竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

咳ぶけば失禁のごと狼狽える たけし

2022-01-30 | 今日の季語で一句


咳ぶけば失禁のごと狼狽える たけし

コロナ禍の市井
みなマスクして黙の人混み
咳などすれば大顰蹙だ
失禁したかのように狼狽ええる
(小林たけし)


【咳】 せき
◇「咳く」(しわぶく) ◇「咳く」(せく)
風邪の症状のひとつ。気管支が寒気に刺激されても出る。

例句 作者

ジャズの中咳を落してわが過ぎぬ 石田波郷
行く人の咳こぼしつゝ遠ざかる 高浜虚子
咳熄んで大きな石をみつめゐる 菅原鬨也
咳をして言ひ途切れたるままのこと 細見綾子
ふるさとはひとりの咳のあとの闇 飯田龍太
咳くと胸の辺に月こぼれきぬ 角川源義
咳の子のなぞなぞあそびきりもなや 中村汀女
妻の留守ひとりの咳をしつくしぬ 日野草城
そこここに虚子嫌ひゐて咳払ひ 鷹羽狩行