10月2日の出張を終えてから、毎日、工房で仕事をしている。今、製作中なのは、お客様の注文で、横笛を入れる、「背中に背負える籠」と言う事で、初めての作品である。形を作ることはそんなに難しい事では無いが?笛を入れたときに重心は何処に行くのだろう?地面に置いた時のバランスなど、何本くらいの笛を入れるのだろうか?その強度は?などなど、 どうしても、新しい作品を作るときは、普段の倍以上の労力を使うことになる。
しかし、私の精神衛生上はすこぶる良いのだ。やはり、販売で外に出ているより、工房で物を作り出している方が、ずっと楽しく、落ち着くのだ。工房の若いメンバーとも、仕事をしながら、世間話をしたり、何を作ったら売れるかな?とか、こういった、毎日の何気ない会話の中に師弟関係は構築されていくものだと思う。
外に出ていない分、次から次へとお客様がやってくる。仕事の打ち合わせで来られる方もいれば、先日の「スーパーカブの青年」の様な、フラッと飛び込みのお客さんもいる。
昨日も、同じような、「日本中をバイクで回りながら、伝統工芸を継承しようとしている若手のポートレイトを撮っている」というカメラマンの青年が遣って来た。見るからに研ぎ澄まされた精神力が顔に表れ、哲学者を思わせる風貌であった。
2時間ほど、お話する時間があり、国内だけで無く、海外も放浪しながら、自分の心の襞に触れるものをカメラを通して記録しているようだ。澄んだ、彼の目を見ていると引き込まれていくようだ。彼が撮った写真をブログでアップしているので、興味のある人は見てみてください。
www7b.biglobe.ne.jp/ryosuketoyama
実にシャープな良い写真が出てきます。彼は、きっと将来、カメラマンとして大成するだろう。
二人、続けて全国を旅している青年の来訪が続き、私も、自分が放浪してきた頃の事を思い出しているこの頃です。