みよし野は右往左往の花もかな 貞室
桜を見ながらの宴席は
昔も今も無条件にたのしい
花見時は日本列島を桜前線が貫いて北上する
およそ2週間の花の盛りを
貪るように昼用をとおして楽しむ
大和路のみよし野での花見の景
右往左往は今も同じだ(小林たけし)
みよし野は右往左往の花見かな 貞室 「大和順札」
平樽や手なく生まるる花見酒 西鶴 「大矢数」
骸骨のうへを粧うて花見かな 鬼貫 「鬼貫句選」
草枕まことの花見しても来よ 芭蕉 「茶のさうし」
景清も花見の座には七兵衛 芭蕉 「翁草」
京は九万九千くんじゆの花見哉 芭蕉 「詞林金玉集」
花見にとさす船おそし柳原 芭蕉 「蕉翁句集」
四つごきのそろはぬ花見心哉 芭蕉 「炭俵」
花見にと母につれだつめくら児 其角 「続虚栗」
何事ぞ花見る人の長刀 去来 「曠野」
半ば来て雨に濡れゐる花見かな 太祇 「太祇句選後篇」
花見戻り丹波の鬼のすだく夜に 蕪村 「蕪村遺稿」
傾城は後の世かけて花見かな 蕪村 「蕪村句集」
恋ゆゑや花見の場の色紙売り 凉菟 「眉山」
たらちねの花見の留守や時計見る 正岡子規 「子規句集」