竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

あきつ舞ふ 野は一面の無重力 井上ひろし

2021-08-11 | 今日の季語


あきつ舞ふ 野は一面の無重力 井上ひろし

広い秋野であろう
空を埋め尽くさんばかりの赤とんぼの大群が
追われるように東の空へ移動している
作者もいつかその中の一片になった気分
一面の無重力はなかなか言えない措辞だ
(小林たけし)


【赤蜻蛉】 あかとんぼ
◇「秋茜」(あきあかね) ◇「深山茜」(みやまあかね)
小形で体色が赤みを帯びた蜻蛉の俗称。雄は赤色、雌は黄褐色である。秋空に群れる赤蜻蛉の姿は、秋の涼気を誘う。爽やかな秋の象徴といえる。

例句 作者

あきつとぶひかり薄れつ夕鳴子 西島麦南
から松は淋しき木なり赤蜻蛉 河東碧梧桐
みちのくに輪廻転生赤とんぼ 妙田節子
わが見しはあきつの群るる湖の虹 鈴木詮子
アキアカネ親近感とも違う距離 堀之内長一
アンデルセンの空があるよ赤とんぼ 小野露光
人の世を辞してそろそろアキアカネ 横須賀洋子
仮の世を流れ解散秋あかね 髙野公一