、高橋大輔くん、織田信成くんの白熱した演技に感動した。今日男子は残念ながら気負いすぎたのか、どの選手にもミスがあった。それでも、やはり強豪ぞろいで見ていてとても楽しかった。結果は織田君2位、高橋君5位。
 女子もミスがあり、特にレオノワ選手は大泣きするほどで見ている方も悲しくなった。やはり最高の演技で競ってほしい。そんな中で、鈴木明子さんは前日の5位からの巻き返しで3位と健闘した。出来も見ていて溌剌としていて、彼女らしい素敵な演技だった。安藤美姫さんは無難にいい出来だったと思ったが、キム・ヨナ選手に一歩及ばなかった。
 しかし、これで織田くん、美姫ちゃんの五輪代表は内定した。後二枠ずつをクリスマスの全日本選手権で争う。見ごたえがあって楽しみだが、いい選手がたくさんいるので、みんな選んでほしいくらいだ。誰かが落ちるわけで、そう思うとすごく残念である。
 さて、白熱した試合を見ながらキヨちゃんと今日はオレンジケーキをいただいた。先日お取り寄せしたひとつだ。
 シューロールも美味しかったが、私の好みはこちらが好きだ。特に上に乗っているオレンジの香りと味がとてもいい。厚めに切って食べたけれど、もう一切れ欲しいのをぐぐぐっと我慢した。オレンジだけでも売ってほしいなあ・・・。



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スイーツお取り寄せ

2009-12-03 21:17:18 | ひとりごと
 前にも紹介した幼馴染のケーキ屋さん、モンガトウ。近ければクリスマスケーキを頼みたいところだが、大阪なので残念ながら頼めない。そこで、今年は焼き菓子とコンフィチュールをお取り寄せした。
 焼き菓子はシューロールケーキ(要冷蔵で1週間)とオレンジケーキ(常温2週間)。コンフィチュール(常温3カ月・開封後要冷蔵1週間)は4種類頼んだ。そしてお使い物にも同じものを贈った。
 ケーキは幼馴染のT君の作品で、コンフィチュールは奥さんが作っているようだ。焼き菓子もどれにしようか少し悩んだが、コンフィチュールはとても種類が多く、しかもどれも気になるので選ぶのに苦労した。
 一度に紹介したいのだが、食べてみての感想を書きたいので順にアップする予定。
 今日紹介するのはシューロール。全体像を撮る前に切り分けてしまった上に、同系色の皿にしてしまって写りがもうひとつである。(ホームページで見てね)
 さっそくキヨちゃんといただいた。甘さ控えめでシュー生地のアーモンドがアクセントになっている。イメージしていたロールケーキのふんわりした感じはなく、しっとりしていて重量感がある。濃い目のコーヒーでいただくのが私のお勧め。
 「何とも言えない、す~っとする美味しさがあるなあ。あんまり甘うないけん、ええわあ!母ちゃんからもT君に美味しかったって言うといてよ。」
とキヨちゃんも大喜びだった。
 「ばあやん(ピンク)にも、一切れ持って行ってあげたいなあ。」
 キヨちゃんはどこまでも優しい。
 「しかし、美味しい‘カステラ’じゃあ・・・。」
そしてどこまでも天然である。
 
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告別式

2009-12-02 16:19:46 | ひとりごと
 今日、友人のお父様の告別式に行ってきた。昨夜は数人でお通夜にも。去年、同級生のお父様が急逝されて、一緒にお通夜に行って、
 「落ち着いたらまた、飲みに行こうね」
と話していたら、うちの父が・・・。そして、今年は・・・。
 同級生の親を順番に見送っている。そういう年齢ではある。
 彼のお父様は寝たきりになって10年以上になる。ここ数カ月は入院していたが、ずっと在宅介護だった。ヘルパーやショートステイ、訪問入浴など上手にサービスを活用しながら、お母様はいつでも溌剌と介護されていた。きっと大変なご苦労もあったことだろう。
 かけつけた彼は最後にお父様の好きだったお酒を飲ませてあげたという。お父様は嚥下に問題があって、ずっと経管栄養だった。
 「おらあ、最期に酒飲ませてやった」
そう明るく話していた。
 今日参列していて、その話を詳しく話すおじさまがいて、聞くともなしに聞いていた。
 「最期にのう、医者もかんまん言うけん、酒飲ませたんじゃ。それまで意識なかったのに、あいつがおやじ!酒いるか?って言うたら、口開けての。口に入れてやったら、ぱくぱくって口動かしたんじゃ。」
・・・。危うく涙がこぼれるところだった。何て親孝行だろう。
 父の時、私にも父の最期の声が聞けたはずなのに、我儘にも「行かないで、戻ってきて」ばかりをお願いしていた。
 何度聞いても、霊柩車のクラクションと、未練を断ち切る茶碗を割る音は胸に突き刺さって悲しい。
 ご冥福をお祈りします。合掌。
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