大根蒔く来年も蒔く死ぬまで蒔く 伊藤政美
秋蒔>のんかでも<大根蒔く>は馴染みやすい
掲句は巻くを三唱して効果を狙って成功している
作者、あるいは作者のモデルの
生き様の覚悟を表意して見事といえよう
(小林たけし)
【秋蒔】 あきまき
秋に植物の種子を蒔くこと。冬や春に収穫する野菜の種は8月中旬から10月に蒔く。秋に種を蒔くものとして菜種、大根、芥菜、芥子、さらに田の肥料となる紫雲英(れんげ)などがあり、それぞれ「蒔く」の語尾をとり、「菜種蒔く」「大根蒔く」「芥子菜蒔く」「芥子蒔く」「紫雲英蒔く」として季語となっている。
例句 作者
秋蒔きの土にやさしく月さしぬ 菅原鬨也
うしろから山風来るや菜種蒔く 岡本癖三酔
大根播く光の粒をこぼすかに 西尾玲子
黒潮の黒の深まり菜種蒔く 延平いくと
峡の田にひとりとなりて紫雲英蒔く 森戸山茶花
菜種蒔くかそかなる音地に籠る 田中茅洋
秋蒔きの種子とてかくもこまかなる 能村登四郎
大根蒔くうしろの山に入る日かな 赤木格堂
大根蒔く短き影をそばに置き 加藤知世子
天命の余白に大根蒔かんかな 清水能舟
秋蒔きの土にやさしく月さしぬ 菅原鬨也
うしろから山風来るや菜種蒔く 岡本癖三酔
大根播く光の粒をこぼすかに 西尾玲子
黒潮の黒の深まり菜種蒔く 延平いくと
峡の田にひとりとなりて紫雲英蒔く 森戸山茶花
菜種蒔くかそかなる音地に籠る 田中茅洋
秋蒔きの種子とてかくもこまかなる 能村登四郎
大根蒔くうしろの山に入る日かな 赤木格堂
大根蒔く短き影をそばに置き 加藤知世子
天命の余白に大根蒔かんかな 清水能舟