秋の夜長に読書!とはいうけれど、本を読み出すとすぐに眠くなっちゃうんです(笑)。
でも、石黒圭著『文章は接続詞で決まる』(文春新書)は、コ ミックや小説よりも面白い本でした。普段なんとなく使っている接続詞ですが、接続詞って、こんなにあるのかとオドロキです。そして、接続詞には不思議な力があることを知りました。
たとえば、接続詞がタイトルになっているものをご存知でしょうか?
まず、夏目漱石の『それから』。有名な小説ですが、べつに読んでなくても題名そのものに惹かれるものを感じますよね。
つぎに、前川清さんが歌った『そして、神戸』。タイトルをみただけで、聴いてみようという気になります。
ほかに、アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』があります。
また、カラダ・バランス飲料というキャッチコピーで知られるサントリーの清涼飲料水『DAKARA』。これは機能性飲料なので、”からだ”によい飲み物”だから”『DAKARA』だと思います。このシャレわかりますか?
最後に、谷川俊太郎の『そして』という詩。
なんといふ恩寵
人は
死ねる
そして という
接続詞だけを
残して
接続詞「そして」が、心憎いほど余韻をもたらしてますよね。これも接続詞「そして」の力なんです。
たかが「接続詞」、されど「接続詞」です。