推理小説、古代史、ノンフイクションなど幅広い作品を世に出した
松本清張の生誕100周年を記念した「松本清張展」を姫路文学館で
見てきました。
動機重視の革新性、卓抜なタイトル、導入部の巧妙さ。
松本清張文学は、そんなふうに高く評価されてきました。
『点と線』、『砂の器』など世代を超えて読み継がれる数々の名作には、
まだまだ多くの「謎」が詰まっていそうな気がするのです。
松本清張の著書には、「○○の手帖」といったタイトルがいくつかあります。
わたしがもっている数少ない清張本でも、『作家の手帖』、『黒い手帖』、
『黒革の手帖』(画像↑)の3点がありました。
『黒革の手帖』にいたっては、主人公・元子ママの銀座のクラブの店の名も
自分の武器となった黒革の手帖にちなんで「カルネ」と名付けています。
「カルネ」というのは、フランス語で”手帖”なんですね。
さらにつけ加えますと、”手帖”という題名を思いついたのは、往年のフランス映画の
名作『舞踏会の手帖』のタイトルからだそうです。
画像↑はわたしの所蔵している松本清張の初版本。
画像右上の『名札のない荷物』は著者の最期の作品集です。
表紙絵も清張自身のスケッチで、平成4年8月25日に出版されました。
姫路文学館の全容です(↑画像)
それにしても、この時季の楽しみは、夏からシフトされた空の美しさです。
いわし雲が浮かんで夏はすでに遠いが、秋が色を整えるにはまだ少しの間
があるようです。
しばらく空を見上げていました。
in Himeji