今月の座布団十枚

「癌は不完全に、不正に治療した…即ち分析医学で対照的に療治した…為に
深部に追い込まれた、一切の病の清算である。最後の病毒転位である」

アランジー博士

アリ対策

フロントの花壇に、タンジーを植える。

先週雨が降るまで極度な乾燥が続き、アリが大量発生。犬がいるから薬品は
使いたくないので、タンジーでアリ除けすることに。前に住んでいた家でも
タンジーを植えて大成功だった。アリは、まるで麻薬にひかれるように列を
なしてタンジーに集まり、吸い付き、塊りとなって死んでいくのだ。

前の州ではハーブの専門ナーサリーが郊外にあり、稀なハーブでも何でも
扱っていたので助かったのだが、ここではそんな便利な店がない。そこで、
ネット上で必死に探した。ただ一人、趣味の延長でハーブや花を育てて販売
している女性を見つけ、彼女からタンジーを手に入れた。

増えすぎると困るので、テラコッタの鉢を土に埋めた中にタンジーを植えた。
まだ小さいのでアリを殺す力はないようだが、今年の夏は活躍してもらいたい。

ピクニック日和

今日は、犬連れで田舎まで遠出。

薔薇専門ナーサリーへ、苗を買いに。昨年の秋もここで薔薇を買った。
近くのガーデンセンターだって薔薇くらい売ってるし安いのだが、厳寒の
この地方で生き残る薔薇となると、やはり限られてくる。それに、専門店で
買うと、その後もなにかあったときにメールでいろいろ教えてもらえる。
ちゃんとしたブリーダーから子犬を買うのと、同じことだ。

さて、昨年買った薔薇のうち一本は、翌日に根元まで野生ウサギに食われて
しまった。もうダメかと思ったが、春にはひよひよながら細い枝が伸びてきた。
しかしトゲが少ないのが仇となり、出るそばからウサギに食われてしまう。
そこで、今度はウサギに強い薔薇を買いに行ったのである。

薔薇を車に積んでくれたあと、店主は「この先にうまいアイスクリームの店
があるよ」と教えてくれた。昨年に続き薔薇を買いに来てくれたことが
嬉しかったのかもしれない。そこで、ちょっと先だが寄っていくことに。

まるで絵に描いたような田舎町である。教えてもらった店は小さいが、手作り
のアイスとフローズンヨーグルトが美味しかった。ＴＡＢＩも味見できるよう
に、私はマンゴーのフローズンヨーグルトにした。ハーレーのラリーがある
らしく、町中にあの独特のエンジン音がひびき、バイクがひっきりなしに
大通りを走っていた。

夫婦で食べながら犬を散歩していたら、ＢＢＱのいいにおい。
薪に火をくべて、豚の丸焼きを作っている農家の家族。二頭の豚は遠火に
あぶられているが、夕方までかかってじっくり中まで焼くのだという。
こんなことができるのも、こんな田舎ならではだ。

昨夜は雷を伴う雨が降り続いたが、雨上がりの朝は適度に涼しく風が気持ち
いい。先週末は夫が実家に帰省していたので私も犬も寂しかったが、今日は
みんなで揃って田舎町でピクニック。こんな週末というのも、いいものだ。

十五年

このところ、野口整体の本を読み返している。

購入した時のメモを見ると、十五年前のもの。あれからもうそんなにたった
のかと思うと、遠い目になってしまう。買ったその日のうちに読んでわかった
つもりになっていたが、今読み返してみると「ああ、そういうことだったか」
と気づくことがたくさん。結局、十五年前は何もわかってはいなかったのか。

ある程度の月日を経たのちに「あ、そうか」と理解できる事柄というのが、
長い人生のうちで多々ある。これもそのうちの一つであろうか。
しかし、今から十五年後といえば、自分はこの世にいるかどうかもわからない。
だとすると、結局は一生理解できずに終わってしまう事柄というものが、
たくさんあることになる。

人との関係も、同様だ。
「ああ、あの人はそういう意図でああ言ったのか」ということを、随分あと
になって気づくことがある。その時になって感謝の言葉を伝えようにも、
もうその人はこの世にいない。むなしく空を見上げるしかできない。

人生は、そういうことの繰り返しなのかもしれない。