会社というこれまでの人生の大部分を占めていたものから離れて
社会との接点がなくなると喪失感を覚える、私自身定年退職で失
ったものとして仕事、給料、ボーナス、肩書、達成感、連帯感な
どがある。
その反面定年後は誰にも縛られず一日24時間好きなように使え
る、気の向かない人と無理してつきあわなくていい、混まない平
日に好きなところに行けるという利点がある、しかし自分自身の
選択が要求されるのも定年後である、だから時間をいかに使うか
によって快適か不快かの分かれ道になることも確かである。
定年後の喪失感や孤独感は未知の体験だけに自分のペースをつか
むまで結構時間はかかるものである、私の場合4年の年月を要し
たような気がする、やはり生きている限りすべての悩みから解放
されることはない、悩みは生きている証であると自分に言い聞か
せている。
いまだに孤独感を時々感じることはあるがこれは現役世代でも同
じこと、それでも孤独感を振り払うには好奇心を持つこと、これ
が生きるエネルギーになる。人生の疲労は年齢に関係ないという
言葉があるように好奇心と向上心を大切に生きていきたい。