岸田國士の戯曲に『屋上公園』という一幕物がある。
7年前に別れた恋人同士が、デパートの屋上公園で再会する話であったように思う。
新しく開場した歌舞伎座の目玉の一つに回廊式の屋上公園がある。
劇場部分の屋根の上につくられている。
枝垂れ桜を中央にシンボルツリーとして、灯籠などが配置されている。
ビルに囲まれた借景は、いかにも銀座のオアシスだ。
庭園内でお茶席が開かれるように設計されているという。
お茶席といえば、銀座通リのど真ん中で天王寺屋さん(中村富十郎丈)がお茶席をひらいた。
まだうわてがある!!
ご存知だろうか? 故森繁久彌のご婦人。
サワラ砂漠でお茶席を開き、当時はマスコミ界が大騒ぎした。
お茶席というより、一大イベントの色が濃い 。
この屋上公園に便乗したのが、海苔の老舗「丸山海苔店」。
約3000本の竹を使い、日本茶カフエなる喫茶スペースをつくった。
もちろん屋上庭園が一望でき、和の空気を感じながら極上のお抹茶を!!
というのがキャッチコピー。
柚子煎茶が900円に消費税。
これまさに銀座料金。客はお店のテナント料まで払わせられているのである。
テナントいえば、歌舞伎座の上階に聳える銀座ビル。
松竹さんは年間数億円の家賃収入を当て込んでいるのに、、空室だらけでいまだ借り手が無いという。
これ『獲らぬ狸の皮算用』。