人知れず薔薇の咲く。
昨年の秋に植えた薔薇のうち、トゲがほとんどない方は野ウサギの餌食となり
瞬く間に根元まで食べつくされてしまった。春になっても、なかなか芽が
出ない。もうダメかと思い掘り起こすと、根はなんとか生きていた。
コンポストに放り込もうか、と思った手を止め、植木鉢に植えてパティオの
陰の、野ウサギが届かない場所に置いた。すると、ひよひよの芽を伸ばし、
なんとか二十センチくらいに育ち、弱弱しいうす緑の葉が突き出した。
それでも他の薔薇に比べたら全く活力がないので、いずれ処分する気でいた。
ところが、今日ふと気づくと、二つ花が咲いているではないか。
小さくて弱弱しく、しかも弱い茎が支えられないのでガクンと花弁ごと下を
向いている。が、ピンクの薔薇独特の強い芳香がある。「まだ生きているのよ、
忘れないでね」とでも言うように。
バックヤードのヘッジを整理したら、そこへこの薔薇を植えてやろうと思う。
首の皮一枚で助かった薔薇である、大事にしよう。
昨年の秋に植えた薔薇のうち、トゲがほとんどない方は野ウサギの餌食となり
瞬く間に根元まで食べつくされてしまった。春になっても、なかなか芽が
出ない。もうダメかと思い掘り起こすと、根はなんとか生きていた。
コンポストに放り込もうか、と思った手を止め、植木鉢に植えてパティオの
陰の、野ウサギが届かない場所に置いた。すると、ひよひよの芽を伸ばし、
なんとか二十センチくらいに育ち、弱弱しいうす緑の葉が突き出した。
それでも他の薔薇に比べたら全く活力がないので、いずれ処分する気でいた。
ところが、今日ふと気づくと、二つ花が咲いているではないか。
小さくて弱弱しく、しかも弱い茎が支えられないのでガクンと花弁ごと下を
向いている。が、ピンクの薔薇独特の強い芳香がある。「まだ生きているのよ、
忘れないでね」とでも言うように。
バックヤードのヘッジを整理したら、そこへこの薔薇を植えてやろうと思う。
首の皮一枚で助かった薔薇である、大事にしよう。