高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

修理完了と見学

2008年10月30日 02時46分24秒 | 竹細工作業工程

昨日、修理途中の籠をアップしましたが、その続き、

1030_0021編みこんだ縦ヒゴに縁を付け、その上から、籐で締め上げていく。流して巻く方法もあるのだが、今回は手間は掛かっても強度優先で千段巻きと言う一番しっかりした巻き方にした。これでどんなに重たいものを入れても大丈夫。

1030_0101縁の取り付けの後、以前から付いていた手を付け直す。最後に、底部の痛んでいた所に足を付け出来上がりである。結局、修理するのに丸々半日かかってしまったが、新しく甦った籠を見ていると嬉しくなる。手を動かして物を作っている時は充実感もあり、楽しい物なのだ。

これで出来上がり。

毎年、秋になると工房見学の申し込みが多くなる。私の所に見学に来るのには理由がある。

「別府は竹の日本一の産地であるが、殆んどが個人経営であり、なかなか見学を受け入れてくれない。また、もう少し大きな事業所になると、輸入製品を加工している所も多く、国産品と称して出荷している手前、部外者の見学は硬く断っている所が多い。自社生産している ある程度の規模の工房というのは非常に少ないのである。」

1030_0131 夕方になり、別府の竹の学校の生徒が見学にやって来た。現れたのは、女性ばかり5人。やはり、華やぎがありますな。

来春には、竹の学校を卒業して社会に出なければならない。「趣味で続けるのであれば、竹細工はとても楽しい。しかし、本業としてやって行けるのであろうか?」と、みんな不安な時期である。私も二十数年前の竹の学生の時はそうであった。  

彼女たちに話した事は、「卒業したら、どんなものでも作ってみて、問屋でもお店でも持っていってガムシャラに遣ってみる事だ。当たって砕けろ。たくさん失敗して下さい。その中から次のステップが見つかります! 私も今現在、毎日失敗ばかりしながら模索しています。その中から一つでも旨くいけば、自信になるし、仕事が楽しくなるのだから。」 若い可能性を持った彼女たちですから頑張って貰いたい。

竹工房オンセ  

コメント
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