ケンのブログ

日々の雑感や日記

思い出すこと

2018年05月05日 | 日記
八王源先生の最晩年に先生と金華山に
登ろうということになった。
金華山は長良川から見ると絶壁の山だけれど
それほど高い山ではなくハイキング気分で
一時間もすれば登れる山だ。
僕が先生に「ふもとから歩いて登りましょう」というと
先生は「なあに、わしはもう年やでね。歩いては登れんの
ケンちゃんロープーウェイで登ろまい」とおっしゃった。
そのときもその言葉には感動したけれど
自分もだんだん年を取ってきて、また、公民館などに
来ても回りにおられる
高齢者のことが気になるようになってきて
そういう状況であのときのことを振り返ってみることがある。
自分が高齢になって若者から
山に登ろうと誘われて
あそこまでまともに素直に
わしはもう年やから登れないと言える方が
どれほどの割合でおられるだろうと思う。
きっとそんなにはおられないような気がする。
ロープーウェイで金華山の頂上付近まで登り
山の岩場に二人で腰かけたとき
先生は
「ケンちゃん、祈るのは寝床に入ってからでも
構わんでね。私の手足が人の役に立ちますようにと祈るの」とおっしゃってくださった。
あのとき祈るのはどこでもいいんだと思った。
忘れられないなあと思う。