ケンのブログ

日々の雑感や日記

やぶへびの二乗

2018年05月18日 | 日記
高校の中間テストの時期なのだと思う。
隣の町の青少年センターには普段見慣れない
高校生が5、6人のグループで来ている。
数学1とA のテキストを広げているので
高校一年とすぐにわかる。
なんか、思うのだけれど高校一年の今ごろって                                                                                                                                                          
まだ高校に入って間もない頃の定期テスト。
勉強をしに来ているというよりお互いの情報交換の場に
なっている。
情報といっても単にテストの情報なのではなく
お互いいかにして新しい高校という環境で
友達を見つけていくかということも込みでの
情報交換という気がする。
みんなテンションが高い。
学校の昼休みの喧騒がそのまま青少年センターに
もちこまれているような感じ。
昨日はいつもここに来て熱心に勉強している人が
何人か早々に切り上げてしまったけれど
そんな気持ちもわかるような気がする。
この場所は自習室ではないから私語は禁止されてはいない。
しかし、普段のこの場所は限りなく自習室に近い雰囲気になっている。
そうと決められていなくてもここに来ている人たちの間で
自然にそういう雰囲気が形作られている。
私語が禁止の場所ではないので文句を言うわけにはいかないし
ここの係りの方も黙認という感じだけれど
ちょっといつもの雰囲気と著しく違う雰囲気なので
落ち着かないと言えば落ち着かない。
ポータブルCDの音量をあげて防衛するように
努めてはいるけれどこれだけ声が大きいと
防衛にも限りがある。
ちょっとしたことがきっかけで昔のことを思い出した。
昔、僕が会社に勤めていた頃
年末に予備校のパンフレットの請求が来ても
翌年度のパンフレットができあがるのは年明けだから
パンフレットを請求してこられたお客さんには
年明けまで待っていただくように案内していた。
ある年の年末、僕たちの会社の予備校部門の事務方は
ビルの2階と3階にフロアーが別れていた。
外部からの問い合わせに答えるフロアーは
僕がいた3階になっていた。
それで僕はその年の年末に
「パンフレットの請求の電話があった場合には
年明けの送付になる旨、お伝えください」という回覧を回した。
僕の会社では回覧を見ると見たという印に
回覧板の自分の名前の欄に印鑑をおして次に回すことになっていた。
その回覧を見た世話焼きのKさんという方が
「三階に入った電話をたまに二階でとることもあるから
同じ回覧を二階にも回した方がいいです」とおっしゃった。
Kさんはなにかといつも世話を焼いてくるなあと思いつつも
Kさんの言う通りにしないとまたなにかとうるさく
言われるからと思い、僕は同じ回覧を2階にも回した。
するとしばらくして2階にいる他の部署の課長から社内電話が
かかってきた。
「いま、俺、回覧見たんやけどな、これってせっかくパンフレット
請求してくれたお客さんに年明けまでまっとけ言うことか?
こんなもの俺、印鑑押さんからな。その点をどうするかを
よく考えろ」 と他の部署の課長は言った。
「はい」と僕は言った。
言っては見たものの僕は平社員でパンフレットの納期とか
そういうものは全部、自分の部署の主任や課長の指示で動いている。
それはお客さんを待たせて申し訳ないとは思うけれど
一平社員がそんな風に考えても何がどうなるわけでもない。
ただ心のなかで申し訳ないと思っているだけだ。
それに俺、こんなもの印鑑押さんからなと言われても
その印鑑は内容の承認を求める印鑑ではなく
ただ見たという事実だけを示すだけの印鑑だ。
他の部署の課長は内容の承認と
見たという事実の確認を混同しておられると思いつつも
天下の課長にそんなこと言えるわけもなく
自分の部署の課長に事実をありのままに伝えて
対応をお願いした。
僕の部署の課長はパソコンが得意な方で
メールでパンフレットを請求していらした方には
自動で「パンフレットの送付は年明けになります」 という表示が
出るように設定しておられたし
そのあたりは回りからなにか言われてもちゃんと抗弁
できるようにぬかりなく準備を進めておられた。
僕の部署の課長は「わかりました、あの課長には僕の方から
言っておきます」 と言ってくださった。
まあそれでしばらくは他の部署の課長とはできるだけ
顔をあわせないようにしていた。
また、なんか言われるといやだから。
しかし、世話焼きのKさんに言われていやいや回した回覧で
またいやな課長から文句を言われるなんて
やぶへびの二乗だなと思った。
いま、会社を離れて改めて振り返ってみると
あのときの他の部署の課長の言葉はいったいなんだったんだろうと思う。