Dream Gate ( 中野 浚次のブログ )   

本日はようこそ開いてくださいました!お芝居のことグルメを語ります!


          

・・・それは、ラストステージ 『谷は眠っていた』。

2010-03-11 | 演劇
     
     あなたは感動を忘れていませんか

     あなたは文明に麻痺していませんか

     理屈と行動はどっちが大事ですか

     車と足はどっちが大事ですか

     あなたは結局何のかのと云いながら
     わが世の春を謳歌していませんか

                         (『谷は眠っていた』より)


     



ここに私が折にふれ書きとめていた『演劇手帖』と表題を付けた一冊のノートがある。
しばらく見なかったこの古いノートは、押入れの隅でほこりにまみれていた。

やっぱり涙が出た。感動の涙が。
清涼飲料水に強いウイスキーを混ぜ、それに安定剤と興奮剤を溶かして飲んだような気持ちだった・・・(中略)・・・・

たどたどしい字で「神戸オリエンタル劇場で『谷は眠っていた』を観る」と末尾に記していた。
22年前の日付になっている。

初演から22年。
しかし目のさめるような新鮮さであった。

今回は「富良野塾の記録」と副題がついている。
26年前、富良野塾創設に呼応して全国から集まって来た若者たちが徒手空拳で荒れ果てた谷を切り拓き、演劇のための一つの村を創り上げるまでの軌跡・・。
富良野を卒塾した、ひとりの売れっ子ライターが開塾期の初心と向 き合う、というスタイルに変貌した涙と笑いの青春グラフィティだった。

     難しい理屈もない
     セットもない
     ほとんどがジーパンだけの衣装
     ありとあらゆる装飾を削り落とした舞台
     ただ、人の持つエネルギーだけが武器だった


塾生40数人の若者たちが、熱気ある演技、そのこまやかさ。
既成の枠をこえたエネルギーは、確かに見ごたえがある。

ことに視覚的な切れ味のよさは、これまでにまして鋭い。
『北の国から』、『昨日悲別で』で見せた倉本聰好みの美学は健在だった。






いつまでも忘れられない、私の記憶の底にあるシーンが2つある。

1つは駅路のシーン(←画像)である。
塾生のシロという名の女性。
彼女はダンスのオーディションの最中に事故に遭ってアキレス腱を切る。
勘当されたのはもう8年前。役者をやるなら家を出てけって。
それからずっと一人でやって来た。

富良野で迎える2年目の冬。
シロはある決心をする。口惜しいけど・・・。

駅に急ぐシロに、仲間2人が追っかけてくる・・・。
漆黒の舞台に松葉杖をしたシロ。
それを抱きかかえるように若者ふたり・・。
そこだけに仄かに照明が当り、一すじの道をつくる。
駅舎へ歩いていく若者らを包むように雪が舞っていた。
     
     わたし・・芝居の夢は捨てたの。

     それにね・・・・富良野のことは全部忘れることにしたの。

彼女のせりふは切なく、そして重い。





冒頭のシーンもすばらしかった。

     誰にも云わずに徳島を出たのは、去年の夏の阿波踊りの夜だったよ。
     彼女との約束もすっぽかしてね。

     逢ったら決心が鈍るだろうって・・・・・
     弱い自分が判っていたから。

塾生のひとり孝次のモノローグからはじまる。
闇の中から群集が浮かび上がって来る。阿波踊りの踊り子たちである。
紗幕をすかして、踊り子たちがゆっくりと浮かび上がってくる時の美的なおののきは忘れがたい。

さりげない情景のうちにも、倉本聰の世界の一端をあざやかに見せる一瞬だった。






劇中、ドラマが高揚するために流れる作者自ら作詞した『鍵をください』、さだまさしの『風に立つライオン』
ラストにながれる長渕剛の『乾杯』はおどろくほど新鮮で、曲そのものがこのドラマの本質に合っているかをあらためて印象づけるものだった。

富良野塾創設以来、26年の総力を結集した舞台が、観る側の心の垢(あか)を洗い流してくれたものだった、と信じて疑わない。

そしてこの春、富良野塾は26年間の幕を閉じる。

                           (2010年  3月6日  シアターBURAVA所見)
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道頓堀・今井の「天丼」   -ホテルニューオータニ大阪B1-

2010-03-09 | グルメ






シアタターBRAVA! のお芝居がハネてから、隣接するホテルニューオータニ大阪に飛び込んだ。
おそい夕食を摂るためだった。
「天ぷら」が食べたいとおもったが、生憎ホテル内に「天ぷら」の専門店はなかった。
決まってニューオータニで食事をするのは、ニューオータニクラブ(NOC)のポイント稼ぎのためです(笑)。
しかたなく地下1階にある「今井」にする。

「今井」は道頓堀に本店がある麺類、かやくご飯で人気のあるお店。
2~3回は行ったことがあり、いつも「天茶」を注文したものです。
しかしこのお店では、「天茶」はメニューにはなく、結局「天丼」にしました。

およそ関西の天ぷらはサラダ油しか使いません。
ですからゴマ油を使う江戸前てんぷらのように、カラリとキツネ色に揚げた天ぷらにはほど遠い。
タレも関西風で甘い。しかも薄味なンです。

「天丼」なら浅草仲見世通り、伝法院のわき道を入るとすぐの「大黒家」がおススメです。
昼時は、いつも入りきれないお客さんが列を作っています。
このお店の「海老天丼」なら大きな車海老を4本載せた絶品です。
それに「かき玉わん」が付いて体中ポカポカになります。
最高級の胡麻油の芳醇な香りと濃いめのタレ。それでいて少しも胃にもたれない。

さて、勘定のときに、ニューオータニクラブのカードを提示しました。
すると、つっけんどんに云われましたよ。
「当店ではNOCポイント加算は出来ません!!」
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桃の節句です!

2010-03-03 | ホテルライフ



もう3月ですね。
きょうは「雛の節句」です。

昨月末、小旅行でホテルニューオータニ博多に泊まりました。
その際、ホテル最上階のロビーで立派な雛人形(←画像)と対面しました。
このお雛さまは「八女(やめ)人形」です。
福岡県の南部にある八女地方でつくられた雛人形なんです。

八女地方は矢部川、星野川の清流に潤され、気候が温暖なこともあって九州銘茶「八女茶」の産地としても知られています。
八女茶は私も毎日飲んでいます。まろやかなコクがあって好きです。

この地には伝統工芸も盛んなようで、400年の伝統を継承している職人さんも多いとのことです。
雛人形などは、創作人形と違い、伝統に裏付けられた”かたち”を意識するそうです。

この地方の美しい山々に八女媛という女神がいたという伝説があるみたい。
八女の町並みは小京都を想わせるとか。
機会があったらぜひ訪ねてみたいです。





風雅で美しい雛人形は、江戸時代に、その礎があるといわれています。

画像はコンパクトサイズの親王作りです。
小さくても職人のこだわりが随所に感じられます。

このミニサイズでメーカー希望価格310.000だそうです。


     
         ■3年ぶりのホテルニューオータニ博多■

九州旅行のトップに更新するつもりが、最終になっちゃいました。
まあ読んでやって下さいな。




お部屋は最上階のエクゼクティブコンフォートダブル。
調度は和風で、どちらかというと「マンダリン」ぽい感じです。
ちなみにお部屋の広さは53㎡、ベット幅2.000mmでした。

ワタクシの好みにドンピシャ!!
やるぜよ!!東京店のマコ ト君! ありがとう!!





到着した日は、まだ2月下旬なのに4月並のポカポカ陽気。気温20℃超。
ルームサービスに「アイスコーヒー」をオーダー。
アイスペールで冷たくしたポットに3人分くらいの分量でした(←ワタクシ1人なのに!!)





ミニチュアバーのセット棚。
「白州」、「山崎」などかなりの高級ウイスキーがズラリと並んでいました(←ドンペリも仲間入りです!)。
ドリップコーヒーもありましたよ(笑)。





朝食は14Fにある和食堂「千羽鶴」
JALの系統ホテルだと、バーはどこも『夜間飛行』ですよね。
オータニ系も和食は『千羽鶴』が多いようです。

蓋物とよばれる煮物には閉口しました。病院食定番の筑前煮でした。

        味  ☆
        サービス  ☆☆
        雰囲気   ☆




ホテル1Fの公開広場に面したカフエー「グりーンハウス」
フランスの画家ポール・ギャマンの絵3点が展示されていました。
コーヒーの味は並以下です。
        
        味  ☆
        サービス ☆
        雰囲気  ☆


              お疲れさまでした。
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