ついに日経株価がバブル崩壊後最安値を更新した。28年前の水準に戻ったとテレビで報道している。いったい、何処まで下がっていくのやら? 投機、投機に世界全体がマネーゲームに踊らされたしっぺ返しである。
私の所は、毎年9月で販売のシーズンを終え、来年に向けて物作りに入ったが、「来シーズン本当にどうなるのだろう?」と不安である。金融不安は、銀行の貸し出しを渋りだし、ますます、実体経済を縮小させて行く。
先日、身近にこんな事例があった。製造業を営んでいた「A」さん(仮にAさんとしておく)。お年も70近くになり、業績も下降線をたどっていた。そこで、仕事を廃業して、それまでの工場を貸し出し、その家賃収入で細々とやって行きたいと思っていたそうだ。ところが、借り入れをしていた信用金庫から、「借入金を一括返済しろ!それが出来ないならば、担保の工場の土地などを競売にかける。」と貸し剥しにあったそうだ。 それまで、一度として返済を遅れたことも無く、残った残金も家賃収入で返済する計画なのに、一切取り合ってくれないそうだ。何度も何度も、信用金庫に談判をしたが、相手にされない。 これが「貸し剥し」と言う物だろう?
途方にくれていた「A」さんが、先日の「民主商工会」の全国大会での金融庁への交渉で、「この事例を訴えたい!」と準備をしていた。そのことを信用金庫に話した途端、翌日に手の平を返すように「今まで通りの返済で。」と解決したそうだ。
「貸し剥し」も腹の立つ事であるが、中央官庁に訴えると言った途端に返事が180度変わると言う事もバカみたいな事である。
「A」さんは、たまたま旨く解決できたが、来年に向けてますます、消費が冷え込むであろう経済状況の中、人事ではない厳しい事例である。