感染

「お友達の庭に呼ばれてもし草木に病虫害が発生していたときは、よく注意するように。
靴についた土などと共に病原菌も持ち帰ってしまい、自分の花壇に被害を
もたらすことがあるから」

先輩園芸家に、こう忠告されたことがあった。
それ依頼注意していたのだが、ついに被害にあってしまった。

先週、ある日本人のお宅に呼ばれた。
自慢のお庭を拝見させてもらったが、うどんこ病の大発生で見るも無残な花々
ばかりであった。

この方は園芸歴何十年で、よく世話もされているのに、毎年何かしら病気や虫
にやられている。去年は確か、ナメクジと何かで花が全滅だった。
このお宅では様々な薬品を倉庫にズラリと完備し、せっせと撒いているのに、
である。お金も随分かけている。
完全無農薬でほったらかしに近く、お金もかかってないうちの花壇の花が元気
なのが申し訳ないくらいだ。

薬品の使い過ぎではないか。土の中の微生物がいなくなってしまい、病気に対する
抵抗力が落ちている証拠ではないか。
人間だって、やたら薬に頼る人で丈夫な人はいない。
だが、私のような新米園芸家にそう言われたらあちらもおもしろくないだろう
から、黙って帰ってきた。

それから一週間たらずで、今までたいしたトラブルに遭遇しなかったうちの花壇
に、うどんこ病が発生。その名のとおり真っ白な粉のようなもので覆われた
葉を前にして、私は唇をかんだ。

被害はまだ小さい。とりあえずやられた部分はごっそりと刈りとって処分し、
木酢液を水で薄めたものを草木に噴霧し、土にも撒いた。
剪定鋏など道具類も消毒した。

これで何とか回復してくれればいいが。

ぼくお兄ちゃんだもん?

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仲良く泳ぐ、TABIと GERMANY

公園では、お散歩デビューした子犬にたくさん出会える。

みんな好奇心一杯、元気一杯。TABIもこんな頃があったなあと、思わず
顔がほころぶ。

子犬の飼い主さんと顔なじみになると、
「TABIちゃん、またうちの子と遊んでね」
と言われる。
TABIはどんな犬と遊ぶのも好きだが、とくに子犬は好きらしい。
疲れを知らない子犬は、TABIの有り余るエネルギーを消化するのに
ぴったりの相手だ。
それに、TABIは相手が赤ちゃんなのを承知して遊ぶから、つき飛ばして
ころんだ子犬の上を踏んで行ったりしない。飼い主同士、安心して
見ていられる。

チョコラブのGERMANYは、生後5ヶ月でやんちゃ盛り。
テニスボールを追うTABIのあとを、
「待ってえ、お兄ちゃ?ん」
と懸命に追いかける。

TABIが体を冷やしに川にざぶん、と飛びこむ。
「おいでよ、気持ちいいよ」
とGERMANYを誘うが、彼は水に足をつけたまま不安そう。
「ぼく怖いよ…」
TABIはGERMANYのそばまで戻ってきて、右へ左へゆっくりと水かきしながら
「平気だよ、こっちに来てごらんよ、楽しいよ」
ついにGERMANYは、決心してちゃぶっと水に入った。そして、すいすいと
泳ぎ始めた。
「見て見て?、ぼく泳いでる！」
うれしそうなGERMANY。
「うまいうまい、その調子。あそこにアヒルの赤ちゃんがいるよ。
見に行こうか」
二頭は連なって、流れのゆるやかな川を泳いでいった。

まだまだ子供、と思っていたTABIだが、いつのまにか幼い子犬のお守りを
するようにまで成長していたか。よしよし。

今度は出血

「おい、こいつ口から血が出てるぞ」
と、夫がキッチンにいる私を呼びに来た。

TABIが口から出血？！
昨日までの下痢のことがあるので、まず内臓の病気が頭に浮かんだ。
人間なら、喀血というと肺結核、吐血なら胃潰瘍か食道静脈瘤破裂である。

急いでTABIをひっくり返して口の中を観察。
上顎左内側の奥歯と歯茎が、血で染まっている。でも喉の奥はなんともない。
「なんだ、ゲボゲボ血を吐いたのかと思ったら、この程度？びっくりさせないでよ」
と夫に文句を言うと、
「でもこいつ、あくびしようとして口を途中まで開けたところで止めて、
あとアゴをカクカクやってたんだよ。おもちゃも噛まないし、アゴがなんか
調子おかしいんじゃないか？」

歯茎の出血といったら、人間なら歯槽膿漏だ。しかしこの子は歯も歯茎も丈夫だ。
とすると、何かにぶつけて骨折か？
奥歯を引っ張ってもびくともしないから、歯は無事のようだが。

とりあえず獣医に連れていく。
診断結果は、口内の軽い裂傷とのこと。何か噛んだものが口の中で割れ、その
破片が刺さって歯茎が切れたらしい。一体何を噛んだのか見当もつかないが、
鋭い破片が肉をざっくり切ったから出血が多かっただけの話だ。

なあ?んだ、びっくりさせて。
こんなものは放っておけばそのうち血が止まり、自然に治る。
ついでに下痢のことも聞いたら、もうピーピーが止まったので鶏肉の脂身抜き
と米を調理したものを食べさせるように、とのことだった。
まあ口の中が切れてて固いものは食べにくいだろうから、そんなご飯がちょうどいいだろう。

本犬はけろっとして、帰りに寄った公園でスプリンガー・スパニエルと一緒に
すいすい泳いで遊んでいる。全くもう…

断食明け

火曜日の夜から今日金曜日の夕方まで、TABIは断食していた。
というか、させられていた。

それは、下痢ピーのためだ。

子犬の頃は、何でも口にしてしまい吐いたり下痢したりはよくやっていた。
が、大きくなってからは、いたって元気で何事もなかった。

とくに変わったものを食べたわけでもない。
考えられるのは、水だ。

火曜日、黒ラブBUDDYの家に遊びに行き、帰りに湖でTABIは泳いだ。
この湖は、水が汚染されているので有名で、確かに汚くて臭い。
いつもはここで泳がせないよう注意するのだが、この日はうっかりしてる間に
TABIがさっさと飛びこんで泳いでいってしまったのだ。
子犬の時も一度、ここで泳いだ後モーレツな下痢をしたことがある。

今回も強力な下痢のようで、早朝トイレに行きたいTABIに起こされた。
TABIは長毛なので、下痢ピーがお尻の周りの毛にくっついてしまう。
その度に、ホースで水をかけて洗わないといけない。

ピーの他は、いたって元気で何ともない。
この子の様子からいって、深刻な病気ではなさそうだ。
獣医さんに電話で聞くと
「下痢が止まるまで食事を抜くこと。水分だけは不足しないようにとらせること」
ということだった。とにかく悪いものを出してしまい、消化器官を休ませる
ことが大事だ。
やたらに薬を飲ませるより、そうやって自然治癒力で治したほうが犬の体に良い。

人間もそうだが、水さえとっていれば、3、4日何も食べなくても死にはしない。
私自身、体調の悪いときは自主的に断食するが、そのほうが治りが早いし
あとで調子がぐっと良くなる。

今日になってようやく下痢ピーが止まった（というか、お腹がすっかりカラに
なった）ので、少し口に入れてやることにした。
いきなり普通のエサではきついので、ヨーグルトを食べさせてみた。
乳酸菌は整腸作用がある。

1カップ弱を美味しそうになめつくした。
これで様子を見て、大丈夫そうなら明日はおじやだ。

ワイルドなおやつ

<img align=center src=http://members.accesswave.ca/~monjardin/diary-jpeg/blackberry.jpg>
とれたてブラックベリー

雨あがりのバックヤードで、ブラックベリーつみをして日が暮れた。

この家に引っ越して5年、良く言えばオーガニック、悪く言えば
ほったらかしにしていたバックヤードに、ブラックベリーが大繁殖。
童話の「いばら姫」の挿絵のように、行く手を阻むとげとげが
何十株とできてしまったのだ。

ワイルド（笑）なバックヤードには、いろんな虫、草ねずみやリスなどの
小動物がいるので、これまでTABIは探検して楽しんできた。
しかし、ご近所は良く思っていないし、とくに数軒先に住む市会議員が
何かとうるさい。そこで私たちも重い腰を上げてクリーンアップをする
ことにしたのだ。

気の毒だがベリーは一掃するしかない。が、もうすでに実ができている。
そこで、刈り込む前に熟している実だけとることにした。
あるわ、あるわ。あっという間にザルがいっぱいになる。
もぎながらTABIと一緒につまみ食いして、お互い舌が紫だ。
TABIはベリーの茎の鋭いとげがいやなので、私のすぐ後ろでお座りして
おこぼれをもらうのを待っている。ちゃっかりした奴だ。

食後のデザートにするつもりでつみ始めたが、大鍋一杯くらいとれた。
明日はこれでパイを焼いて、残りは冬に備えて冷凍しよう。

今年限りの、ぜいたくなおやつだ。