東京滞在の3日目でした。思い立って日本橋・小網町の『喜代川』に歩をむけたのです。
うなぎが食べたくなったのではなくて、昨年の新年会で噂にきいていた若女将に逢うためです。
うなぎの老舗『喜代川』のことは何度もブログでつぶやきました。記事はコチラ。
喜代川は、気取りやかまえた感じのない、ごく普通の江戸前の造りの店であった。
お昼の12時半に階下のテーブル席を予約していたが、こうした店ではいちばん忙しいときである。
いきなり目の前に若女将御本人が表れたのには、おどろきである。
白地の大島に、紅や藍やさまざまな色を縞に織った紬の帯。
それがまた心憎いばかりに似合っている。和服の良さを再認識したのであります。
頬がふっくらとして親しみやすい感じで、上品なお色気を添えている。
江戸前の老舗うなぎ屋が舞台になった『こころ』というNHKの朝ドラがあった。
そのときの大女将が岸恵子、若女将が伊藤蘭。
そういえば、目の前の若女将もどこか当時の伊藤蘭のおもかげがただよっている。
報道によれば、うなぎの稚魚が年々減少して、関西などは「うなぎ」の値段は、うなぎのぼりである。
「喜代川」は老舗とはいえ、、5年まえに訪れたときの値段と変わらない。
うな重の菊が3000円、松が3500円、竹が4000円。
「業者さんも頑張ってくださいますから。それにお客さまに喜んでいただければ満足なんです」
若女将はさりげなく笑った。
ところで話は昨年の新年会におよんだ。
宴の始まる数分前に、仕事の都合で1人欠席というハプニングがあった、それでも大女将は気持ちよく応対してくれたこと。
御愛想のとき、大女将から「カードですか?」といきなり言われたこと。「失礼な!!」
そんなことまで気軽にお喋りしちゃいました。
あれやこれやと若女将と意気投合。
帰りがけ、若女将から千社札(←画像/上)をいただいた。
それも袱紗にのせて、ご丁寧に・・・・・。私にははじめての体験であった。
たてこみはじめた店の中を、若女将はいきいきと動き廻っていた。