今日私は午後から着付けと整体の予定だった。朝のうちに色々頑張るつもりだったが、どういうわけか夕べは私自身も寝苦しかったが、くろべえがそうだったようで一晩中屋外へ出たり、入ったりを5回は繰り返し、その都度鳴いたり障子を叩いたりでほとんど寝てなかった。しかもキヨちゃんも何故だか眠れなかったらしい。
ぼんやりしながら、ピンクのためにかぼちゃのポタージュを作った。例の長いかぼちゃはレンジでチンしただけでも甘くておいしい。りんごと一緒に甘く煮たものも持っていった。
ピンクは行った時点では少し元気がなくあまり朝食も食べなかったという。スープを差し出しても、ううんと首を振った。それでもしばらく時間がたつと気が向いたのか、少しずつ食べてくれた。
今日は父の月命日だったので、早めに家を出てキヨちゃんと墓参りに。それからキヨちゃんは買い物、私は着付けに行った。着付けが終わるころ携帯が鳴った。それはピンクの孫からだった。
「お母さん買い物終わって帰ってきとるけん。」
この時点で姉ちゃんからの電話で報告という違和感にも、私はぴんと来なかった。
「お母さん鍵を持ってなかったけん。家に入れんでうちまで来たんよ。コタツに入れて暖めてるから。」
うっかりしてた。いつも二人で出かけるので鍵のことを確認するのを忘れていた。いつも分かれて行動するときはお互いに鍵を持つし、お互いに確認するのだがふたりともうっかりしていたのだ。
整体まで少し時間があったので、車を飛ばせばキヨちゃんを迎えに行ってとんぼ返りで整体に行けると思ったのだが
「事故してもいかんし、ご飯も食べてもらうように準備しよるけん、すませておいで。」
と親切に言ってくれるので甘えることにした。
整体を終えて、急いで戻る。それにしても少し気になるフレーズがあった。
「コタツに入れて暖めよるけん。」
・・・。猫じゃなし、遭難者かい・・・と一人突っ込みを入れていた。
その理由が分かったのはキヨちゃんを無事「保護」してからである。ありがたいことにお姉ちゃんはキヨちゃんに寿司まで作って食べさせてくれていた。ピンクに持っていったスープの器に「入れ実」としてお返しのお寿司も入っていた。
キヨちゃんの話はこうだった。
「もんてきてな、ありゃ~鍵がないって気がついてな。あちこち探したけど開いとるところないし、中でリュウが吠えよったけん、リュウ!鍵開けてくれ~って言うたけどできんし。あいつは使えん奴じゃ。しばらくリュウ呼んでドア叩いた。トイレの窓から入ったことが前にあったけん、ほうじゃ思うて行ってみたけどトイレもしまっとるし。しばらく縁側に座っとったけど、お前が帰るまでには真っ暗になるやろうし、寒うなってきてばあやん家(く)に行ったんよ。」
それで「コタツで暖めた」わけだ。しかし、トイレの窓の話は初耳だ。いつそんなことがあったのだ。背は小さいが小太りのキヨちゃんが入れたとは思えないが。そしてリュウにしてみれば、お母さんの声がするのに入ってこないので、心細かったろう。切羽詰った感じは伝わったろうし。
情けは人のためならず。親切が身にしみた。このお返しはまたちゃんとしよう。
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2009/12/15の記事
ぼんやりしながら、ピンクのためにかぼちゃのポタージュを作った。例の長いかぼちゃはレンジでチンしただけでも甘くておいしい。りんごと一緒に甘く煮たものも持っていった。
ピンクは行った時点では少し元気がなくあまり朝食も食べなかったという。スープを差し出しても、ううんと首を振った。それでもしばらく時間がたつと気が向いたのか、少しずつ食べてくれた。
今日は父の月命日だったので、早めに家を出てキヨちゃんと墓参りに。それからキヨちゃんは買い物、私は着付けに行った。着付けが終わるころ携帯が鳴った。それはピンクの孫からだった。
「お母さん買い物終わって帰ってきとるけん。」
この時点で姉ちゃんからの電話で報告という違和感にも、私はぴんと来なかった。
「お母さん鍵を持ってなかったけん。家に入れんでうちまで来たんよ。コタツに入れて暖めてるから。」
うっかりしてた。いつも二人で出かけるので鍵のことを確認するのを忘れていた。いつも分かれて行動するときはお互いに鍵を持つし、お互いに確認するのだがふたりともうっかりしていたのだ。
整体まで少し時間があったので、車を飛ばせばキヨちゃんを迎えに行ってとんぼ返りで整体に行けると思ったのだが
「事故してもいかんし、ご飯も食べてもらうように準備しよるけん、すませておいで。」
と親切に言ってくれるので甘えることにした。
整体を終えて、急いで戻る。それにしても少し気になるフレーズがあった。
「コタツに入れて暖めよるけん。」
・・・。猫じゃなし、遭難者かい・・・と一人突っ込みを入れていた。
その理由が分かったのはキヨちゃんを無事「保護」してからである。ありがたいことにお姉ちゃんはキヨちゃんに寿司まで作って食べさせてくれていた。ピンクに持っていったスープの器に「入れ実」としてお返しのお寿司も入っていた。
キヨちゃんの話はこうだった。
「もんてきてな、ありゃ~鍵がないって気がついてな。あちこち探したけど開いとるところないし、中でリュウが吠えよったけん、リュウ!鍵開けてくれ~って言うたけどできんし。あいつは使えん奴じゃ。しばらくリュウ呼んでドア叩いた。トイレの窓から入ったことが前にあったけん、ほうじゃ思うて行ってみたけどトイレもしまっとるし。しばらく縁側に座っとったけど、お前が帰るまでには真っ暗になるやろうし、寒うなってきてばあやん家(く)に行ったんよ。」
それで「コタツで暖めた」わけだ。しかし、トイレの窓の話は初耳だ。いつそんなことがあったのだ。背は小さいが小太りのキヨちゃんが入れたとは思えないが。そしてリュウにしてみれば、お母さんの声がするのに入ってこないので、心細かったろう。切羽詰った感じは伝わったろうし。
情けは人のためならず。親切が身にしみた。このお返しはまたちゃんとしよう。
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2009/12/15の記事