竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

あちこちに穴のあきたる秋思かな 隈元拓夫

2021-08-22 | 今日の季語


あちこちに穴のあきたる秋思かな 隈元拓夫

あちこちは作者の心中のことだろう
読み手はそこに共感する
ぽっかりと胸奥に空いた穴
なかなか容易には埋まりそうもない
(小林たけし)


秋思】 しゅうし(シウ・・)
◇「秋懐」(しゅうかい) ◇「傷秋」(しょうしゅう) ◇「秋あわれ」 ◇「秋淋し」
秋の寂しさに誘われる物思い。秋は人生の寂しさに触れることが多い季節である。事に寄せ、物を見て秋を感じること全般をいう。

例句 作者

帯きつく秋思を秘めて末席に 進藤 紫
わが秋思水わたりきし一羽鳩 中村草田男
開くまで秋思の無音オルゴール 鈴木まゆ
炉は燃えて秋思さだかに老いきざす 鳥谷網生
山の湯を出でて化粧ひてより秋思 斎藤杏子
この秋思五合庵よりつききたる 上田五千石
やや沖に孤礁秋思の水柱 原子公平
万華鏡へ秋思とぢこめ旅決意 遠藤悦子
三つ目の釦穴から逝く秋思 白水風子
六本木の五十二階のわが秋思 八木健夫
古層の秋思俳句以前のことを言う 加藤知子
城壁に残る手の跡秋思かな 藤井サカエ