蘊蓄cafe

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「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」

2007年03月17日 | 音楽・映画レビュー
[感想:★★★★★:何度でも見てみたい!]
 「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」は20年前の映画でありながら、アクション・ストーリー・ 音楽・主演とどれをとってもよく、香港映画らしい作品だ。続いて作成された続編2作も面白いが、やはり最初のこの作品が一番繊細で気 に入っている。主演のジョイ・ウォン20歳頃の作品になろうか。この話は人気があるようで、この映画のリメイク版が作られており、また、この作品自体もリ メイク版である。

 この映画は、中国の清の時代に書かれた「聊斎志異」という冥界の話・幽鬼・精霊の話などを集めた風変わりな短編小説を もとにしている。岩波文庫には全約500話のうち92話が、平凡社の奇書シリーズには全話翻訳されたものがある。日本の幽霊はとても怖い・・何もしなくて も出るだけで怖い(^^;のだが、この小説を読むと中国の幽鬼は面白いことにとても人間的で、時には人間に生まれ変わったりする。幽霊と幽鬼は少々違うの かもしれない。「聶小倩」という話には、「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー1」と同じ小倩という幽鬼と寧采臣という男が登場するので、映画はこの話を ベースにしたもののように思われる。小説が映画と大きく異なるのは、寧が小倩の骨を掘り出した後で、骨を自宅に持ち帰り、後を追ってきた妖怪を退治して、 小倩を妻として子供をもうけるといったハッピーエンドになっているところである。

 聊斎志異には、他にも「小謝」(男が秋容と小謝という2人の幽鬼と親しくなり最後には2人とも人間に生まれ変わるという話)や「蓮香」(男と幽鬼と狐の関係を書いた話)など面白い話が多い。幽鬼や狐にも悩みは多いようである。興味をもたれた方は文庫本が手頃。(Cafe:01.09.23)

ぽすれん・レビューAmazon・レビュー
監督:チン・シュウタン
出演者:レスリー・チェン、ジョイ・ウォン、ウー・マ、ラウ・シーミン
Story:
幽霊の娘と旅の青年道士との、かなわぬ恋。香港の巨匠ツイ・ハークが世界三大奇書のひとつを映像化したSFX伝奇ロマン。(チャイニーズ・ゴースト・ストーリー)

明るい医者と暗い医者

2007年03月17日 | 独り言
 体の具合が悪くなった時、我々の頼みの綱は医者である。

 医者は、多くの人に接する職業なので「暗く」ては、患者も落ち込んで、症状が胃潰瘍でも気分は胃ガン(^^;・・・これでは「病は気から」の逆行であ る。医者の多い現在、よっぽどの名医の噂なくしては、再度同じお医者さんに診てもらおうという気持ちにはならないかもしれない。

 しかし、逆に妙~に「明る」すぎても、患者としてはやりくにくいものだ。この場合、本来の「明るい」とはやや意味が異なるが「妙~に」というところがポ イントである。患者としては、何かしら体の具合が悪くて病院に行くのであるが、あまり気にしないくて大丈夫!と、かつ即座にアドバイスをいただいたりする と、患者としては「大丈夫」自体は嬉しいのであるが、やや心配(心配というより不満にやや近い気持ち)になるかもしれない。患者は、こういう場合、大丈夫 だと思いますが、念のため***の検査でもしてみますか、こういう症状はありますか・・とかという展開を期待しているのだろう。

 病気には早期発見が第一の はずであるが、症状が極めて軽い場合には、医者には診断の選択肢が多すぎて(又は判断材料が少なすぎて)適当な治療をすることが困難な場合があるかもしれ ない。ある程度明確な症状がでないと判断が難しいこともあろう。しかし、それにしても、この場合もう少々患者の言い分を引き出す試みが必要なのであろう。
 一方、患者の思い過ごしというのもけっこう多いのだろう。医者は病気を見慣れてはいるが、患者の方は我が身の事なでちょっとした異変も大事である。不安 になると、にわかにめぼしい病気の勉強を始めたりするのだが、適度な基礎知識としては有益だが、下手に医学を勉強した気分になると心配事が増えて大変だし 良いことはない。所詮素人なのである。しかし、医者まかせというのもよろしくない。

 病気によく対処するには、「良い医者」だけではだめで、患者からの客観的な情報の提供とそれに基づく医者の適切な判断、つまり「良い医者」と「良い患 者」の両方が必要だ。それには、医者と患者の相性というのもありそうである。結局のところ「暗い」か「明るい」かというのはあまり大きな問題ではないのか もしれない。(Cafe:01.08.20)