病気になれば誰でも苦痛を感じる、特に老年になるとその傾
向が増大する、若い頃感じなかった肉体の不調が老いととも
に常態化する、だから苦痛をできるだけ避けたい。
200年前の哲学者ショーペンハウアーは老年において大切
なのは快楽よりも苦痛を避けること、その意味で健康である
ことを重視している、さらにもうひとつの苦痛として貧困を
挙げている、ことさら裕福にある必要はないが貧困であるこ
とは問題だと言っている。
12年前75歳で亡くなった立川談志師匠は晩年咽頭がんで
闘病生活を送っていた、ある報道番組で「痛みさえなければ
齢をとることは苦ではない」と語っていたのを鮮明に覚えて
いる、そう考えると健康と金銭、これが老年期において大切、
逆にいうと貧困でなく健康であれば苦にならないともいえる、
それこそ苦痛のない人生こそが幸福なのかもしれない。