TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

効率化と言えるのか

2020-07-07 04:37:03 | カナダ話題
引っ越し業者が、荷積みの見積もりに来る。

私達が転勤で引っ越しするときは、出発日の三日前にまず梱包専門が派遣されて家財道具を梱包。翌日、運送業者が来て輸送用トレーラーに梱包したものを積み込む。さらにその次の日、清掃業者が家の中を徹底的に掃除してくれる。もちろん、私達はその間も彼らの監督の役目があり、多少の手伝いはするが、荷造りは原則的に手を出してはいけない契約となっている。

非常に恵まれたシステムではあるが、もちろんまとまった費用がかかる。距離や荷積み量にもよるが、私達の過去の例では一回の引っ越しに日本円にして350万円を超えた。転勤による引っ越しであるから、自腹を切らなくて良いのが救いだ。

さて、これまでの経験では荷積みの見積もりというのは、専門家が来てすべての寝室、書斎、地下室、車庫、庭をざっと見て回り、何を置いてゆき何を引っ越し荷物として積むのかをメモする。時間的に、アメリカ時代の大きな家でも30分で終わった。その後、業者が出した見積もりがメールで送られてくる。

しかし今回は、全く違った。
担当の女性は、部屋をざっと見回るだけでなく、戸棚という戸棚をすべて開けて中身を記録、家具は実際に持ち上げてみて重さを判断し、非常に細かい記録をとっている。結局、彼女はなんと3時間もかけて記録をとった。コロナの影響でこういうシステムに変わったのか、と聞くと、「ううん、ここ2年くらいはこのやり方よ」

彼女はタブレットに、ものすごく詳細な記録を打ち込んでいく。
これはもちろん、今後こうした仕事がAI(人工知能)に置き換えられるための前段階であることを示している。超効率化へ向けてのステップとして、データを収集しているのだ。

最近はもう、スーパーのレジの仕事は絶滅に近い。無人レジばかりで、主婦のパートはいなくなった。AIによる自動運転が本格的に導入されれば、長距離トラックの運転手やタクシー運転手は絶滅する。ドローンによる宅配が一般的になれば、アマゾンの注文はドローンで配達される。カスタマーサービスは、もうすでに人間ではなく機械が応答している。看護や介護も、いずれはロボットで十分だし安い、ということになる。

AIにとって替われるのはブルーカラーの仕事だけではない。
むしろ、証券アナリストなどホワイトカラーの仕事こそAIが得意とする分野だ。医師や歯科医師など、高い教育や経験を必要とした仕事も、AIのほうが間違いがない。教育分野もしかり。今の子はもうオンラインで自習することに慣れているし、宿題だって自分で考えて文章を書く子なんか今どきいない。みんなネットで検索して誰かが書いたのをコピペして提出するのが当たり前の世の中だから、教師やってる友人は「採点してると、デジャヴュの連続」と苦笑する。先生という職業は、必要なくなる。

今の若い人にとって、十年後に自分の仕事がなくなると考えるのはつらいだろう。だが、AI時代はもう始まっているのだ。もっと言うと、この地球上では一部の支配層を除き、人間はほんの少ししか必要なくなる。それで今後、大幅な人工削減が必須となる。日本が憂いている少子高齢化なんか、問題でもなんでもない。いずれみんないなくなるのだから。今回のコロナ茶番劇も、そうしたプランの一部だ。ミツバチの巣でいえば、女王バチとオスのハチの冷凍精子が保存してあれば、働きバチなんかAIにやらせればいいってことだ。

だが、それが本当に効率的と結びつくのか?
人間のやる仕事には、人間しかできないこと、例えば「手加減をする」や、「例外に対処する」などの特典がある。

今日の荷物見積もりでも、担当女性はシステムにすでに打ち込まれているデータはすいすい進んだが、イレギュラーのものが出てくると頓挫していた。つまり、冷蔵庫やラップトップなど、誰でも持っている家具ならデータに入っているが、私が日本から持ってきたお雛様とかはデータにない。以前なら、担当者は書類の備考欄にちょちょっとペンで書き込み、会社に戻ってからデータを修正すればよかった。が、今はシステムがそれを許さない。そこで彼女は、イレギュラーな家具についてそれぞれ新たなページを作成し、そこへ大きさや材質など詳細データを打ち込む、というステップをとらなければならず、これにいちいち時間がかかったのである。

まあ、私の目が黒いうちに完全AI化が地球上に実現するとは思えない。が、これからの若い世代は本当に大変だよね。「便利な世の中に生まれて良かった」と喜んでいた時代は、もう終わったのである。

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