TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

BUT SHE IS SO SMART AND SWEET

2003-02-28 04:55:09 | インポート
危険な犬の飼い主は、その兆候を見逃したり、見ても「犬だから」とかたずけてしまう。

あのシェパードもそうだ。
彼女に初めて放課後の小学校の校庭で会ったとき、生後6ヶ月の彼女はすでに
TABIよりでかかった。TABIと追いかけっこして仲良く遊び始めたのを見て、飼い主は
「この子がよその犬と遊ぶのなんて初めて」と声をあげた。彼女は、一緒に
飼われている2頭とも離れていることが多いという。一見して、人間も嫌いな様子。
好奇心旺盛な年頃のはずなのに、これはどうしたことか?いやな予感だ。
服従クラスに通ってるの?という問いに、飼い主は「彼女は頭が良いから、
そんなもの必要ない」と答えた。典型的だ。

ほどなくして、犬飼仲間を通して彼女に「やられた」という話を聞くようになった。
被害者は人間や犬だが、最もひどかったのは夫の同僚が飼っているチワワのミックスで
肋骨を折る瀕死の重傷。その後、このシェパードは外出時にはマズルをはめる
ようになった。飼い主は愛犬について「彼女はとても賢いのよ。将来は警察犬や
災難救助犬にしたいと思っている」と抱負を語っていた。周囲は誰も本気にしなかった。

獣医から問題行動の専門家をすすめられ、安楽死も選択肢として考えるよう説得
されたと話してくれた時も、「でもね、この子はまだ若いし賢いから大丈夫だと
思うの」と言っていた。

But she is so smart and sweet.(この子は賢くてやさしいのよ)
小学生男子を食い殺し死体をバラバラにしたロットワイラーの飼い主(11年の
実刑で服役中)も、元オリンピック候補の女性を食い殺したプレサ・カナリオの
飼い主も、そう言ってたっけ。

誰だって自分の犬はかわいい。でも、主人に忠実な犬が安全とは限らない。


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飛べ飛べ、TABI

2003-02-28 04:32:29 | インポート
今日で毎週水曜日のフライボール教室が終わり。

TABIは、次回からは改築が済んだファームの納屋で行われる練習に参加する。
といっても、私が日本に一時帰国する間はお休みだ。
TABIはどんどん上達して、次やその次のレベルのステップを教えてもらっている。
コーチたちも、ひょうきんものTABIが気に入ったらしく、よく遊んでくれる。

フライボールを毎回楽しみにしているTABI。
クラスに入って、良かった。


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犬の運命

2003-02-26 02:58:00 | インポート
散歩途中、獣医さんから犬を連れて帰ってくるNicolleに会う。

シェパードのHARBORは、頭に節分の赤鬼のような突起ができた。良性の腫瘍という
診断だったが、どんどん大きくなるので切除手術をした。今日は、抜糸の日。
シェパードは病気の問屋と言われるが、この子もまだ2歳にならないのにあれやこれや
獣医の世話になりっぱなしだ。

今日はさらに、彼女の攻撃性が深刻化していることで獣医と相談したという。
攻撃性といっても彼女の場合は、Fear Aggression、つまり気が小さいので恐怖感
から相手を攻撃してしまうタイプのようだ。これまでも小型犬に怪我させたり
子供をノックアウトしたりと、別の筋からも話が伝わってきている。
もともとシェパードは主人に忠実で、主人を守ろうとする本能が強い。
Fear Aggressionの犬は、散歩中にすれ違った人が自分の主人に挨拶をしただけで、
「なにか危害を与えそう」と勘違いして飛びつき、服を食い破り、牙を肉に
食い込ませ離さない…といった錯乱状態に陥ってしまう。そうなると、体が
デカイだけに大の男でも犬を止めることは困難だ。それこそ銃で頭を打ち抜くしかない。

獣医は、問題行動の専門家を紹介するという。それでうまくいかなかったら、
安楽死しかない。これまで彼女が起こした傷害事件は裁判沙汰になっていないが、
今後エスカレートする可能性は充分ある。それに、もし他人の子供を攻撃して
死亡させたり、顔に一生残る傷を与えたらどうするか?金で解決できる問題では
ない。そうなれば犬はどのみち射殺される。

それにしても、この飼い主が飼っている犬は全員が程度の違いこそあれFear Aggression
を持っている。雑種、ハスキー、シェパードと犬種は違うのに。偶然の一致か?
以前MLで「内気な犬」が話題になった時、飼い主も犬と同じ性格が多い、という
話になった。飼い主の性格や普段の行動が犬に与える影響は大きい。
逆に、犬を見ると飼い主の性格がよくわかったりする。

新婚のNicolleは、夏に初めての子供が生まれる。
その子はどんな性格に育つのだろう?興味深々だ。


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熱きローデシア

2003-02-24 03:44:05 | インポート
国の情勢悪化のため、ジンバブエを去る白人が増えている。

ジンバブエは、もとは英国自治植民地でローデシアと呼ばれていた。
ライオン猟犬ローデシアン・リッジバックの故郷だ。
物資不足、政情不安、低迷する経済…白人は欧州へと帰っていくが、飼っていた
犬を連れて戻ることはできない。そこで、帰国を前に獣医のもとへ連れて行き
安楽死させる。

その数が近年極端に増加し、ついにある獣医は耐えられなくなり自身もこの国を
去ることにしたという。彼は、帰国前に約650頭の犬を安楽死させなければ
ならない。犬好きな人なら、1頭1頭に致死量のペントバルビタールを注射し
殺す作業を延々と繰り返すことがどんなに精神的にきついものか、わかると思う。

並みの神経を持った人なら、最後まで人間を信頼してついてくる動物の息の根を
止める仕事なんて、イヤだろう。ましてやそれが長年暮らしたペットならば
とてもできない。だから、人々は帰国を前に獣医に託すのだろう。
だが、自分が手を下さなければ、愛犬の死に立ち会わなければ、それで気持ちが
すむものなのだろうか?手の汚れる仕事は他人にやってもらって、自分たちは
本国で新しく子犬を手に入れて楽しく暮らせるのか?

昔は、犬の始末は飼い主がつけていた。
老いて働けなくなった牧羊犬、猟犬、病気にかかった犬は納屋の裏に連れて行って
猟銃で撃ち殺す。南極探検家が帰国前にする最後の仕事は、探検の共をした
犬ぞり犬の始末だった。1頭ずつハーネスをはずし、遠く離れた氷原に連れて行き
頭に銃口をあて、引き金を引く。全員を連れて帰って世話できないのだから
他に方法がなかった。

残酷、といえばそのとおりだ。
でも「最後まで自分の犬の面倒を見る」ということは、そういうことでもある
かもしれない。


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子犬と運動

2003-02-21 03:26:04 | インポート
子犬の健康をそこねないために、どこまで運動を制限するか?

専門家の間でも意見が分かれるところだ。
生後一年までは絶対に、自転車やジョギングの伴走や、フリスビーのジャンプ
キャッチはさせていけない。たとえ関節に異常がなくても、だ。
これは、誰でも知っている常識だ。
成長中にある子犬の骨は、柔らかい。無理な運動でダメージを受けると、
将来背骨や関節の疾患となって表面化する。

犬種によっても違いがでる。エアデールなどは生後3年を過ぎないと骨が固まらない。
それまでは、人間と一緒にジョギングするのは、よほど注意を払わないとダメだ。

股関節の弱い犬種、ジャーマンシェパードやラブラドールはどうか?
GSDのブリーダーによると、生後9ヶ月までは走らせるのではなく犬のペースで
歩くにとどめ、しかも一日半マイルの距離を越えないこと。その後徐々に
運動量を増すべきという。
ラブはもっと厳しいお約束がある。生後一年までは、
1.歩くのみ。走らせてはいけない。
2.ジャンプさせたり、後ろ足で立たせてはいけない。
3.ボールやフリスビー、枝など投げて追わせてはいけない。
なお、水泳は負荷が少ないので好きなだけやらせて良いとのこと。

う?ん。
活発な子犬に、これは厳しい。
うちでは獣医さんから、ジャンプキャッチは厳禁と言われたので絶対にやらなかった。
自転車伴走にいたっては、羊追いの本能なのか前方に回り込もうとするので
危なくてできなかった。でも、飛んだり跳ねたり走ったりが大好きな子だから
押さえつけるわけにもいかず、好きなように遊ばせていた。
強制運動はさせなかったが。

犬ぞりが残酷と批判されるのも、年端もいかない犬に重いものを引かせるマッシャー
がたまにいるからだろう。しかし、そういうマッシャーと、スポーツ獣医学の
基礎も知らず子犬にフリスビーをジャンプキャッチさせ、「うちの子は生後
7ヶ月で大会に出てます」と自慢する飼い主の間に、どれほどの違いがあると
いうのか?

故障するまで犬をこき使う点では、両者は同等だと思うのだが。


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